鈴鳴

ほんとのことはポケットの中に

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おばあちゃんは愛の人

 なんてことはない1日の終わり。いつもみたいにくだらないことで笑ったり苦しくなったりしてその日も終わるはずだった。ラジオから懐かしい歌が流れてきた。偶然聞いたその「トイレの神様」に出てくるおばあちゃんに自分の祖母を重ねた。  祖母はあたたかい人だった。仮病で学校に行きたくないと泣き喚く僕を母から庇ってくれた。10時のおやつという新しい文化を教えてもらい、和菓子を一緒に食べた。土日のお昼には毎週からあげクンを買ってきてくれた。そんな祖母との愛おしい日々は僕のせいで失われた。

    • じゃあね

      ことばは寄り道せずに ぼくらへ届いた じゃあね 言いたかったのは またね  もう会えないかもしれないから またはないかもしれないからいつも 願いを込めていつも またね  そう言っていた だけど じゃあね そんなにさみしいことばじゃない じゃあね さよならよりもよっぽどいい じゃあね  あまりに大切なきみへ じゃあね

      • 【詩】すばらしい日々 

        君がいなくなって久しい でもここには残っているものもある もう歌声は忘れてしまった なのに歌をうたえばあの頃に戻れる もう髪の匂いは忘れてしまった なのに細い手の温もりが凍傷みたいに残ってる もう一緒に見た月は忘れてしまった なのに夕陽みたいな笑顔が目に焼き付いてる もう手紙の文字は忘れてしまった なのにもらった言葉が勇気をくれる だけど「また明日」の中に君はいないから 「夢で会えたよ」って話せないんだ 君を忘れて僕は生きてるけど 君の声を思い出せたとき 僕は君に

        • 大好きな音楽を聴く時の高鳴りとも違う 暖かな春が来た日の夜のソワソワとも違う 夏フェスの音楽と日差しを浴びて毛穴がザワザワする感じとも違う 胸が躍り、お腹の中身が逆流してきそうな 張り切ってワックスをつけ過ぎてしまうような 夢の中でもその人に会いたいような その人だけに見て欲しい写真があるような 自分だけを見て欲しいような この気持ち

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        おばあちゃんは愛の人

          またいい作品ができちゃった件

           今日は仕事の関係で3日連続で通勤に1時間40分もかかるところに出社した。長すぎる通勤時間にこんなにも首を絞められるとは思っていなかった。通勤でストレスを抱えながらうまく仕事をするのはやっぱり難しいと思った。移動の疲れで帰りの電車はなんだか泣きそうになった。  なのにいったい何故だろうか、すばらしくいい作品ができた。写真に詞を組み合わせたものだ。写真は祖母の見舞いの後に見上げた空で、ピンクの雲と小さく写っている飛行機が印象的で「忘れたくないな、これは写真に残さないと」と思っ

          またいい作品ができちゃった件

          【詩】 空

          空を見上げれば 思い出すだれかがいる それは幸せなこと だれかも空を見上げたら 思い出しているかもしれない だいじなあなたを この世界のどこかできっと 寒い夜にもそんなことを考えれば ふしぎとぽかぽかだ 空はぼくらをあたたかくしてくれる 空はみんなの上にあって ありがたく思うこともあれば 目を背けたくなることもある 都会だと狭すぎたり 田舎だと広すぎるらしい でもみんなの上にある それだけは確かだ ぽかぽかあたたかくなったり ときには震えるくらいさむくなったり み

          【詩】 空

          てんとう虫は冬を越す

           ある日、朝の満員電車のドアにてんとう虫が止まっていた。新卒の5月ごろだったと記憶している。会社に行くのが嫌で嫌で仕方なかった頃だ。誰も知り合いのいない土地で、初めての一人暮らし。それはそれは毎日が憂鬱だった。「こんなとこにいてかわいそう」、少し自分と重ねる部分があった。手に乗せて外に逃がしてやろうと思った。手に乗せた後でてんとう虫はくさい液を出すことを思い出した。案の定、黄色い液が手についていて少しだけ後悔した。手を広げると太陽の方へ飛んで行った。てんとう虫は太陽の方へ飛ぶ

          てんとう虫は冬を越す

          【詩】 「雲」

          雲を眺めているときの おだやかな気持ち やさしくてゆっくりで じんわりとする ただ上に伸びていくそれは 太陽ですら邪魔できない

          【詩】 「雲」

          【詩】 「さよならだけが人生でも」

          さよならだけが人生だって おっちゃんが言ってた さよならだけが人生でも 明日も海にいきたいな さよならだけが人生でも 明日も星をみてたいな さよならだけが人生でも 明日もあのこにあいたいな さよならだけが人生でも 明日の夕飯はかあさんのカレーがたべたいな さよならだけが人生でも そらへかえっただいすきなみんな わすれたくないな さよならだけが人生でも さよならした日をいつかわすれちゃっても たまには夢であえるんだから これでいい これがきっといいんだ!

          【詩】 「さよならだけが人生でも」

          【詩】 「光」

          終わりのない暗がりの中で わたしは光になりました 朝のざわめきを聞いて わたしは空にのぼります 遠くのあなたに届くように 遥か高くの光になって あなたが新しいものに立ち向かう時 こころに火を灯すように 目の前のことにつまずく時 足元を照らすように 寒さにおびえて震える時 温もりを忘れないように あなたがわたしを懐かしんでいる そんな時も わたしはあなたのそばに在ります あなたはそうして光を浴びて なんども朝のざわめきを聞きます あなたにいつか この光が届かなく

          【詩】 「光」

          さよならだけが人生だったとしても(仮)

          さよならだけが人生だったとしても 明日はきっとくるだろう さよならだけが人生だったとしても 明日は空を見上げるだろう さよならだけが人生だったとしても 明日も君に触れたいだろう さよならだけが人生だったとしても 明日もベットで泣くだろう さよならだけが人生だったとしても 今日のさよならもいつかは忘れるだろう さよならだけが人生だったとしても さよならのこの日をいつか忘れたとしても さよならはすばらしいものをくれるから これでいいんだろう これがきっといい

          さよならだけが人生だったとしても(仮)

          もう眠った方がいい

           ぬくもりを思い出せない。色恋とかそんなんじゃなくて、母さんの手とか、そういうあたたかいものが思い出せない。  ポケットの中にあるはずなのに、もうこの手は冷たくないはずなのに。なぜだろう。  もう休もう。考えても分からない。

          もう眠った方がいい

          季節が巡れば記憶も巡る

           春は暖色の記憶が思い出される。花見。入学式。寒くない夜。芽吹く生命のにおい。  夏は彩度の高い記憶が思い出される。ラジオ体操。プール。夏祭り。花火。  秋は色が薄くなる記憶が思い出される。生命の終わるにおい。ひとりで感じた金木犀。  冬になれば間食の記憶が思い出される。白い呼吸の苦しさ。寒い夜の発車メロディー。  何年経っても思い出せる。匂いもカラーで思い出せる。

          季節が巡れば記憶も巡る

          雑感

           わざわざ見てくれてありがとう。  お久しゅうございます。  ここ最近の出来事を振り返っていきます。  少しさみしい別れがありました。 自分のことを大切に思ってくれる人から離れるというものはとても辛いものがあると知りました。1人の方が慣れていますから、これは楽でいいこともあります。ただ、写真を撮ってくれる人がいなくなるというのは大きいです。    風邪をこじらせました。季節の変わり目はいつもこうです。たくさんたくさん寝てもダメでした。一人暮らしが故、それはもう病院に行くこ

          「うわ〜しんどい」ばかり言っている人が、たちまち詩的なことを言い出す。 これだから恋愛はすばらしい。と思っている。

          「うわ〜しんどい」ばかり言っている人が、たちまち詩的なことを言い出す。 これだから恋愛はすばらしい。と思っている。

          俊太郎すごい

          俊太郎マジやばくて〜。すごくて〜。俊太郎ってすごい。俊太郎ってのは谷川俊太郎さん、詩人です。 詩を読んだら「あ、これ俊太郎だ」って分かる。言葉はみんな平等に与えられているのに、俊太郎の言葉は俊太郎だけのものになっている。すご。 僕もなんか、そうなりたい。ツイート、ポストか、ポストを見ただけで、写真だけで、そこに添えられている言葉で、「これあいつのだ!」って思われるようになりたい。 俊太郎になりたいわけ。令和の俊太郎にさ。 感性殺させないようにがんばるぞ。 読んでくれ

          俊太郎すごい