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楽譜や音符を読むのが大嫌いな人へ

「音楽とは、言葉にはできないが沈黙したままではいられないことを表現するものである。」byヴィクトル・ユゴー


かっこよくピアノを弾く姿には大変憧れるけど、特にクラシック音楽を演奏するために立ちはだかるのは、楽譜を読まなくてはいけないこと!譜読みが好きだから音楽をやっている、という変態でなければ、それは大変な作業なのです。

音楽の始まりは、神様に気持ちを捧げたり、豊穣や収穫に感謝したり、みんなの気持ちを一つにまとめるためにできたもの。一度演奏すると途端に消えてなくなってしまう音楽を記録するために、楽譜が発明されました。

現在の楽譜の形になるまでにはきっとたくさんの方法が試されてきたことでしょう。でも共通するのは、”ここにはこんな気持ちが込められて、こんなことがあっても最後にはこーんな気持ちを伝えたい!”という意図があるということ。

でも、一言で気持ちと言っても、そう単純なものでもありませんよね。とっても複雑な気持ちだってありますし、変化もします。だから私たちは、楽譜を読む以前に、人間を学ばなくてはいけません。何より、良い演奏直結するのです。

小さい頃からたくさんのお話を聞いたり、を読んだり、他人と接しながら気持ちの変化を感じるのです。そして、作曲家は誰のためにどんな気持ちで音楽を残したのか、完全に理解することは不可能ですが、少しでも知ろうと努力するのです。

また、楽譜の情報だけでは不十分です。作曲された時代背景や、作曲家自身がどんな人だったのか、その時何が起こったかなど、できる限り調べる必要があります。膨大な時間と労力を要します。

一筋縄ではいきません。かなり専門的な知識が必要になるので、読譜のための勉強をしなくてはいけません。ですが、譜読みの入り口が人の気持ちを理解することなんだ、と思うと、楽譜を読んでみたくなりますよね。

楽譜を勉強すると、時々おまけで色々楽しい体験も待ってます。例えば、作曲家が特定の人に向けた個人的なメッセージが書いてあったり。音楽の中身とはおそらく本質的に関係のないものも見つかっています。

モーツァルトなんかは、ふざけてホルン奏者の楽譜に「間抜け、元気を出せ!頑張れ、こんちくしょう。もうたくさんだ!」などと書き込みをしました。演奏家の間で盛り上がった様子が目に浮かびますね。

さあこれから、夜な夜な楽譜を虫眼鏡で、すみずみ読みあさるあなたの姿があるかもしれません。 

あれ?楽譜を読むのが億劫な人を励ますために書いたのですが、逆効果になってしまいましたか?



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