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第九話 リスクをなるべくおさえたい 〜キーワードは「長期」 「積立」 「分散」〜

「一つのカゴに卵を盛るな」


「株式に投資するぞ!でも投資した会社が潰れたらどうする?」「株価が安い時に買って、上がったら売りたい。でも下がる一方だったらどうする?」と、心配は尽きないですよね。今回はリスクへの対応についてお話しします。

最初に私の本音をいってしまうと、自分で色々やってみて、失敗などしながら学んでから納得する形を見つけるのもなかなかいいよ〜♪なんです。その方が本当の意味でよく理解できるからです。でも、大抵の人は失敗したくないでしょうし、正解が欲しい気持ちもわかります。ではこうしましょう。世界的に最適解と言われる王道スタイルでの投資を進めて、それでも余りある余剰資金、無くなっても仕方がないと思えるお金ができたら他の色々なスタイルに挑戦しましょう。

リスクのない投資はありません。でも、リスクとうまく付き合う方法ならあります。キーワードは「長期」「積立」「分散」です。

「長期」

金融商品(株や債券)の値段は上がったり下がったりします。本当に短いスパンで上がったり下がったりを繰り返しながら、長期で見ると上がっていくこともあります。または逆もあります。切り取る場所によってどう見えるかが違ってきます。

どこを切り取るかで見え方が違う

一番安いところで買って、高いところで売るなどというタイミングを見ることはとってもむずかしいことです。それをやり始めると、上がると思ったのに下がると慌てて売ってしまったり(狼狽ろうばい売りといいます)、買う時にも売る時にもかかる手数料などで、あっという間に資金がなくなってしまいます。

それなら、長期的にみても安定していそうな企業や国に投資してずっと保有し続ければ、配当を受け取り続けることもできるかもしれないし、価額の上下に一喜一憂せずに精神的にも安定していられるかもしれません。以前、短期投資で財を築いた天才的なトレーダー、テスタさんが、初心者の頃は”血尿が出た”と言っていました。

また、以前お話しした「複利」のパワーを享受できるのも長期投資だからこそです。何度でも読んで復習してくださいね。複利の効果が現れるのは最低15年、さらに20年、30年を視野に入れるなら、早く始めるに越したことはないですね。

冗談抜きで、過去、投資で成果を上げたのは①投資したまま亡くなった人②運用していることを忘れている人 の順にパフォーマンスが良かったのだそうです。”気絶投資”なんていう言葉も生まれました。

「積立」

まずは資金が少ないという前提でお話を進めます。積立投資というのは、定期的に(例えば月一回決まった日に)、一定金額ずつ(1000円とか10000円とか)買い付ける方法です。”時間を分散する”というこの方法を「ドルコスト平均法」といいます。

「ドルコスト平均法」
この方法だと、価額が安いときは多く買って、高い時は少なく買うことになり、結果”平均購入単価”を低くすることができます。場合によっては一括購入の方が有利なこともあります。

単価が安いときは個数を多く買える

積立だとタイミングを計って買うわけではないので、安い時に買わなかったり、高い時にだけ買ってしまったりすることを避けられます。しかも自動で買い付けてくれるので、手間がかかりません。いいことだらけじゃないですか?

冒頭で言ったように、資金がまだ少ないことを前提にしていますが、少しずつ積み立てることでしばらくは少額で「値動き」に慣れることができます。そして、積立にすることで、自然と長期投資をすることにもなりますね。

「分散」

一つのカゴに持っている卵を全部盛ってしまうと、石かなんかにつまづいてカゴをひっくり返すと卵がぜーんぶ割れてしまいます。でも、複数のカゴに分けて入れておけば、一つをひっくり返しても他のカゴは無事、卵も無事。という、投資の格言が「一つのカゴに卵を盛るな」です。

一つの銘柄、一つの資産に偏って投資していると、予測外の大きな変動があったときに資産のほとんどを失ってしまうかもしれません。そんなことを防ぐために、値動きの異なる資産に分散することで、変動の大きさを軽減できます。

「相関係数」(そうかんけいすう)
難しそうな言葉が出てきちゃいましたね。2つの投資商品の値動きはどれくらい違うのか、という数字です。−1から1まで。−1に近づくほど逆の値動きをして、1に近づくほど似た動きをします。−1に近い逆相関の資産を組み合わせれば、全体的に動きがマイルドになります。

激しい上下の間をとることができる

例えば米国株式と米国長期国債などは、一方が上がると一方が下がるというような反対の動きをすることが多いので、組み合わせることが多いです。なんでもとにかく色んなものに分散するのではなく、相関係数を意識することでリスクを減らすことができるのです。でも、相関係数は絶対ではないし、その時その時で違う様子を見せるので、あくまでも参考に。

「インデックス ファンド」
またまた新用語が登場しました。「インデックス」についても「ファンド」についても次回詳しくお話ししますので、ここではざっくりこういうものがあることだけ覚えてくださいね。

「株価指数」とか「日経平均株価」なんていう言葉を聞いたことがありますよね。たくさんの企業の株価の動きを見るための指数(インデックス)で、例えば「日経平均」だと、日本の上場企業のうちの225銘柄を選んで出す平均株価です。

この「インデックス」にまるっと投資することができるのです。個別株(一つの企業の株)に投資するよりもすでに分散が効いているわけです。しかも自分で銘柄選定をしなくてもいいんです。初心者の私たちにもってこいの方法ですよね。

「ファンド」というのは、投資家から資金を集めて運用する仕組みです。私たちの身近なファンドには「投資信託」があります。

「アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書」という書籍の著者、ティモシー・オルセンがこう言っています。
”最強の投資方法とは、結論 インデックスファンド✖️ドルコスト平均法の組み合わせである。”
勝つことを目指すのではなく、安全性が高い”負けない”投資をすること。心配で夜も眠れないような投資はしないこと。

次回もお楽しみに!


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