第十一話 インデックスファンドを選びたい
「一攫千金という考え方は人々に愛されている。私は彼らを責めるつもりはない。でも、私はゆっくり金持ちになりたいとずっと考えていて、その過程で多くの楽しみを得ている。」byウォーレン・バフェット
前回のお話で、インデックスファンドとは何かを学びましたね。インデックスファンドとは、ある指数と同じ値動きをするように運用される投資信託のことでした。これから、たくさんの企業の株が入った”詰合せパック”を、どんなものの詰合せなのかをよく吟味して買いましょう、という作戦です。
では、どんな詰合せパックを購入すれば良いのか、順番にポイントを見ていきましょう。
①どの指数(インデックス)に投資するかを決める
一つの議論として、”どこの国”に投資するか、というのがよく上がります。「日本人の私たちはやっぱり日本を応援すべきでしょ」「世界の株式市場は米国を中心に回っているからアメリカがいい」「最近経済の発展が著しいインドや中国がいいのでは」「全世界インデックスなら究極の分散投資ができそう」など。
未来のことは予想できませんが、過去の歴史を振り返ることと、現在の状況を考えることで自分なりに判断することはできます。私は以下の理由で米国株一択です。
米国の市場は長い歴史があり、今のところずっと右肩上がりを継続しています。もちろん、世界恐慌やリーマンショックなど、何度も大暴落を経験していますが、その後必ず持ち直してきました。
それは世界的に他の国を見ても同じなのですが、明らかに低成長な国もあるのです。日本株は、長いこと低迷を続けています。でも、今年(2023)に入って過去最高値を更新するなど好調で、チャンス到来かもしれませんね。
でも一つ問題があって、人口が減っていることです。経済の発展には必要な人口の推移なのですが、ヨーロッパや日本の人口が減っていることに対して、米国はまだこれからも人口が増加する見込みなのです。ただ人口増加といえば、インドや中国も増加していますよね。
でも、ここにまた問題があって、資本経済に関する法制度が、アメリカ、ヨーロッパ、日本など先進国に比べて新興国ではまだまだ整っていないのです。これから整っていくかもしれませんが、今はまだリスクが高すぎる気がします。
米国インデックスの中にもいろいろな投資信託がありますが、私はその中でも”S&P500”に連動するものを選びました。米国のものでも”円建て”で購入できます。S&P500に関する詳しいことはまた別のお話にしたいと思います。
ただ、米国一強の時代にも終わりは来ることもあるでしょう。それが心配なら、全世界を選ぶのもいいと思います。全世界インデックスも米国企業が60%を占めていますからね。
②コストを比較する
多くの専門家が運用に携われば、それだけ手数料ががかかります。投資信託に関しても、証券会社、銀行、保険会社などで勧められるものは手数料がものすごく高く設定されています。だいたい、日本の投資信託は手数料が高いものが多いので、金融庁も注意しています。そして、手数料が高いから成績が悪いことも多いのです。
まずはネット証券のラインナップから選ぶようにします。それでもいろいろあるので、比較する必要があります。投資信託の2大コストは、”販売手数料”と”信託報酬”です。ほかにもあるのですが、ここでは重要な2つについてお話しします。
販売手数料の一部の”購入時手数料”は、NISA口座であればほとんどが無料のものを取引できるようになっています。”ノーロード”といいます。NISAについてはまた改めてお話しの回を作ります。
信託報酬(運用管理費用)は、保有額に応じて保有している間、常にかかる費用です。SBI証券で購入できる「SBI・V・S&P500インデックスファンド」は年0.0638%で運用できます。多くの証券会社で購入できる「eMAXIS slim米国株式(S&P500)も同様です。今のところ、業界最安値です。
投資信託を購入する前に”目論見書”(もくろみしょ)という説明書に必ず目を通して、確認するようにしましょう。
③純資産残高(じゅんしさんざんだか)
こちらも非常に重要な要素です。純資産残高とは、投資信託の規模、要はこのファンドにどれだけお金が集まっているかということです。そのわけは、たくさんお金があったほうが個々のコストが安くなりやすいからです。
それから、”トラッキングエラー”といって、ファンドの運用成績と指数の動きの乖離(かいり)も小さくなりやすいのです。お金が集まらない人気のないファンドは運用中止になることも少なくありません。目安としては30億円以上です。
④信託期間(しんたくきかん)
これは、投資信託を運用する期間のことです。いつから運用されていて(設定日、運用開始日)いつまで運用されるのか(償還日、運用終了日)が目論見書に書かれています。
運用開始日に関しては、これまでの運用成績などの状況を確認できるので、新しすぎない方が良いかもしれません。償還日も近すぎるのであれば、長期運用できないので意味がありませんね。償還日なし(無制限)と書かれているものもあります。
以上、投資信託を選ぶポイントについてお話ししました。自分はどのようなものに投資しているのかをしっかり理解して、納得し、自分で判断するのが大きな失敗をしないための大切なことです。
始まってしまえば動き出します。頑張って!
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