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第三話 投資をしてみたい

「ノー・ペイン、ノー・ゲイン」 痛みなくして成功なし


家計管理に取り組み、貯金に回すお金が少しでもできてきたら「資産形成」を考える段階です。資産形成というのは、将来に向けてお金を準備することです。将来、家が欲しいなーとか、子供が生まれたらお金のかかる学校に行きたいと言うかもしれないなー、とか。

「資産形成」には一般的には2種類の方法があります。「貯蓄」「投資」です。
「貯蓄」とはお金を蓄えることで、銀行に預金することなどです。「投資」とは利益を見込んでお金を出すことです。

以前、家計のお話で”貯金しましょう”と言いましたが、「貯金」と「預金」は金融機関が違うときに呼び方が違うだけで、同じことです。ゆうちょ銀行やJAバンクなどに預けることを貯金、銀行や信用金庫などに預けることを預金と言います。

銀行の預金は預けたり引き出したりがすぐにできますよね。なので、日常的に使うお金や近い将来使う可能性のあるお金を預けておきます。「生活防衛資金」と言って、常に生活費の半年〜一年分あるようにしましょう。

ちなみに、銀行に預けたお金は銀行が破綻(はたん)してしまった時などに、1000万円までは返してもらえる保護制度があるので、1000万円を超える分は他行に預けておくといいかもしれません。

さて、ある程度生活防衛資金ができたら、今すぐ必要ではない、将来のために増やしていきたいお金は「投資」に回していきましょう。”投資ってギャンブルでしょ?” と思われる方もいるかもしれませんが、違います。投資とギャンブルの違いを説明します。

ギャンブルの特徴

ギャンブルの特徴は「ゼロサムゲーム」「マイナスサムゲーム」だと言われています。”サム”とは合計のことで、”ゼロサム”とは合計ゼロ、”マイナスサム”とは合計マイナスのことです。

ゼロサムゲームというのは、参加者の利益の合計がゼロになるゲームのことを言います。つまり、一方の利益が他方の損失になる、誰かが勝って誰かが負けるということです。

たとえばマージャンやポーカーは誰かが勝ちますが、他の参加者は負け。勝者と敗者の賭け金の合計はゼロなので、ゼロサムゲームです。パチンコや競馬、カジノは勝った人の取り分以外に運営側の取り分が大きいので、参加者全員の利益を合計してもマイナス。マイナスサムゲームです。そのようにできているのです。

投資の特徴

一方投資というのは「プラスサムゲーム」です。参加者全員の利益の合計はプラスになります。みんながハッピーになる可能性があるのです。

詳しいことはの回でお話ししますが、たとえば株を買うということは企業のオーナーになって企業の成長を見守り、その会社の利益から株主に還元されるのでプラスサムゲームなのです。

投資で大損?

あれ、でも、株などの投資で大損こいてしまった話も聞きますよね。それは、どんな考えでどんな狙いがあって臨んだのかによるのです。同じ株を買うことでも、短期間のうちに売買をした差額で利益を得ることが狙いだと、ギャンブルになります。こういう売買は投資ではなく、「投機」と言います。

確かにこういった「トレード」のやり方もあります。そして完全に成功している人だっています。ただしそれはギャンブルであり、一攫千金を狙う目的ならアリでしょう。でも私が言う長期的な資産形成が目的の投資とは全く違うものです。投資とお金儲けを混同してはいけません。お金儲けするなら「事業」で収入を増やしたら良いのです。

ただ、投資の世界にも”損失”はあります。リスクは必ず頭に入れておかなくてはいけません。”ほら、損をするんじゃないか” ”絶対に損はしたくないから、投資はしない” ですか?投資におけるリスクは「危険」「損失」のことではなく、「可能性」のこと。さまざまな種類のリスクがあって、それらを正しく理解することが大切です。詳しくはまた改めてお話しします。

「ハイリスク・ハイリターン」などという言葉があります。高いリスクを負って高い利益を得ることです。でもこれから進めていきたい投資は「ローリスク・ローリターン」です。ローリスクといえどもリスクはありますし、ローリターンなんてラチがあかない気がするかもしれません。でも、何度でも言いますが、働かなくても暮らしていける富豪に短期間で到達するのが目的ではありません。もちろんそこを目的にすることは悪いことではありませんが、そこの違いははっきりとわかって取り組まなくてはいけません。

間違った認識や思い込み、先入観を捨てなくてはいけません。この”捨てる”作業がまず大変です。痛みを伴います。「ノーペイン・ノーゲイン」、痛みなくして成功なし。優秀な頭脳と知恵を持つユダヤ人の格言です。これは、お金をたくさん注ぎ込まないと成功しないと言っているのではなく、今まで持っているものを捨てないと新しい学びや前進は得られないという意味なのです。




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