見出し画像

第六話 WARNINNG⚠️警告

「世間は欺(あざむ)かれることを欲する。」 byエラスムス(痴愚神礼讃ぐちしんらいさん)


前回の「投資できるもの」の後半で、大分はしょりましたが注意が必要な商品を記しました。今回はその辺を少し詳しくお話しします。これから投資をしていく上で最も大切なお話になりますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。キーワードは「手数料」「詐欺」です。

1.「窓口」

「投資のことなんて何もわからないから、プロに聞いた方がいいよね?」「プロだから正解をくれるよね?」と思っていませんか?

銀行、証券会社の窓口、保険の販売員、一部のファイナンシャルプランナー、不動産業者などなど。それらの会社も、そこに雇われた人も商売しなくてはいけません。なにで商売しているかというと、「手数料」です。

だいたい窓口に相談に来る人はあまりよくわからないから話を聞きたい人なので、それをいいことにわざと仕組みが複雑な商品の説明をして、高い手数料を取るだけの投資信託(とうししんたく)外貨預金(がいかよきん)ファンドラップなどの商品を売りつけます。投資信託についてはまた別の回にお話しします。

ファンドラップというのは色々な金融商品をごった煮にして運用を金融機関に丸投げするサービスです。高配当、高利回りの話も出ますが、「タコ足配当」といって利益が出ていなくてもお客さんから集めたお金から配当を出すのです。タコは種類によってはお腹が空くと自分の足を食べることがあるのですが、まさにそのように自分の足を食べている状態なんですよ。それって、合法だけどほぼ詐欺じゃないですか?

2.「人づて」や「セミナー」で誘う投資

先ほど詐欺という言葉が出たので、よくある詐欺のお話しをします。株や不動産などのジャンルを問わず、「〇〇ヶ月で〇〇円稼げます」「必ず儲かる投資セミナーにいってみない?」系は全て詐欺です。必ず儲かる投資など存在しません。

「私募ファンド」といって、”投資家からお金を集めて運用する”タイプの投資は、お金を集めた人が儲かるだけです。「ポンジスキーム」という投資詐欺手法があります。アメリカの天才詐欺師と言われたチャールズ・ポンジという人の名前から取ったネーミングです。投資を持ちかけてお金を集め、出資金を運用しないで配当に回します。きちんと配当金がもらえて、出資者にはお金が増えたように見えるので騙されているとは思いません。そしてもっとお金は集まります。バレる前にドロン。

「あなただけに」「あなただから教える」みたいな文句もあり得ません。芸能人やスポーツ選手などが時々被害に遭います。あ、違います。成り立つ場合があるんです。富裕層の間に出回る「プライベート・ファンド」です。「ヘッジファンド」ともいうのですが、これは富裕層専門のプライベートバンクに資産運用を一任する投資で、億から無いと口座を作ることはできません。もしあなたが富裕層だという自覚がないのなら、自分だけに持ちかけられる美味しい話など無いと思いましょう。

3.「外貨預金」 「FX」

「金利」の回でお話ししましたが、日本の金利と海外の金利の差が開くと、「円はいらない、高い利息がもらえる外貨が欲しい」と思うのもわかります。でも外貨預金、ちょっと待ってください。

「手数料」がかかります。金融機関にもよりますが、例えば円からドルに換える時に1ドル一円かかり、ドルから円に換える時にも1ドル一円かかります。往復で手数料がかかるのです。

「金利」も、せっかく外貨預金で高い利息がついても金融機関に抜かれるのです。例えば、3%の利息がついたとしても1〜2%をお客に払って、残りを金融機関の利益にしています。

また以前、金融機関の預金保護制度の「ペイオフ」についてお話ししました。銀行が破綻しても元本1000万円+その利息は保護されるというものですが、外貨は対象外です。

それから「為替(かわせ)リスク」というものがあります。通貨は常に価値が変動しています。「円高ドル安」や「円安ドル高」という言葉を聞いたことはありますよね?為替相場(かわせそうば)の動きは一般の私たちにとっては読みづらいものです。

「FX」というのは、「外国為替証拠金取引」といって、常に変動する為替の動きに合わせて安く買って高く売り、利益を取る取引です。24時間取引することができます。定期的にブームが来るのですが、これは投資とは違います。非常に危険ですので近付くのはやめましょう。特に「レバレッジ」(てこの原理)を効かせる取引方法があります。てこの原理とは、小さな力で大きなものを動かす仕組みです。自分の資金の最大25倍までのお金を”借りて”大きな金額の取引ができるのですが、どうヤバいのかはもうわかりますよね。

4.「不動産」

「不動産」ばかりは、相当に勉強をしないとほぼ詐欺に会います。特に「ワンルームマンション」などの区分所有の投資。そもそも不動産の取得には大金がかかるので資金の少ない私たちには無理か、と思いきや銀行のローンがありましたね。不動産そのものの値段を主に見てしまいますが、その取得には隠れコストがたくさんかかります。銀行の金利、不動産業者の仲介料、取得税、登記費用、修繕積立金、管理やリフォーム費用、火災保険。

関わった業者や人が多ければ多いほど「手数料」が発生します。その手数料を取るために業者はなんでもします。機会があればそのお話もできたらいいなと思います。

また、不動産は買った瞬間に価格が下がります。「価格変動リスク」といいます。上がる物件もあるのですが、私たちにその見分けはつきますか?そして、「空室リスク」があります。空室だと家賃は入ってきません。それでも家主はローンを返済しなければいけません。「サブリース」というシステムがあります。サブリース会社が一括で借り上げて、それに上乗せした家賃で部屋を貸すのですが、家主に不利な条件であることが多いのです。

私は不動産投資はダメだとは思いません。その土地や地域に愛着があり、きちんと手をかけてその物件の価値が上がっていくような良い運営ができるなら、不動産経営として成立すると思います。私が機会があったらやってみたいことの一つです。

海外不動産投資というのもあります。これは、もっとヤバいです。土地に愛着はありますか?土地勘なし、相場観なし、言葉がわからない。三重苦ですよね。しかも、海外にいる日本人を介して、というのも危ない。海外の日本人は日本在住の日本人をよくだますんです(泣)

5.「保険」

よく保険投資を抱き合わせて商品にしているものがあるのですが、それって「保険でお金を増やせますよ」ということですよね?それを投資だとすると、とんでもなく高い手数料の投資になってしまいます。保険も手数料ビジネスなので、高い保険料は保険会社の利益と保険販売員のお給料になるのです。お金を増やしたいのなら、保険じゃなく別の方法を取るべきです。
「入っててよかった〜!」ということもあるでしょうが、それまでに支払った保険料の額はその安心に見合っているでしょうか。よく検討する必要があります。加入するときに本当に投資する目的もありましたか?そうじゃなければ掛け捨ての保険料が安いものでも良いのでは?

冒頭で「一部のファイナンシャルプランナー」と書きました。ファイナンシャルプランナー(以後FP)とは、お客さんのお金に関する計画を立てるのをお手伝いする人です。全員ではありませんが、「FP注意!」といったわけを説明します。

株式会社FPパー○ナーズが運営する「マネー○クター」というサービスがあります。お金の”無料”相談サービスで、その会社にはたくさんのFPが在籍しています。会社の業績はすこぶる良好で、顧客満足度も非常に高いのです。何回相談しても無料!

無料の相談サービスなのにどうして会社は儲けているのか。それはFPが相談の中で保険の提案をし、契約成立すると保険会社から報酬がもらえる仕組みになっているからです。その「手数料」はものすごい額!不安や欲望をかき立てて手数料を取る。保険会社って儲かるんですね。

全部がダメだといっているわけではありません。満足度も高いわけですし。でも、FPさんたちのお給料になるための保険契約は本当に本当に必要なのかどうか、このことを知っていて相談するのと知らないで相談するのとでは大違いでしょう。


以上、「手数料」「詐欺」には気をつけましょう、というお話でした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?