見出し画像

音楽②Harmony

「この世の内なる調和を信ずることなくしては、いかなる科学もあり得ない。」byアインシュタイン

音楽の三大要素と言われるものに、”リズム”、”メロディー”、”ハーモニー”があります。ハーモニーは「和音」、「調和」と訳されます。和音とは、二つ以上の異なる高さの音の重なりのこと。では調和とはなんでしょう。

調和[名] ①ととのい、やわらぐこと。偏りや矛盾や衝突などがなく、互いがほどよく和合すること。
     ②よくつり合うこと。

精選版 日本国語大辞典

調和[名] 本来独立した諸要素が統一的全体を成すこと。

日本大百科全書(ニッポニカ)

現在我が国では、ギリシャ語「ハルモニア」を語源とする西洋諸語(Harmonyなど)の和訳として使われることも多くあります。ではハルモニアとは?

ハルモニアはギリシャ神話に登場する、人間の生活に平和と調和をもたらす女神であります。ローマ神話では、合意と調和の女神として崇拝されています。特に結婚生活、夫婦の和合を司るとされています。

夫婦の和合?! パッと思いつくのは夫婦喧嘩。全く違う環境で育った、違った価値観の、時には正反対だったりする二人なのですから喧嘩も無理もないですよね。我々日本人の感覚で「調和」を考えると、どちらかというと同調する者たちが協調するイメージを持ってしまいますが、西洋的考え方をするならば全く異質な、時には敵対する者たちが集まり、どこかで釣り合いをとるというか、”みんなちがってみんないい”的なことになるのでしょう。なるべくみんな均一的に質をそろえていく教育を施す我が国とは根本的に違う感覚ですね。

大切なのはマッチングなのです。一見釣り合わなそうな者たちが、意外なところで化学反応が起きて驚きの調和を見せる、なんて、とっても素敵なことじゃないですか?たとえばオーケストラのような大勢の演奏者が、みんな同じ質の音を鳴らそうとするのではなく、違う楽器の特性や個性を活かした上でエネルギーをぶつけ合っても面白い演奏になるかもしれません。

夫婦やカップルも、”お似合い”なのは必ずしも”似ている”二人ではないかもしれません。もし「私たち、合わないかも。」と思っても、異質な二人がお互いを補ってバランスを取り、調和が生まれることに気がつくと、人生楽しくなるに違いありません。

音楽を楽しむ上で、このように思想の違いや語源を学ぶと、またちがった音の聞き方ができるはずです。あなたの人生にも素敵な調和が生まれますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?