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第十話 インデックスファンドに投資をしてみたい

「私が死んだら資産の1割を米国短期国債に、残りの9割をS&P500に連動するインデックスファンドに投資しなさい」 byウォーレン・バフェット


”投資の神様”と言われるウォーレン・バフェットが奥様への遺言としてこのアドバイスをしたというお話が有名です(まだご健在です)。1世紀近くも投資の世界で活躍した人が自分の家族に勧める”インデックスファンド”というのはどういうものなのでしょう。

”インデックス”という言葉を投資分野では「株価指数」という意味で使います。たくさんの企業の株価をまとめた数値で、簡単にいうと”平均”だと思ってください。”インデックス投資”とは、インデックス(指数)に連動した成績を目指す投資方法なのです。どんなインデックスがあるのか、代表的なものを見てみましょう。

①日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)

よく聞く言葉ですね。日経225などとも呼ばれますが、日本を代表する225社の株価から算出する指数です。トヨタ、ファーストリテイリング(ユニクロ)、ソフトバンク、ソニー、NTTなど、よく知られている企業がここに入っています。

ここで、知っておいてほしい言葉があるのですが、日経平均は「株価平均型」(かぶかへいきんがた)という算出方法をとっていて、株価が大きい(高い)企業に偏っているという特徴があります。

②TOPIX(トピックス)

こちらも日本代表、2000社の指数です。構成銘柄がトヨタ、ソニーなど。こちらは「時価総額加重平均」(じかそうがくかじゅうへいきん)という算出方法で、単純に平均するのではなく、規模が大きい会社ほどTOPIXに占める比率が大きいという特徴です。つまり、TOPIX全体に投資してもその中の時価総額が大きい会社に多く投資していることになります。ニュースで「この企業は時価総額〇〇億円で〜」なんて言っているのを聞いたことがあると思いますが、時価総額というのは企業の価値や規模を評価する数字です。

③NYダウ(ニューヨークダウ)

出ました、アメリカ代表です。ダウ平均株価とも呼ばれます。30銘柄と少ないですが、こちらは「株価平均型」。株価が高い銘柄の影響を受けやすい特徴があります。マクドナルド、マイクロソフト、ゴールドマン・サックスなど。

④S&P500

米国の超優秀企業500社で構成する、時価総額加重平均型の株価指数です。アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(Google)、私たちの生活に欠かせないビッグネームが名を連ねています。

⑤MSCIオールカントリー・ワールドインデックス

こんなのもあります!世界中の優秀な企業3000社の時価総額加重平均型指数です。”オルカン”などと親しみをこめて呼ばれたりもしています。構成銘柄を見て驚くなかれ、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(Google)、テスラ…いや、なんかデジャブじゃない?私、間違えて他の指数のことを書いてしまった!わけではないですよ。なんと米国企業が61.6%を占める割合。ちなみにこの中の日本企業は5.3%。結構高めなんですよ。


インデックスは色んな企業の詰め合わせ


いかがですか?「インデックス」についてはなんとなく分かりましたか?ほんのいくつかご紹介しただけですが、実際には実にたくさんのインデックスが存在します。さあ、次は「ファンド」とは何かをご説明します。

「投資信託」

厳密にいうと「ファンド」「投資信託」では言葉の意味が若干異なるのですが、今投資を始めようというこの段階では同じと思っていても良いので、ファンド=投資信託としてお話を進めます。

例えば、「日経平均株価と同じような成果が出る投資をしたいな〜」と思っても、225社の株を買いそろえるなんてことは自力では到底無理ですよね。そこで、投資をしたいと思っている投資家からお金を集めて、専門家が代わりに運用しましょう、というのが投資信託です。売っているものの中身はそれぞれテーマが違う詰め合わせパックのような感じです。日本の大企業パック、米国のIT企業系のパックなどなど。

みんなからお金を集めるので、高額な取引も可能になります。規模を大きくして得られる収益のことをスケールメリット(規模のメリット)と言います。一方投資家は、少額でも購入することができます。一株いくらのような買い方ではなく、一口いくらで何口買う、という買い方になります。ファンドによって単価(一口いくらか)が決められていて、一口100円のものもあるんですよ。

投資信託の仕組み

それこそ投資信託も本当にたくさんあり、日本国内に出回る投資信託の数は約6000本!やはり中心となるのは株式のファンド、そのほかにも債券のファンド、不動産のファンド(REIT)など。どうやって選んだらいいんでしょう。

「インデックス ファンド」

これで、冒頭のウォーレン・バフェットの”S&P500に連動するインデックスファンド”という言葉の意味が分かりましたか?アメリカのS&P500という株価指数に連動する投資信託を買いなさい、ということです。

この投資方法は、私たちの目指す「長期」「積立」「分散」投資に向いています。もちろん、もっと高いリターンを目指す投資もあって、「インデックス投資」に対して「アクティブ投資」、もしくはそのようなファンドを「アクティブファンド」といいます。でも何度も言っているように、アクティブ投資に関してはもう少し後で考えて、まずはインデックスファンドに投資をすることに挑戦しましょう。

でも、同じ種類のインデックスファンドにも、たくさんの商品があるんです。”ティッシュ”という同じものを買うにもメーカーがたくさんあって選んで買うように、インデックスファンドも金融商品なので、銘柄がたくさんあります。

次回はインデックスファンドを選ぶポイントをお話しします。




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