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50代で脱サラした音楽家の働き方

みなさんこんにちは、ケイです。
みなさんDTMしてますか?

僕は50代で大企業の開発部長職をやめ、趣味のDTM(パソコンを使った音楽制作)でフリーランスになってしまった人です。

今回は、僕のように長年会社員をしてから音楽で食べていく生き方に転身した人がどんな働き方をしているのかをシェアしてみようと思います。

作編曲家

僕のように音楽業界とは関係のない世界の会社員として長年生きてきた人が作編曲家として稼いでいくには、コンペで採用されるとか作曲家事務所に所属する、というような音楽業界の中に入って仕事を取ろうとするより、ネットで個人相手の作編曲を受注する方が現実的と思います。

コンペに応募して採用されていくなら作家性が鍵になると思います。作編曲家になりたい人は山のようにいるのに対し、その席は限りなく少ないことが想像できるし、技術的に上手い人はたくさんいる。その中で目立っていこうと思ったら上手いだけじゃダメ、上手いに加えて際立つ個性がないと新規採用の理由にはならないだろう予測できるからです。

仮に個性的な曲が作れたとしても、僕のような50代の人間が勝っていけるとは考え難いです。やっぱり若さってのはそれだけで価値なんですよね。仮に僕の曲に技術や個性があったとしても残念ながら若さがない。言いたくないけど、それは採用側から見れば将来がない、ということと同義なんだと思います。少なくとも僕なら採用しないだろうと思います。

だから僕のような人はネットを中心に、個人クライアントの仕事をとっていくのが現実的だと考えました。そうなると大事なのは作家性じゃなくて、クライアントの望むような曲を作れるかどうかです。
個人クライアントの多くは、「誰々っぽい曲にしてほしい」「何々の曲みたいにしてほしい」というような具体的なリファレンス曲をご提示くださることが多いです。だから作家性より、誰々みたいな曲にしてほしいという要望に応えられるスキルがあるかどうかが、稼げるかどうか決めることになります。

つまり、好きな音楽ジャンルが狭い人より、J-POP、K-POP、洋楽、ブルース、R&B、JAZZ、ラテン、ダンス、ロック、メタルなどいろんな音楽ジャンルや若い世代の音楽も普段から聴いていて、そういう音楽を作れる人の方が稼ぎやすい。この稼ぎ方はアーティストではなく完全に職人なので、それを割り切れる人じゃないと難しかもしれません。

DTM講師

長年会社員として働いてきた僕にとって、講師というのはこれまでやってきた仕事の延長線上にあり、スキルが活かせる仕事だと思います。
会社で仕事をしていくには実にいろんな人とのコミュニケーションが必要で、その相手はいろんな人がいます。
30年も仕事をしていると、若い人、年上の人、積極的な人、消極的な人、話し上手な人、話し下手な人、弱気な人、すぐ怒る人など、いろんな人とのコミュニケーションの仕方が身についているものです。そういういろんな人とのコミュニケーションが上手に取れることがDTM講師として求められる重要な能力だと思います。

もちろん、DTMそのものの技術や知識が重要だということは言うまでもありません。でも、それが完璧である必要はないとも思います。事実僕は、DTM講師を始めてしまってから、生徒さんのご要望に応えるように勉強して成長しました。
技術や知識があるから教えられる、と言うものあると思いますが、教えているうちに技術や知識が身についてくる。人に教えることで自分が育つ、と言うのは真実だと思います。

現在Zoomを使ったオンラインのレッスンだけでなく、LINE公式を使ったメンバーシップなど、いろんなサービスを展開しています。現時点でのべ300人以上の生徒さんと日々やり取りさせていただいており、その結果今でも日々成長できていると感じます。

YouTuber

実は、先にご説明した作編曲家やDTM講師と言う仕事が成り立つのは、この「YouTuberと言う仕事をしている」からだと断言できます。なぜなら、音楽で稼ぐには「営業力」がカギだからです。

僕も会社員時代は技術職でしたので気持ちがわかるのですが、多くの人は「技術があれば稼げる」と考えると思います。でも実際にはネットの世界では技術だけでは稼げません。なぜなら、誰もあなたの技術の存在を知らないからです。まず必要なのは知ってもらうことであり、そのために重要なのは営業活動です。

そして営業活動のために必須なのがSNSの運用です。

僕の場合はそれがYouTubeでした。これは狙ってそうしたのではなく、結果としてそうなった、つまり僕の場合はラッキーでした。

僕が運営する1万2千人規模(24年2月時点)のYouTubeチャンネル「Studio Oneの解説チャンネル」があるからこそ、そこで自分の作編曲の仕事やDTM講師の仕事を、それを求めているクライアント(=チャンネル登録者さん・視聴者さん)に自然に知ってもらうことができるわけです。
自然に、といったのは自分が発信したいことを動画にしていけば、結果としてそれが自動的に営業活動にもなる、と言う意味です。ギラギラした営業活動をしなくても良い、というのは長年技術職だった僕にとっては精神的にとても助かることです。
もちろん動画の概要欄にリンクを貼ったり、動画の中で短い宣伝を挟んだりはしていますが。

1万2千人規模というのはYouTubeの広告収益だけで食べていける規模とは程遠いです。最低でもゼロが一つ足りない、というのが実感です。でも、YouTubeを稼ぐ手段ではなく宣伝広告の手段だと考えるならば、少額ながら広告収入も頂きつつ、週一投稿で1万2千人も集められるYouTubeというサービスはものすごく効率的、おそらくInstagramやTwitterよりYouTubeの方が圧倒的に広告効果は高いと想像します。

その他

実は僕の場合、音楽以外の収入源を確保していることも経済的、精神的な安定につながっています。このnoteでも過去に何度か触れていますが、前職絡みの仕事や会社員時代に蓄えた金融資産の運用益があります。

これは、私のように長年会社員を続けてきた中高年の強みの一つかもしれませんね。これを活かそうと思ったので、会社を辞める時も円満退社に努めましたし、20代の頃からコツコツと貯金や投資を続けてきました。
退職金で住宅ローンの支払いは完了しましたし、大きな人生イベントもこの先ないので必要なお金も少ない。だから頑張ってガツガツ稼がなければならない、というプレッシャーが少ないというのは僕のような年齢を重ねた人間の強みだということができると思います。

そういう風に余裕があるから、、、
嫌な仕事は断ることができる
嫌な奴とはかかわらないことができる
やりたいことを我慢せずやることができる

これがあるので、心置きなく毎日大好きなDTMの仕事に熱中しつつ、将来の不安少なく毎日楽しく生きていくことができる。この歳にして日々感謝、という気持ちでいられることはすごく幸せなことだと思っています。

今回文章にまとめてみて、たったの1年数か月前まで自分が会社員だったことが信じられないような気持ちになりました。30年も会社勤めをしてきた50代の人間が会社を辞めて音楽家として生きていけるなんて、以前なら信じられなかったと思います。

でも僕にはそれができました。
50歳を超えても自分の力で全く新しい人生を切り開くことができる
そのことが皆さんに伝わればうれしいです。

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