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口呼吸のデメリット

 みなさんこんにちは!パーソナルトレーナーの吉田です。

前回まで「深呼吸のし過ぎは健康に悪い!?90%の人が知らない呼吸の真実」と題してお送りしてきました。

詳しくはぜひ、こちらの記事をご参照ください。

 今回はその中でも触れてきました、「口呼吸」についてお話をしていきたいと思います。

■口呼吸のデメリット

 「口呼吸は健康に悪い」ということは何となく耳にしたことがある方はいらっしゃるかもしれませんが、その理由をご存じの方は少ないのではないでしょうか?

 ここでは口呼吸のデメリットと共に、なぜ口呼吸が健康に悪いのか?の理由についても解説していきます。

●口呼吸のデメリット①呼吸量が増えて身体の酸素不足を招く

 口呼吸のデメリットの1つは「呼吸の量が増え、身体の酸素不足を招くこと」です。

 具体的には、口で呼吸をすることで、大量の空気が体内に取り込まれることで、酸素過多な状態になり、相対的に血液中の二酸化炭素が少なくなります。

◾️呼吸で吸った酸素が身体の組織に行き渡るためには、二酸化炭素が必要

 私たちが呼吸で吸った酸素は気道を通って肺に取り込まれ、肺胞という組織から血液に入り、血液中のヘモグロビンとくっつく形で脳や筋肉など全身の組織に運ばれます。

 そして、血液中の二酸化炭素の働きによってヘモグロビンから酸素が切り離され、各組織の細胞に届けられます。

 そのため、呼吸の量が多すぎる、呼吸過多で血液中の二酸化炭素が少なくなくなると、せっかく呼吸で取り込んだ酸素は細胞にうまく行き届かなくなり、脳や筋肉は酸素不足に陥ってしまうのです。

「口呼吸を続けると、脳への酸素供給が約半分にまで減少する」という研究報告もあります。

 その結果、脳の機能が低下し、身体に様々な悪影響を及ぼすことが懸念されます。

 このように、「呼吸量が増え、身体が酸素不足になること」が口呼吸のデメリットの1つです。

 呼吸における二酸化炭素の重要性については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

●口呼吸のデメリット②猫背の原因になる

 口呼吸のデメリットの1つは「猫背の原因になること」です。

口が開くと、下顎が後退して気道が狭くなります。すると、そのままでは呼吸が苦しくなるため、気道を確保しようと無意識に頭部を前方に突き出すような姿勢になります。

 このような姿勢を「フォワードヘッド(頭部前方偏位)」といいます。

フォワードヘッド(頭部前方偏位)

私たちヒトの頭は5~6kg、大きいスイカ1個ぶんくらいの重さがあります。この重い頭が前に出ることで背中も丸まりやすくなり、猫背に繋がってしまうのです。

 猫背になると背骨や肋骨の位置もズレてしまい、呼吸で使われる横隔膜や肋間筋といった筋肉がうまく機能しなくなることで前述した「呼吸過多」の原因にもなってしまいます。

 このように、「猫背の原因になること」が口呼吸のデメリットの1つです。

●口呼吸のデメリット③ 睡眠の質が低下する

 口呼吸のデメリットの1つが「睡眠の質が低下すること」です。

睡眠中の呼吸が口呼吸になってしまうと、口が開くことで舌がした下顎に落ちてしまうため、気道が狭まってしまいます。

 このため、「いびき」や「睡眠時無呼吸症候群」のリスクを高めてしまうのです。

口呼吸はいびきの原因にもなる

 このように「睡眠の質が低下すること」が口呼吸のデメリットの1つです。

◾️「舌の正しいポジション」とは?

 実は舌にも正しいポジションがあることをご存じでしょうか?

具体的には、口を閉じている時に「舌が上顎についている状態」が適切な舌の位置と言われています。

舌の正しいポジションは「上顎についている位置」

 上顎は「口蓋/こうがい」とも呼ばれ、舌によって内部から口蓋が支えられることによって、口蓋にアーチが形成され、

・顎が適切に発達し、歯並びや噛み合わせをきれいに保つ

・顔面形成を適切にする

といった働きを担っています。

●口呼吸のデメリット④ 顔の形が歪んでしまう

 口呼吸のデメリットの1つが「顔の形が歪んでしまうこと」です。

通常、鼻呼吸では舌は上顎についています。前述したように、この位置が「舌の正しい位置」です。

 このように舌が上顎につくことで、内側から押し上げる形になり、「口顎(上顎)のアーチ」が形成されるのですが、口呼吸になると舌は上顎から離れ、下顎に落ちてしまいます。

 すると、上顎は内部から押される力を失ってしまうので、重力などの外部からかかる力に負けて、口蓋のアーチが崩れてしまいます。その結果、

・歯並びが悪くなる
・噛み合わせが悪くなる
・顎が尖る
・上顎が下に伸び、鼻の下が長くなる
・目の下が落ち窪む

など、顔の形成に悪影響が及んでしまうのです。美容の観点からも口呼吸は良くない!というわけですね。

気になる目の下のくまや窪みも口呼吸が原因かも!?

このように、「顔の形が歪んでしまうこと」が口呼吸のデメリットの1つです。

●口呼吸のデメリット⑤ 虫歯や歯周病、口臭の原因になる

 口呼吸のデメリットの1つが「虫歯や歯周病、口臭の原因になること」です。

 慢性的に口呼吸を続けていると、口の中が乾燥し、唾液の量が減ってしまいます。

 そのため、口内が酸性に傾き、虫歯や歯周病になりやすくなる他、口の中で雑菌が増えることで口臭の原因にもなってしまうのです。

 このように、「虫歯や歯周病、口臭の原因になること」が口呼吸のデメリットの1つです。

●口呼吸のデメリット⑥ 免疫力が低下する

 口呼吸のデメリットの1つが「免疫力の低下」です。これはコロナ禍の今日、気になる方も多いのではないでしょうか?

口呼吸は免疫力を低下させる!?

 口呼吸では呼吸時に空気が鼻を通りません。鼻腔(鼻の穴)の内部は粘膜や鼻毛などがありますが、これらは呼吸で吸った空気を濾過し、ウイルスや細菌、ゴミなどの侵入を防ぐといった働きがあるのです。

 しかし、口呼吸ではこの濾過機能が働かないため、空気中の異物に対して無防備になってしまいます。

 結果、外気と共にゴミや有害物質、ウイルスが体内に侵入しやすくなってしまうのです。すると当然、通常よりも遥かに多いウイルスや細菌に身体がさらされてしまいますから、免疫力も低下しやすくなってしまいます。

うがい、手洗い、消毒も大事ですが、「口呼吸をやめること」もエアロゾル感染もあると言われているコロナウイルスの対策には重要であると言えるでしょう。

 このように、「免疫力が低下する」ことが口呼吸のデメリットの1つです。

■まとめ

 今回は「口呼吸のデメリット」と題して

◾️呼吸量が増え、身体が酸素不足になる
◾️猫背の原因になる
◾️睡眠の質が低下する
◾️顔の形が歪んでしまうこと
◾️虫歯や歯周病、口臭の原因になる
◾️免疫力が低下する

といった健康への悪影響があることをご紹介してきました。

 次回は口呼吸と「睡眠時無呼吸症候群」の関係についてご紹介していきたいと思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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