外資コンサルへ転職したが、イメージと違った話。
コンサル業界って給与が高いし興味あるな…でもついていけるか心配…仕事内容もよくわかんないや…
こんなことを考えている人って多いんじゃないでしょうか?
今回はそんな声にお応えして,私が実際に未経験で外資系コンサルに入社して感じた入社前後のギャップについて書いていきたいと思います。
本noteは全文を無料で読むことができます。
もし内容がよかったと感じていただけたら,購入して投げ銭をしていただけると大変喜びます。
まずは自己紹介から。
私は偏差値50(いわゆる日東駒専レベル)の大学を卒業して,そこそこの地方メーカー(JTC)に就職し,20代半ばで外資系コンサルへの転職を成功させた人です。
戦略コンサルやFASではなく,いわゆる「総合コンサル」というところで働いています。
ファイナンス系のチームに所属していて,経理財務部門を対象とした業務改革などのプロジェクトに参画しています。
転職活動についての面接やらなにやらの話はコチラに書いてあるので、ご興味がある方はぜひぜひ。
Twitterでもコンサルのこと,財務や会計のことを発信しているのでぜひぜひフォローしてください!
さて,コンサルになって1年弱が経ちます。
プロジェクトは2つ経験して,少しずつコンサルとはこういう感じかーというのが分かってきました。
まだまだ未熟なペーペーではありますが,入社前に思ってたのと違うな―という部分について書いていきたいと思います!
1. 激務度合い
そこそこ激務だが思ってたより全然いい,という話です。
コンサルって激務なイメージありますよね。
私はコンサルに対して,外銀ほどではないけど毎日日付が変わるくらいまで働くようなイメージを持っていました。雇用契約上はみなし残業が50時間とか70時間とかついてたりしますが,そんなのもうぶっちぎりで超えて残業しているんだろうなーと思っていました。
でも実際に入社してみると,想像していたほどは残業していないです。もちろん資料作成の進捗が芳しくないときに午前3時まで働いたり,オールしたりということもあったので(自分のパフォーマンスが悪いのが原因),普通の事業会社と比較したら激務な会社であるということになるとは思いますが,毎日そのような働き方をしているわけではなく,飲み会には参加できるし,土日も休めます。
何より,日々Twitterを投稿してますし,休日にこんなnoteを書くくらいには余裕があります。
ちなみに最近は結構忙しめで1日10-12時間くらい働いていますが,日中ずーっと仕事に追われてせかせかしているかというとそうでもなく,Twitter見たりInstagramを見たりして息抜きしながら自分のペースで仕事ができています。
2. 社員の構成
転職したての人が多いという話です。
これはちょっとうれしくないギャップですが「最近転職してきました!」という人が多すぎて,コンサルの仕事の仕方というものが掴みづらい気がします。
どこのファームも業績が好調で人数を拡大しているので仕方ないことではあるんですが,いざ入社してプロジェクトに入ったら未経験中途入社の人同士で手探りで仕事を進めなければいけない…なんてこともざらにあると思います。結構困ります笑
スタッフ層はコンサル未経験の人が多い一方で,マネージャー層は結構コンサル歴の長い人が多いように思います。マネージャー層も転職してきたばかりという人も少なくはないんですが,未経験マネージャーではなく,たファームから移ってきたパターンが多いので,しっかりコンサルらしい仕事の仕方を学ぶことができます。
未経験でコンサルへ入社したなら,「コンサルたるものかくあるべし」というスキルを身に着けたいと思っていると思いますが,このように未経験の方も増加している状況ですので,この人の仕事の仕方を盗みたいなというベンチマークになる先輩を見つけるのが結構大事な気がします。マネージャーは役割が違いすぎるので参考にならない部分も多いですが,新卒からいる優秀なシニアの働き方を見ていると,コンサルらしさが身についているのでとても勉強になることが多いです。
3. 教育スタイル
待ってても誰も教えてくれないという話です。
きっとこのnoteを読んでいる方々はコンサルを目指している方々ですので,「自分はこの領域が詳しい」「この領域ならバリューを出せる」という強みを何かしら持ってる方も多いのではないかと思います。ですが,得意な領域の仕事だけをしているわけにはいかないので,当然あまり知らない領域のプロジェクトにもアサインされることがあります。
管理会計とかFP&Aが得意だったとしても,連結決算に使用する会計システムの刷新とか,経理のシェアードサービスセンター設立とか,知識も経験も全然ないプロジェクトにアサインされることは珍しくありません。
そういった場合には素早く知識をキャッチアップしてプロジェクトを前に進めなければいけないのですが,この知識のキャッチアップは完全に自分主導で進めなければいけません。
入社当初は「ある程度教えてくれたりするのかな」と漠然と思っていましたが,待っていても教えてくれるイベントが自然発生することはありません。(※上司によるかも)
ではどうするかというと,基本的にはインターネットや書籍等で調べてざっくりとした知識をインプットしておき,そのうえで不明点があれば,その点についてマネージャーや他のメンバーの時間をもらって教えてもらうという形になります。
マネージャーは常にスケジュールが埋まっていて想像を絶するくらい忙しいので,入社したばかりの頃は,そんなことでマネージャーの時間をもらってしまうのは申し訳ない…と思っていたのですが,コンサルではこのような形で知識の共有を行うのが普通らしいです。
そうなると今度は,どれくらいまでを自分で調べて何を聞くべきなのか悩んでしまうと思いますが,それ関してはマネージャーに「わからなくてずっと悩んでるより絶対教えてもらった方が早いし,そうしないと時間の無駄なので聞いてください」って言われてから時間がかかるなら聞くようにしてます。
4. 必要な知識・スキル
これはほんとに,本当に知識もスキルもなにもかもが足りないという話です。
コンサル(私の所属)において必要になる知識について,パッと思いついた以下の3つをご紹介します。それぞれ全部足りないんですが,一つずつ感想を綴っていきたいと思います。
4‐a. ロジカルシンキング
コンサルと言えばロジカルシンキング。ロジカルシンキングと言えばコンサル。そんなイメージを持っている方も少なくないと思います。
正直なところ,前職の頃は他の社員と比べてもロジカルシンキングはできる方だと思っていましたし,面接でも(他社を含めて)ロジカルシンキングについて指摘を受けたことはなかったので,自信がありました。
入社して1年ほどが経ちますが,その自信はゼロになりました。
上司からは「ロジカルシンキングのスキルがまだ十分でないので,それが原因で○○の部分ができていない。」という明確にロジカルシンキングが弱いというフィードバックを受けたこともありました。
まだ十分なロジカルシンキングができていない身なので,確かなことは言えないのですが,このできると思ってたのにできていなかったというギャップの正体は以下のようなことなのかなと思っています。
入社前に「これがロジカルシンキングである」と思っていたものは,ファクトAやファクトBがあるときに,論理的に正しいと言える示唆・意見を導き出せることというような定義でした。
一方で,入社してから気付かされた「コンサルにおいて求められているロジカルシンキング」は,簡単に言えば,上記の入社前イメージのロジカルシンキングに加えて,表面的に見えていないところのロジックを深堀して確認した上で示唆・意見を導き出せることというような定義になるのかなと思います。
ファクトAやファクトBだけを見たらそうなんだけれども,そもそもファクトAってなんでそうなってるんだっけ?ファクトAの原因がファクトCなのであれば,こういう選択肢もありなのでは?という深堀した議論ができることが求められているんだと理解しています。
具体的な例がすぐに思いつかなかったのと,詳細に書こうとするとこのテーマだけでnoteを1本書いてしまえそうな勢いなので,今回はこれくらいにしておきます。
4-b. 財務・会計に関する知識
これは本当に私の所属(経理・財務領域のチーム)だけに当てはまることですが,必要な財務・会計に関する知識についても少しギャップがありました。
ギャップがあったというより,入社前に具体的なイメージがつかみきれていなかっただけ,というべきかもしれませんが,入社前は企業価値がどうのこうのだったり,投資の意思決定をするときにどうのこうのというファイナンス理論の知識も必要になるのかなー(こういう知識も使ってファイナンススキルを高めていきたいなー)というイメージをなんとなく持っていたのですが,そういった知識を使う機会は多くはないかなーと感じています。
どちらかというと①会計に関する知識と,②そのプロジェクトで扱っている業務に関する知識が必要になります。
①会計に関する知識
まず,会計に関する知識の方が必要だという話についてですが,これはたいていの日本企業における経理財務組織のDX化,高度化のフェーズがまだ中程度であるためにファイナンスよりも会計の方が重要であるという状態になっていると思います。
なかなかニッチな話になってしまうので詳細は省きますが,簡単に言うと,今の経理財務はファイナンス理論を使用してどうのこうのという攻めっぽい業務よりも,会計データをまとめて報告して~とか,会計データをもとにキャッシュフローをこうして~とか,財務指標を管理して~という,守りっぽい業務が中心になっているので,その守りっぽい会計を中心とした業務を効率化・DX化していくような案件が多い時代だということですね。
ですので,会計のデータがどのように作られているんだとか,どんな仕訳データが財務諸表のどこに連動されるんだとか,会計の知識を持っている方が仕事に活きます。
会計の基礎的なことについては,たぶんこの領域のコンサルになる人であればだいたい理解できていると思いますが,まだ経理財務の経験も浅いという方であれば,基礎の抜け漏れの確認という意味でもササっとこの本を読んでおくといいかもしれません。
②プロジェクトで扱っている業務に関する知識
会計の知識はもちろんですが,その効率化やシステム化の対象になっている業務について知っているとかなり仕事に活きます。
単にクライアントの業務内容を正しく理解できるというだけでなく,クライアントではこういう流れで進めているけど,これって一般的にはこうするのが主流じゃない?どういう背景でこうしているんだろう?その理由であればシステム化するときにこうした方がいいんじゃない?という議論ができるようになります。
というかむしろ業務内容の知識がないと,クライアントがやっている業務プロセスが普通なのかそうでないのかすらわからないし,そもそも何をやっているのか理解するので精一杯になったりします。結構困ります。
4-c. 関連するシステムの知識
上の話に続く話であり,財務・会計の領域ではない人にも当てはまる話でもあるんですが,クライアントが使用しているシステムに関する知識を持っているととても強いです。
たとえばですけど,「SAPのデータを使用して収益性の分析をしたい!」とか「SAPのデータを新しい管理会計システムと連携させて営業と経理財務共同で強い事業を作り上げる体制を構築したい!」みたいなプロジェクトがあったとしたら,どんな収益分析をするのか,どんな管理会計システムを導入するのか,営業と経理財務共同の体制はどんな姿なのか,という議論はもちろん必要なのですが,そもそも「SAPにはどんな情報が入っているの?」,「どれくらいの粒度でデータを持っているの?」みたいなことを知らないと,あとからSAPデータを詳しく調べてみたら検討してたことはできないことが分かりました!みたいなスーパーバッドエンドにもなりかねないんですよね。
という理由で特定の周辺システムに関する知識,もしくはシステムに関する一般的な知識があると結構役に立つなーと強く感じています。
想像通りだったこと
これだけは間違いなく言えることですが,「人材の優秀さ」については期待していた通り,皆さんとても優秀だなと感じます。時々,おや…??という人もいるのは確かにそうなのですが,大半の人は仕事に対する姿勢も前向きですし,仕事ぶりを見ていてもさすがだなと感じます。
特に新卒の人たちはかなり優秀な人が多いなと驚きますね。新卒でコンサルに入ってくる人たちって皆さんの想像通り高学歴の人ばかりで,東大京大早稲田慶応の人がゴロゴロといて…
高学歴というだけですごいんですが,総じてすこぶる優秀なんですよね。
新卒2年目くらいの人はもう事業会社の30歳くらいのパフォーマンスをしている気がします。なんでそんなことできるん?といつも感心してます。
頭がいいので話の理解力が高いのはもちろんなんですが,仕事が早い人が多いですね。指示を受けてから着手するまでのスピード,そこからアウトプットを出すまでのスピードが早いように思います。
新卒で入社して数年目で私より年下の方でも普通に私より優秀なので,働き方を近くで見ながらいろいろ学ばせいただいてます笑
「仕事ができる優秀な人」が他の人と何が違うのか,ちょっと気になってきたので,またいつか別のnoteでまとめてみます。
よくネットでは「Big4やアクセンチュアは人員拡大してるので早慶卒ならだれでも入れる!」というような発言を見かけますが,新卒の内定者の顔ぶれやプロフィールを見てると,そんなことはないというのはすぐにわかります。
優秀な人と出会えます。安心してください。
おわりに
ざざざーっと書きなぐっていきましたが,いかかでしたか?
なんとなくでも,「こんなギャップがあるんだなー」と就職活動・転職活動に活かせる部分があったらうれしいです。
もし疑問点があれば,コメントいただければできる限り回答しますので,お気軽に質問してください!
TwitterやQuerieでも質問を受け付けていますのでぜひぜひ!
それでは次回作もお楽しみに!
――――以下,有料部分ですが,文章はありません。――――
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