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よかった作品 ~禍の7月編~

4〜6月は比較的順調に更新できていた気がするんですが、完全にペースを乱して8月に食い込んだ禍の7月編。
ありがたいことに仕事がたくさんあるのでインプットの量があまりないのですが今月も必死に拙い文章を書いていきたいと思います。

禍といえばGOD EATER2のマガツキュウビを倒した時の感動たるや
自分が何言ってるかわかる人は今度話しましょう。
マルドゥークとカスタムバレットの話をしましょう。


1:春猿火 「台風の子」

6月末に公開された春猿火さんの新曲
6月編で書ければと思っていたのにギリギリの執筆で書けなかったので一月遅れで載せています。曲の良さは言わずもがななので今回はMV自体のお話。

監督・CGは我らが玲架さんだったので良いものであることは間違い無いだろうと思っていて、実際に想像通りに想像以上の最高な映像ではあったけど、それ以上にこのMVではリリックモーションを担当しているレオルさんが本当に素敵。
主張し過ぎず、かといってなかったらなかったで何か物足りないなと感じるようなまさに水のような(玲架さんがレオルさんの話をするときによく言ってる表現)レオルさんの良さを改めてこのMVを通して感じることができ、自分はリリックデザインだけでアサインされることが多いのでどうして派手にしようとしてしまいがちだけど、見栄えだけを重視するのではなく今以上にもっと楽曲に寄り添った表現を目指していければと改めて感じさせられました。

静止画では良さが10%くらいしか伝わらないので映像を見よう

失礼な言い方かもなので気分を害されたらとても申し訳ないけれど、このMVは文章で極限まで端的に表すと「CG上でヴァーチャルのアーティストが歌っていてかつリリックモーションが入っている」という形式の最近であればありがちな構成かなと思っています。ただ逆にそんなありがちな構成でありつつもこれだけ素敵な映像になるのは関わった人たちの持つポテンシャル、今まで培ってきた努力だったりこの作品への取り組み方、作品への愛によるものでどんなものでも作り手次第で良い作品にも悪い作品にもなる、楽曲自体のテーマ性も相まって自分の襟を正してくれるようなそんな素敵な作品です。

ちなみにこの文章は玲架さんとお酒を飲む数時間前に書いています。たくさん飲もうね〜(or 飲んだね〜)🍶

2:PRISM Project2 「Be the light」

今年結成2周年を迎えるバーチャルYouTuberのグループ「PRISM Project」、 その2周年を記念したアンセムソング

にへくんの映像は常に情報量と丁寧さの狂気のような作品でどのカット、どのフレームを見てもそこまでやるのかといったこだわりを感じるのでデザイナーの自分としても常にめちゃくちゃ勉強になり、尊敬する映像作家の一人。
万華鏡のような線対象、点対照的なレイアウトにすることで、常に画面中央に視線が固定され、レイアウトとしての安定感があることによって別の箇所(例えばYoutube上のあなたのおすすめだったりシークバー、時計など諸々の外部要素)に目がいかずどんどんMVの世界観に吸い込まれていってしまうような感覚が個人的にとても好き。

にへくんとそゐちさんが関わる映像が最高になる確率高過ぎてクレジットでお二人の名前見るだけでもういい映像が確定だと思っている。

3:Albemuth 「ライトイヤーズ」

今年2月に行われた存流・明透2MAN-LIVE『Albemuth』にて披露された「ライトイヤーズ」のリリックデザイン。
かなり今更感ありますがめっちゃ良かったので改めて。

オリジナルMVの方で自分はタイトルのデザインを担当していたのでこの楽曲に対する解釈は個人的におこなっており端的に言うのであれば「都会の深夜高速を駆け抜けていくような楽曲」だと思っていて、その解釈自体は岩佐さんとかなり近寄っていたので個人的に嬉しさはありつつもこれだけサイズの大きい太ゴシックで都会のスタイリッシュさ、シティポップ感を演出している岩佐さんのリリックデザインを見て実力の差を改めて感じつつも自分も頑張るぞ!となった記憶があります。

今スクショなどを見返してみてもAlbemuthのライブは本当に良かったので早く円盤化お願いします。

4:V.W.P 「玩具」

昨年4月に豊洲PITで開催されたV.W.Pの1st ONE-MAN LIVE「魔女集会」&「現象」で公開された楽曲「玩具」のMV

一年の時を経てようやくMVとして公開された楽曲で自分たちが偽物の存在であることを自覚しながらも、周りの人たちを全員殺してでも生きていくというようなニヒルでエネルギッシュな楽曲になっていて、そっと横に寄り添ってくれるというよりも俺がお前の代わりにお前の敵全員殺してやるよというような激しい(過激な?)曲。

V.W.Pは曲によって雰囲気が全く異なるグループだと思うけれどそんな多種多様な楽曲の中でも「そっと隣にいる」「話を聞いてあげる」「代わりに全員倒してやる」というように聴いている人の味方でいてくれるというスタンスは常にブレることなく感じることができ、そんなところがとても好きです。
MVのリリックデザイン自体はライブ演出時と同じになっていて、今見ると拙い部分ばかりだなとは思いつつもそれと同時に必死に頑張っていた自分も感じることができ、自分のデザイナーとしてのアンカーポイントのような作品だなと思います。

人間になりきれない葛藤、ニヒルな表現として「人間」がところどころ左右反転
されているのを言う機会一生来ないと思っていたので映像が公開されて嬉しい

拙いデザインをとても素敵な映像に落とし込んでくれたTatsuyaMさん。改めてありがとうございます。
あとこの楽曲でも「全部殺せ」と言っているようにそういう殺意やエネルギーに溢れた楽曲を任されることが多く、自分はTHINKRに血の気が多いやつだと思われているのかもしれない。

5:最近のお仕事1

ヰ世界情緒さんの新曲「キミ消失セカイ」のオリジナルMVのデザイン

毎度お世話になっているまるいちさんと制作したMV。自分もまるいちさんもTHINKRとの初めての仕事がヰ世界情緒さんの1stワンマンライブ Animaだったので個人的にかなり思い入れのある作品です。
まるいちさんからステンドグラス的な表現をしたいから良いイラストレーター知らないかと言われ、ミツ蜂さんという最高イラストレーターを紹介して手伝ってもらうなど細かい部分までこだわった作品なので曲と合わせて是非MVも楽しんで欲しい。

自分の中の今作品のスタンスとしてCGカットがメインの部分ではリリックデザインはあくまでも脇役として演出し、CGの落ち着くカットではリリックデザインが主役になるというように交互に繰り返すことでMVの中で情報量の高低差をつけず常に画面として一定の情報量を与えることでに息つく暇がない疾走感の映像にしたいと考えていて、メロでは主張弱め、サビで主張強めというような普段の定型とは外れた作品にできたのではないかなと思います。
自分の中だと現時点で一番気に入っているMV。

厳密にはかなり沢山の方によって生まれた作品ではあるけれど、映像として見える部分の大半をまるいちさん一人でやっているの普通に考えて凄い。凄い超えておかしい。
まるいちさんあなたおかしいよ。いつもアイコンで遊んでごめん。

6:最近のお仕事2

7月7日に開催された音楽的同位体2周年を記念した1st カバーライブ「マシュマロライブ」にてグッズデザインを色々

割と自由に文字を作って良かったのでりたおさんのイラストにはY2Kやスペースエイジ的なテイストがあうと思い、文字の読みやすさをかなぐり捨てて装飾としてイラストを引き立たせることを目指して制作しました。
作字はしつつも、全ての同位体で雰囲気を統一するために同一のアルファベットは使いまわしたかったので特徴的なシェイプではありつつもどういった組み合わせでも違和感のない文字を作るのにかなり苦労しデザインフォントを作っている人凄いなと身をもって実感。

映像作家と一緒に作るMVだったりイラストレーターと一緒に作るグッズだったり、デザイナーとして幅広いジャンルに携わっていく中で、技術ももちろんだけど様々な範囲に対する知見を広げたいなと改めて思いました。
あと自分の作ったものがフィジカルとして出力されて誰かの手に渡っているのとても嬉しい。



最初の頃は威勢よく10作品くらい上げていた割には歳月が経つごとに徐々に紹介本数が減っていき気づけば6本しかかけていないけれどやらないよりは良い&トータルの文章量的にはあまり差がないので一つ一つの作品に真摯に向きあっているということにして欲しいです。
来月は頑張る。本当に。マジで。

🦦


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