見出し画像

【雑談】事業承継と相続は、 "時間" と "お金" がある人が、勝つ。

こんにちは、きくちきよみと申します。
税理士です。

今日は、「事業承継と相続の検討・相談は、早ければ早い方が良い」ということについて書きます。

今回は、経理向けというよりは、経営者向けです。


専門分野ではないけれど。

税理士にもいろいろな方がいらっしゃると思うのですが、私自身は、事業承継や相続はほとんど担当しない税理士です。お客様からご相談を受けた場合には、お話を伺った上で、グループ内の専門の税理士に連携することにしています。

最近、お客様から立て続けに事業承継・相続関連でご相談を受けたのですが、窓口である自分がうまく重要性を伝えられなかったのか、正式にご相談を受けるまでに至らなかった案件が続きました。

専門分野ではないものの、「もっと早くご相談頂いていたら、良い手が打てたのに」「ご相談頂いても良い手は打てなかったかもしれないが、お客様に後悔の念を抱かせることはなかったのに」と思うことを、過去に何度か経験しています。

お客様のためであることはもちろんですが、今後の自分ためにも、備忘として、改めて整理してみたいと思います。

先のことなんか、考えたくない。

この3月まで放映されていた連続テレビドラマの中で、「この年になって先のこと考えると、辛くなるからね」という台詞がありました。先のことを考えるのは辛い、だから、人は昔話をするのだ、と。

もちろん認めたくはないものの、共感できてしまう台詞です。誰も、未来のことなんか考えたくない。 きついから。 昔話は、甘くて、楽しい。

それでも、優秀な経営者は、当たり前のように未来のことを考え、未来について語ります。そして、その未来に共感するからこそ、その企業には優秀な新入社員が応募し、入社するわけです。Story-tellingが卓越した経営者の元には、優秀な若手社員が集まる、ということは、経営者のそばに居て実感してきたことです。

一方、全く反対の経営者の言葉も、よく聞いてきました。

 ”未来のことなんぞ、考えたくもない。”
 ”今の経営を存続するので、精一杯。「今」が大事。”

そのような心持ちは理解するものの、後年になって、経営者から聞く声があります。
今の事業を始めたのは、世の中に新しい価値観と必要なサービスを提供したかったからだ。自己満足だけじゃない。」
企業を始めて、守るものが何倍にも増えた。自分の引退後も、ちゃんと守り続けたかった。」

決断に後悔しないためには、そして、守りたいものを守るためには、未来のことを本気で考えなくてはなりません。事業承継と相続は、経営者の判断力があるうちに、考えておくべきことです。

この重要性をどうやって伝えられるか、それが今の自分の課題です。

「事業承継と相続は、時間とお金がある人が、勝つ。」という事実。

これは自分の言葉ではありませんが、「事業承継と相続の案件は、時間がある人か、お金に余裕がある人か、もしくは、その両方を持っている人が、余裕を持って取り組むことができ、後悔することがない」ものです。

かなりのご高齢になって初めてご相談にいらっしゃる方も本当に多いと聞いていますが、そのような方がうまくいくのは、「奇跡的にタイミングが良く、かつ、ご本人にお金がある」場合に限られてしまいます。しかも「お金を持っている」という前提が必要なので、万人向けではありません。

一方、「時間がある」というのは、誰にとっても平等です。

早い時期にご相談頂ければ、打てる対策も山ほどありますし、万一打てる対策がなかったとしても、「充分に検討した」という満足感を得ることができます

例えば、経営者が認知症になってしまうと、民法上は「判断能力がない」とされて、相続対策が全くできなくなってしまいます。認知症になる時期など誰にも予測できません。今、確かな判断力があるうちに、対策をしておくに越したことはないと思います。

専門の税理士ではないからこそ書けることもあるかと思い、書いてみました。少しでも気になったら、是非、顧問税理士にご相談頂けますと幸いです。

                                      ***

ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。