西川美和著『永い言い訳』は凄すぎる(買って読むべし)
このところ本を読んでいます、映画も観ています。諸般いろいろ荒むことが多いので、こういう時間が必要なんですね。秋風も爽やかになってきたの中でコーヒーを啜りながらの読書は幸せ感じます。
で、ここ数日で読み切ったのが、西川美和著『永い言い訳』文藝春秋社刊です。私は世情に疎いので知らないのですが、著者は映画監督です。この書籍の帯に「映画化決定」とつまらないコピーがあったが、それはやめてもらい小説です。要するに映画には馴染まない小説ならではの魅力満載なのですよ。
で、ここで念のため調べてみたら、既に映画化されていました。くー、しかも著者自ら監督しているし。Amazon prime video で観ることができます。
まあ、いいや。雑多な手法で細切れな構成ですが、それらが少しずつ絡み合い、まとまり、最後には一つの強い紐になるみたいな見事な筆力を感じます。
うー、うまい!と思わず言わせちゃう心理描写が巧みすぎる、一言一句、丁寧に読みつつもページを捲るのを止めたくなくなります。本当の幸せってなんだろうね、ということ。この本は、借りて読んではいけません、購入して読むレベルの書籍です。すでに文庫化もされていました。
で、ここで念のため調べてみたら、著者はこの作品で直木賞候補になったのですね。うんうん、たしかにそれだけの力があります。最後の一文まで気が抜けません。
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