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Episode 069 「LimeWireやnapsterなどのファイル共有ソフトで自分のCDを作っていた時代の話」

アデレードハイスクール(Episode023参照)に入学して3年目となり、10年生(日本で言うところの高校一年生)に進級した。それまで以上に(英語の)ネイティブとガッツリと触れ会う機会が多く作れた。

尚、ステファン(Episode 067参照)とは学校での授業が一緒になることは決して多くなかった。彼は、スタディスマート(学校の教科書の暗記であったり、テストで良い点を取るなど)というタイプではなく、もっぱらのストリートスマートだった。

つまり、例えば、人生においてどの様にして、大きな犠牲(例えば、過剰な規制やルールに従う、など)を払わずに自分が望むモノ、コトを手に入れる事ができるか、などに関する知識が豊富な様に見えた。授業中は一緒になることはなかったものの、休み時間や放課後、週末も一緒に遊ぶ事が多かった。

ステファンと仲良くなってからは、オーストラリアのカルチャーの部分で色々教えてもらった気がする。スケボーであったり、音楽であったり、様々な遊びであったり。

尚、自分自身では英語が喋れるようになってきたと、少なからず実感はしていたものの、やはり現地の子と比べると圧倒的に(物事に対する)情報量が異なった。その情報が音楽の情報であれ、映画の情報であれ、一般社会に関連する情報であれ、他のなんのジャンルであれ。

つまり、それ(保持する情報の量)が英語をネイティブに話す人と、そうでない人の違いなのである。従って、常にステファンからは、様々な事を学んでいた。音楽の事であったり、映画の事であったり、日々過ごす生活に関する事だったり、あるいはオーストラリアの女の子のことであったり。

この様に、放課後は彼の家に行き、ビリヤードをし、音楽を聴き、サッカーをし、夕方になるとバスで帰るか、または母親に車で迎えにきてもらう、というルーティンが出来上がっていた。

ちょうどこの時期(9年生または10年生頃)に、大親友の一人であるマイケルにZoe(ゾイ)というオーストラリア人の彼女ができた。当時ゾイは、通常の“家”ではなく、キャンピングカーにお父さんと住んでいた。

オーストラリアでは至って普通なのだが(キャンピングカーに住んでいる事が、ではなく、両親が離婚してる、という事が)、彼女の両親は離婚しており、ゾイは父親と二人暮らしをしていた。

とある週末に、ステファンと二人でゾイとマイケルに会いに彼女のキャンピングカーが停まっている、大きな公園の様な、あるいはキャンプ地の様な場所に行った事がある。Zoeは(少なくとも私が勝手に)想像していたより、快適そうな暮らしをしていた。そのキャンピングカーには、宿題等を行うであろうPCも完備されていた。

因みに、彼女はいわゆる、くっつき虫で、学校でもそれ以外の場所でも常にマイケルの横にくっついていたことから、彼女の周りにいた女子全員から面白くないと思われてしまうという時期もあり、仲間外れ状態(または、彼女自身がグループから離れたのかもしてない。詳細は不明である)になっている期間もあった。

私は、ゾイにはよく音楽のCDのコピー(空のCD-ROMを渡し、それにコピーをしてもらう)を頼んでいた。私は当時から、音楽には相当夢中で、CDショップで購入したり、ネット上のファイルシェアプログラム(LimeWireやらnapsterやら)などを用いて音楽のデータを入手する他に、公共の図書館でCDを借りていた。

控えめに言っても、エモさが過ぎる。

尚、勝手に抱いていたイメージとしては、公共の図書館に置いてあるようなCDはつまりクラシック音楽の様なもの(あるいは、教科書に出てくる様な、「間違いのない音楽」の様な類)だけだと思っていたが、実際はそんな事もなく、その当時流行っていた音楽のCDなども多く置いてあった。(尚、図書館(もちろん日本の図書館に対しても感じるが)にて借りることのできるCDの種類は、一体全体どの様な基準を持って選別されているのだろうか。

つまり、どこかで誰かが、「ビートルズは取り扱うけど、レッドゼッペリンは図書館向きではないな」または、「サザンのCDは良いけど、奥田民生のCDは別にいらないんじゃないかしら」の様に、主観で決めているのか。

CDの売り上げによって(つまり、売り上げが高かったCDは取り扱う)決めているのかとも考えたこともあるが、その場合、例えば演歌のCDについては、どう説明(つまり、なぜそれが図書館にあるのか)するのか、という疑問が湧いてくる。あるいは、私が知らないだけで実際のところ、演歌のCDは相当売れていた、ということなのか。否、それは信じがたい。

これらCDをたくさん借りて、自分のパソコンに取り込むか、またはゾイにお願いをしてCDコピーを作ってもらっていた。尚、なぜMDではなくCDなのかというと、オーストラリアでは当時、まったくと言っていいほどMDプレーヤーは普及していなかった。

ポータブルのCDプレーヤーまたは、MP3プレーヤーのどちらかであった。国が違えば、習慣も異なるのである。そう、(ティッシュではなく)ハンカチを使って鼻をかむ文化がある様に。(尚、この文化(ハンカチで鼻をかむ)は、オーストラリアに計14年居たが、自分で取り入れる事は無かった。とは言え、今(2024年)思うと、(ティッシュを使わない事から)SDGsに倣っているとは言える)。

LimeWire…控えめに言っても、エモさが過ぎる。LimeWireはかつてGNU General Public License下で公開されていたフリーソフトウェア及びオープンソースのGnutella P2Pクライアント・ソフトウェア。簡単に言うと、ユーザー同士で音楽のデータをシェアできるソフトウェア、であった。
napster…控えめに言っても、エモさが過ぎる。このソフトウェアの用途はLimeWireのそれと同じ。尚、napsterの創業者であるショーン・パーカーはMeta(元facebook)の最も初期段階で多額な投資をしfacebookの初代CEOも務めた。

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