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Episode 062 「格好をつける滑稽さ、格好をつけない格好良さ」

さて、Episode 027より開始した「オーストラリアにいた時(1996〜2010年)によく聴いたアーティストおよびバンドの曲」(併せて、「よく聴いた訳では無いが印象が強く残っているアーティスト及び曲」も含む)、という括りで当時を振り返る試み、先ずはアルファベット順で紹介する内容をEpisode027Episode050にて終えた。続いては、あいうえお順(そう、日本のアーティスト)で振り返ってみる。今回は「ゆ」および「や」を見てみる。

ユニコーン (日本)
このバンドを知ったのは、2000年に奥田民生を好きになったタイミングで同時に好きになった。即ち、初めてこのバンドの曲を聴いたのは2000年だった。1986年に結成、翌年87年にデビュー。しかし1993年の「すばらしい日々」(1993年)という曲を最後に解散してしまう。しかしながら、2009年には再結成を果し、現在(2024年)も活動を続けている。2009年に発売された「シャンブル」は傑作である。このアルバムでは特に「ひまわり」、「スカイハイ」、「WAO!」、「HELLO」など、ロックな曲が目立ち、また、圧倒的なクオリティで他のバンドとの実力の差を見せつけている中、遊び心満載な曲「ザギンデビュー」及び「最後の日」はユニコーンならではと感心した。肩に力が入りすぎているバンドには(控えめに言っても)到底書けない曲だと感じた。ユニコーンの曲を聴く度に、ライブの動画を見る度に、インタビュー動画を見る度に、いつも気付かされるのだった。そう、「格好をつける滑稽さを。格好をつけない、格好良さ」を。尚、あの井上陽水は、自分の子供が聞いていたユニコーンの「雪が降る町」を聴き、感銘を受け、奥田民生に直接連絡をした、とか。2024年の今も、ロックな曲を鳴らしているユニコーンには、感心しかない。

野狐禅 (日本)
現在はソロとして活躍している「竹原ピストル」がまだ二人組で活動していた頃のユニット。この曲はかっこいい。個人的には、このユニット自体には特に思い入れはないのだが、ソロになってからの活動(つまり、竹原ピストル、としての活動)をたまたま知る事になった。おそらく2010年代半ば頃だった。特に好きな曲は「俺のアディダス~人としての志~」(2014年)、「父から娘へ~さや侍の手紙~」(2011年)、「Forever Young」(2017年)などがある。初めて、「この人、凄まじいな」と思ったのは、「俺のアディダス~人としての志~」(2014年)を聴いての事だった。そして、更に凄いなと思ったのは、「父から娘へ~さや侍の手紙~」(2011年)を聴いた時のことだった。これは衝撃であった。本物中の本物のミュージシャンだと言うことが音楽の素人の私にも解った。尚、この曲は松本人志が監督として創った映画「さや侍」の主題歌となり、そして竹原ピストル自身も映画に出演し、この曲を映画の中で(なんと)アカペラ(ギターも何もなしの状態で)で披露している。この映画の試写会にて松本人志がとある記者から、「竹原ピストル(竹原和生)を映画に起用した理由は?」という問いに対して、「竹原君に関しては…竹原君にかかわらず、才能のある人間が認められないと…」と言い、声を詰まらせ、目には(おそらく悔し涙)涙を浮かべた。そして、こう続けた。「僕が何もしなくても、彼はきっと日の目を見ると思うんですけど、まぁ、早いに越したことは無い、無いのかな?なので、僕がちょっとでも何か手助け、手助けと言う言い方はちょっとあれですね、でもうん、思うし…」。やはり、天才は天才に認められるのだとこの発言を聞いて感じた。

山下達郎 (日本)
この曲は、ドラマ「Good Luck」(2003年)の主題歌だったことから、非常に鮮明に憶えている。時を経て、この人の音楽をしっかりと聴くようになったのは、2019年の事だった。自分の中で勝手に課している「良い音楽は、ジャンル問わず良い。食わず嫌いはするべきで無い。しっかりと聴いてみる必要がある」という行いの一環として、図書館でこの人のベストアルバムを借りた。「蒼氓(そうぼう)」(1988年)、「さよなら夏の日」(1991年)、「ヘロン」(1998年)、「いつか晴れた日に」(1998年)、「ずっと一緒さ」(2008年)、「僕らの夏の夢」(2009年)などなど、圧倒的なまでのハイクオリティな曲を聴いて、改めてこのミュージシャンの凄さを知る事になった。尚、「僕らの夏の夢」(2009年)を聴いて気付いたのだが(今まで意識してはこなかったが)、個人的に三拍子の曲を好む傾向にある事に気付いた。この「僕らの夏の夢」(2009年)もそうであるし、ビートルズの「ノルウェイの森」(1965年)も、井上陽水と奥田民生のユニットの曲である「手引きのようなもの」(1997年)も然り。

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