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【怪談イベントレポート】おばけ座ツアー福岡編(ゲスト 都市ボーイズはやせやすひろ)「そこにあったのは究極のベーシックスタイルでした」

2023年11月25日。
私は天神の街を駆け抜け息が上がっていました。憧れの集団一同を目の前にするというビッグイベントを前に、期待と得体のしれない怖さのような気持ちが膨れ上がりギリギリにしか会場に向かえなかったのです。
「だって、始まったら終わってしまう…」
そんな複雑な気持ちが込み上げる程楽しみにしていたイベント「おばけ座ツアー【ノームコワ】福岡編~ゲスト都市ボーイズはやせやすひろ」のレポートをここに記します!


こちらを書くにあたって、出演者の都市ボーイズはやせやすひろさん、おばけ座メンバーの方々、会場のPARLOR&GALLERYさんに掲載許可を頂いております。本当にありがとうございます。
なお、クローズドイベントであるため基本的に怪談の内容については記しておりません。それでも伝わる楽しすぎたこのイベントの雰囲気をお読みください!


地方でも人気な理由

9月末に情報解禁されたおばけ座ツアーイベント。YouTubeで行われた生配信ラジオで発表され、そこに私が住む九州も含まれていたのでその時点で興奮MAXとなったのを覚えています。
10代から福岡でライブハウス通いをしていた私は‘‘東名阪ツアー‘‘という言葉をよく恨んでいました。‘‘全国ツアー‘‘と銘打っていても九州が外される事は稀ではありません。もちろん好きな活動者のライブを観るために遠征するという方法はありますが、そうではないんです。自分が今いる地に好きな活動者が来てくれるという事が嬉しく、その瞬間に立ち会える地元ライブがお腹の底の幸福感を上げてくれるんです。
このご時世、どこの業界も経済的に潤っているとは言えないためバンドも様々なアーティストも各地方に行くのは難しいという話を聞いた事がありました。そんな中でも地方に来てくれるという行動力は「より応援したい」というファンの気持ちを底上げしてくれます。おばけ座メンバーの方々は、お住まいが関東・関西・九州と日本列島バラバラ。それでも一緒に各地を周ろうとする試みは地方ファンとして本当に嬉しいです。

ファンなのでステッカーはスマホの裏に

そう、私はおばけ座ファン。怪談界を知ってからまだ間もないのですが、最恐戦に出たのをキッカケに色んな怪談活動をされている方を知りその中でおばけ座に心惹かれたのです。その時にはうまく言葉に出来なかったおばけ座の魅力。そのうちの一つに、聞いている方々を取り込む力を感じます。

おばけ座YouTube サムネイルより
おばけ座YouTube サムネイルより

YouTubeコンテンツの内容やファンとの交流イベントの立ち上げ方が「いかにリスナーに楽しんでもらうか」という視聴者を一番に意識した作り方だと感じるのです。これはおばけ座メンバーがそれぞれのお仕事や怪談以外の活動においてもセンス抜群なクリエイティブ集団だからではないでしょうか。「見せ方と魅せ方」においてプロの目線をお持ちであり、且つ「視聴者からはどう見えるのかどう感じるのか」という察知能力も非常に高いからだと思います。
画面やステージといった演者と観客という垣根を出来る限りフラットにしていつもこちらの表情やリアクションを見てくれている。そんな風に伝わるんです。ここはディレクターNさんの技量力量の偉大さも大きく関係していると思います!だからどんどんおばけ座に惹かれる、好きになる。

ここまででもう1000字超えてしまい魅力を伝えだすとキリがなくなるので、ぜひ皆さんもおばけ座YouTubeやグッズでその楽しさを体感しましょう!(グッズ通販は期間限定なので、ぜひイベント会場でお買い求めください)

福岡会場は奇抜で洒落とんしゃ~!

https://www.spinns.com/topics/topics-13975/
PARLOR&GALLERY@SUPERSPINNS店内
スピンズHPより引用

大きく脱線しましたがイベントの話に戻ります。
今回福岡のイベント会場となったのがPARLOR&GALLERYさん。イベント告知の際に「ファッションビルの某店…」と情報解禁されており、全くどこか想像がつかなかったので驚きました。福岡パルコ内7のSUPERSPINNSさんの奥にカフェスペースもあるイベント会場があったのです。
当日はこのイベントスペースをすぐに見つけられず、しかも開演10分前に到着してしまったので息が上がった状態でかなり焦ります。しかしスピンズの可愛い店員さんが案内してくださり、PARLOR&GALLERYのカッコいいお姉さんがビールを渡してくれながら「駆け付け一杯どうぞ♡」と言葉を添えてくださったのでホッとしながらイベントに参加できたのでした。
長年福岡に住んでいましたが、こんな面白い場所があるなんて知らなかった~!また遊びに行きたいと思います。

■PALOR&GALLERY【パーラーアンドギャラリー】
■住所:〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神2丁目11−1 本館 7階
SUPER SPINNS福岡パルコ店内
■営業時間:13時~19時
※土日祝のみ12時OPEN
※毎週月・水曜 定休日


そして席につくと目の前には、5つ並んだ便器が!!!!!?!おもろ~!って観察しているといよいよ開演。おばけ座メンバーと都市ボーイズはやせやすひろさんが登場されます。改めて思いますが、ここに来るゲストがはやせさんってまた凄いですよね。そりゃチケット即完になりますよ。何度も言いますが、このメンツでのイベントを福岡でしてくださって本当にありがとうございます・・・・・・・・。
なんて感慨深くなっていると開口一番「第一部と同じ顔触れやないかい!」とツッコミを入れるはやせさん。今回は二部制の怪談会。私は鹿児島から当日向かうという事もあり第二部のみの参加としました。皆さんやっぱり一部二部通して参加されるんですね。九州の怪談好きな皆さんの熱量も凄い~~!

繋がる怪談

便器に座って怪談が始まります

お客さんがほぼ同じという事で、恐らく一部では話さなかった怪談をチョイスして皆さん語られました。でも一部でこんな事があったという説明なんかも挟んでくださり、二部から参加した私も全く置いてけぼりにはなりません。ここ!こういうところが良いなあと思えるんですよね。一部では深津さくらさんが進行をされたため、二部ではチビル松村さんが仕切るという事で始まっていきます。

二部を切り込んでいったのは「じゃ、行きますか!」と何故かガッツポーズをして語り始めた伊勢海若さん。この日スピンズで購入したと話されていた‘‘犬がたくさん載っている青いトレーナー‘‘がとってもお似合い。ファッションビル内、しかもスピンズ隣接という会場がこのイベントにめっちゃ合う~~!これも来場者を楽しませようとしてくださるポイントですね。ああ、やっぱり好き。
そんなコミカルな雰囲気で始まりましたが、語る怪談は「外で言えない話」というもの。クローズドイベントならではの話で初っ端からガッツポーズ通りのエンジンをふかしてくださいました。しかもこの「外で言えない話」繋がりで他の方も皆さん1話ずつ繋いでいかれたんです!さすが、さすが皆さん持っている…。
特に深津さくらさんが話されたものは、私も知っていたお話の裏側を教えてくださったもの。これを聞いた後に元のお話をアレで振り返ったのですが「ああ~~~…」と声が出ました。話を一味も二味も深く味付けもしくは味変できるのは深津さくらさんの持ち味だなと感じます。この1ヶ月ほど前となる最恐戦前日に福岡のライブハウス秘密で行われた「奇絶怪絶」でお会いしていました。衣装の関係もあるかもしれませんが、その時より痩せたようにも感じます。もしかしたら、勝負のオーラを一枚脱皮しリラックスされた姿だったのかもしれません。またすぐに生の怪談を浴びられた事が本当に嬉しいです。そしてもう一度!最恐位おめでとうございます!!!

PARLOR&GALLERYさんの会場内オブジェ

そんな中で「クソMC」なんてチビル松村さんに憎まれ口を叩くはやせやすひろさん。どこでもひっぱりだこのはやせさんですが、私は先日配信で視聴した怪談イベント「Megす怪Vol.10 ~物と心~」が印象深く残っていました。呪物を愛すあまり人間には無情なところがあるのではないか…などと少し恐く思っていたのですが全く違ったんです。先日発売された「闇に染まりし、闇を祓う」を持参されたファンの方には丁寧にサインを書かれ、私が緊張ガチガチでこのレポート許可依頼をお願いした時もただただ優しくて…。この日たくさんの怪談を聞いている中でも実は一番人間に関心を持っていて、愛情豊かだから今の活動が実っているのではと感じました。たくさんの人に好かれていて多くの人が集うのにはやっぱり人柄が関係するんですね。

そんなはやせさんからは、業界ならでは、また多くの人との関わりを持っているからこそ出てくるお話が聞けました。その中で「光学迷彩繋がり」の話が出ます。このはやせさんが語るお話で、私の中で「うわあ、もしかしてあれはそういう事だったのか…うわああああ」となった事がひとつありました。でもこれも外では言いにくい話のため、また伊勢さんに出会った時聞いてほしいです。(同じ九州なのでイベントで会いやすく、しかもその辺で突発的に怪談会みたいな雑談を始めてくれる伊勢さん。いつもありがとうございます)

皆さんから頂いたサイン

そしてはやせさんから愛のあるツッコミを受けまくっていたチビル松村さん。クモが出てくる話めちゃくちゃ好きでした~!!ゾワゾワっとする話を穏やかなトーンと声で聞かせてくださるのでずっと聞いていたくなります。イベント翌日のおばけ座大分旅行の様子からも垣間見えましたが、控え目そうに見えて静かだけど一番楽しそうにはしゃいでいらっしゃった様子。見ているこっちが何故か嬉しくなります。イベント終了後はお疲れな様子もありましたが、サインなどの対応もちょっと‘固い‘笑顔で快く対応くださいます。以前何かの時に「塩対応と思われがちだけどそういうわけじゃない…」と話されていました。少しぎこちなくも感じるファン対応はこちらとしてはクセになるやつだと思います。
ちなみにサインをお願いした時にお渡しした油性マジックを何故か返してくれる素振りがなく、noteの掲載許可を取りながら内心「え、マジック、どうしよ・・・」と焦る私。しれっと奪う形で手からマジックを引っこ抜きました。長距離移動もあったし二部制だしそれだけお疲れだったんだろうな、と振り返ります。思い返したら笑える思い出なのですが、私もぎこちない対応で本当すみません。

この日一部では大きく話題になったらしい怪談を語ったワダさん。何度もそれが話題に上がったので、この一部の話を聞けなかったのはすごく悔しい…。だけどそれに代わる話としても語ってくださいました。ワダさんの怪談を直接聞いて一番「お!?」と感じたのはその声。よく電話と直接話す声が違うという現象は皆さん経験した事があると思います。怪談においても、配信時と直接のライブで聞いた印象が異なることはやっぱりあります。あくまでも私の直感ですが、それをこの日一番感じたのはワダさんでした。直接聞くマイクを通した時の話し声が倍音が多くかかったような印象を抱いたのです。聞き心地が良く新しい発見!こういう感想は直接イベントに行かないと分からない点なので嬉しい。
ちなみに、話の主軸にはあまり関係しないのですが「飛ぶ〇〇の話」をされている時に不意に‘‘ラーメン屋‘‘という単語が出てきておばけ座ZINEを思い出しました。

おばけ座ZINEはまるで〇〇〇のアレ

おばけ座ZINEより「伊勢海若のレシート感想文」

10月の「奇絶怪絶」に行った際、おばけ座ZINEを購入しました。「おばけ座攻略本」と記載がある通り、おばけ座そのものについてからメンバーそれぞれの思いや人物像など内容は多岐に渡ります。その中で伊勢さんがメンバーそれぞれの魅力を語っているページがあるんです。
そこでワダさんを「ラーメンのような身近さがある怪談を語る」として紹介されています。今回のイベントでまさにワダさんから「ラーメン」の単語が聞けたので感動でした。何か新しい怪異を掴んだ瞬間のように軽く舞い上がった程です。
この伊勢さんの文章がとても熱くて良い…。おばけ座という集団の内部、そして真横という近さから見なければ分からないそれぞれの人物像や魅力。それを丁寧に丁寧に、まさに豚骨スープを何度もろ過させるように丁寧に書かれているんです。そんなの、本当にそれぞれのメンバーが好きで絆がないと書けませんよ。ストレートにその仲の良さが伝わる文章で、思わず泣きそうになりました。

ちなみにこのイベントに向かう新幹線の車内でこのページを読んでいた時のこと。イヤホンを耳に突っ込みAmazonミュージックをランダムで流していたんです。一瞬意識を音楽にやるとそこには「Undercurrent #1/Khaki 」が流れていました。それをBGMに伊勢さんの文章を読み進めます。

どれぐらい時間が経ったでしょう。怪談最恐戦ZOOM予選敗退の際、仲間だから掛けられる言葉にまた泣きそうになっている時。ふと気づいたんです。曲が何週も何週も同じだと。ずっと「Undercurrent #1/Khaki 」が耳に入り続けています。スマホの画面を見ると曲を飛ばすこともプレイリストを変えることもできない。新幹線だし固まったのかもしれない。
「Undercurrent 」の意味は「底流」。これは伊勢海若という男の心の奥底に流れる感情だと言わんばかりの気持ちを受け取った気がしました。

奇絶怪絶グッズと共におばけ座グッズ

という私の話は置いておきまして。ZINEの最後にはおばけ座活動の年表も載っています。ここ見た瞬間「結婚式のアレやん!」と披露宴でよく配られるプロフィールブックを思い浮かべたのでした。年表が乗っているからというだけではなく、ここに至るまでのそれぞれの活動の軌跡やメンバー間の縁と繋がりが濃く表されているからです。ついつい「ああ~、この瞬間に立ち会えて良かった~」とまさに結婚式に出席したような祝福の気持ちでいっぱいです。
ZINEをプロフィールブックに例えるなら、おばけ座グッズは引き出物でしょうか。この数々を手掛けるNZMさんが本当に素敵!!!製作は本当に大変だと思うのですが、購入する事でおばけ座を応援できる事にも繋がるし何より可愛いし…。そういった活動の幅を広げてくださるのも嬉しい限りです。

‘‘ノームコワ‘‘とは

OB‘G‘KZポーズで撮影タイム

数えきれないほどの怪談を聞き続け、イベント終盤には伊勢さんの話で大好きな「ゴールデンカレー」が聞けて感無量状態でした。

このお話にあるように、一般的な怖さだけではない不思議で妙な話も大切にするのがおばけ座。もしかしたら他の方では飛びつきにくい素材なのかもしれない。だけどおばけ座ならその素材を丹念に観察して調べあげて絶品怪談に仕上げてくれる。そんなプロ集団なんです。
というような事をこのイベントを通し改めて実感すると共に、イベントタイトルである【ノームコワ】について考えてみました。一部ではどうか分かりませんが、二部では特段タイトルについて触れられなかったんですよね。だからこれは私個人の考察になります。

イベント二部に来た方だけが分かる〇〇のイラスト byNZMさん

【ノームコワ】という言葉はあくまで造語。ファッション用語の「ノームコア」と「怖い」をくっつけた言葉ではないかと考えます。‘‘気取らないファッション‘‘を定義する位置づけとなるノームコア。これは「ノーマル」と「ハードコア」をくっつけて作られたファッション用語なのだそうです。流行にとらわれることなく、自分自身をどう魅力的に見せるかを考えながら素材やデザインにこだわる。この部分だけで今回のイベント内容やおばけ座そのものに通ずるなと感じます。
また、ノームコアについて調べてみると「究極の普通」という意味合いを発見しました。おお、これ!この感じ!と私は興奮。素材本来の旨味を最大限引き出し、あくまでも基本に忠実且つ最低限な仕上げで最高のものを創る。
「究極のベーシックスタイル」それがおばけ座の怪談にあり今回のイベントになっていると思うのです。だからここにゲストとして登壇されたはやせさんも‘‘ノームコワ‘‘な怪談に自然と寄っていたと感じます。それは会場がPARLOR&GALLERYさんだから実現できた事でもあるのではないでしょうか。
思い出せば思い出す程、参加できて良かったなと思います。

次は12月16日におばけ座㏌名古屋!こちらも全く違ったコンセプトでイベントが行われます!

ブラックホールのような引き出しで楽しませ続けてくださるおばけ座!是非今後も注目していきましょう!!!


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