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Alienware M18(AMD)、ホグワーツレガシー稼働で考察するVRAM挙動

RAMとVRAMを共有で使うという仕様

引き続き、入手したAlienware M18で色々検証をしている訳ですが、相変わらずRyzen7945HXとRadeon610M+Radeon7900Mの複雑な機構の挙動がイマイチ把握できていない。

本来、デスクトップであれば本体RAMとグラフィックボードのVRAMはそれぞれ独立した役割を果たし、観測すればその挙動も分かりやすい感じの使用率として現れるのであるが、本PCのように本体RAMとVRAMが共有して機能し、更にAPUとGPUが連携してシステムを動かすような複雑な機構になると、その内実がマジでよくわからん感じに見えてくるのである。

Alienware M18ではモードでGPUが異なる

常にハイパフォーマンスで動かすモード(パフォーマンスモードやオーバードライブモード)だと、メインの画像処理はRadeon7900Mが行うようになるのだが、電力を節約するバランスモードやバッテリーモードだと平時のファイル管理作業や簡単なブラウジングはAPUであるRadeon610Mが行い、負荷の高いゲーム等が起動するとRadeon7900Mに切り換わる仕様になっている。

この為、Alienware M18では普段使いの画像処理データは多くが本体RAM内のAPU管理範囲で処理されているらしく、ベンチマーク中のRAM使用率を観測してみると特にその傾向が見て取れる。

ホグワーツレガシー起動中のメモリ挙動

ホグワーツレガシー・フルHD最高品質・レイトレ中設定

これは本体推奨設定による画像設定であるが、レイトレーシング以外は全て最高設定になっている。

この状態で本体RAMは増設した32GBのうち既に24GBも占有し、かつその半分の12GBがアクティブな状態にある事が判る。この12GBの内如何ほどがゲームに割かれているのかは不明だが、一方でVRAMの方はというと、Radeon610Mが930MB展開(約1GB)ながらほぼ非アクティブ(ほぼデータの置き場所になってる?)で、Radeon7900Mの方が16GBの内12GBを使用し、アクティブで10GB程稼働している事が判る。

以前、デスクトップのRadeon RX7900XTXで検証した際、ホグワーツレガシーは4K最高品質で24GBの内16〜17GB程VRAMを占有していたので、それと比べるとAlienware M18はVRAMが最大16GBなので、占有率はほぼ同等(16/24≒12/16→約2/3)ながら、使用量は最大VRAM量に比例して低い。代わりに本体RAMの食い方が著しく、こちらはデスクトップより多くのメモリを消費しているように見える。

FF15ベンチからも考察

フルHD高品質

これ見ると本体RAMが約13GB(うちアクティブ約4GB)で、VRAMは7900Mの約6GBがゲームに書かれている事が判る。恐らくゲームの稼働にはアクティブな4GB+6GBの約9〜10GB程度が関与しており、386MBしか展開されてないRadeon610Mはほぼ仕事してないモノと思われる。(もしくはデータをRAMからVRAMへ運んでるだけ?)

4K高品質だとRAM+VRAM共に使用量が増えた。

面白い事に4K高品質では本体RAMで約0.5GB、VRAMで約1GB程度使用量が増えており、描画サイズが上がれば確かに本体RAM&VRAM共に使用量が増えている事が判る。

よくグラボ界隈ではフルHDまでならVRAMは8GBまでなら快適に遊べるラインで、WQHD以上になると8GBのVRAMではメモリが不足し、fpsが伸びなくなると言うのが定説となっているが、FF15はベンチだけ見ると4KはVRAM8GBをちょい超えするくらいなので、VRAMが12GBあるRTX3060では、FF15は4K中設定位でなら普通に遊べていた。高設定だとカクつきが生じてした事から推測するに、やはり運ぶデータ量が大きくなると帯域幅がネックになるのだと思われる。

あれ、じゃあデスクトップ版のメモリ挙動は?

デスクトップ版フルHD高品質

デスクトップもメモリはAlienware M18と同じDDR5-32GB構成だが、クロックはCPUの関係で4800MHzである。

ぱっと見、RAMは9.5GB、VRAMは6.3GBを占有。アクティブ率ではAlienware M18とそう変わらない感じかな?

デスクトップ版4K

4KではRAMは約10GB、VRAMは約8GBとやはり微増。アクティブ率もAlienware M18同じく2:3→1:2へとVRAMへの比重が高くなっている。ただ、本体RAMを13GB近く使ってたAlienware M18と比べたら、デスクトップの方は結構積極的にVRAMを使いに行ってる印象があるかな

Alienware M18は画像処理の為に本体側のRAMが積極的に使用されている傾向があるのはまず間違いなさそう。

まとめると、
FF15の挙動ではデスクトップ、ノートパソコン共にRAM・VRAMのアクティブ比率はフルHD・4K共に同じ。
・しかしトータルとしてのメモリの使用量はデスクトップではVRAMの比重が高く、ノートパソコンでは本体RAMの比重が高くなっている。

また、VRAMをバカ食いするホグワーツレガシーではほぼ1:1の割合でメモリがアクティブとなっており、かつAPUであるRadeon610Mもほぼ目一杯RAMを消費している事が判った。事実上24GBもの大量のデータを折半して処理している状態で、負荷のデカいゲーム程本体メモリが重要な役割を果たしているという事らしい。

本当はBIOSで本体RAMをどれくらいグラフィックへ利用するとか設定出来たりする筈なんやが、DELLのBIOSはその辺全く融通が効かないため、実際に本体RAMのうちどの程度がグラフィックに割かれているのかは不明である。

交換前の本体RAM(16GB)の挙動から察するに、恐らく半分の8GBが画像処理に回されていたのではないかと推測される。となれば、交換後の32GBでも多分半分の16GBが画像処理に使われているのではなかろうか?

ホグワーツレガシーのメモリ使用量は明らかに8GB超えてましたからね。

これ以上は頭が発熱しそうだから今回の考察はここまでとします。

というか、PCMARK計測したらRadeon RX7900XTX積んだデスクトップPCよりスコア高かったんすよ、このノートパソコン。


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