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スカイラインのエンジンの話

今までエンジンは気にした事無かったが…

スカイラインに乗り換えてから、そのエンジン特性に驚いている。

SUZUKIのs-crossに乗っていた頃、あまりエンジンの個性とか気にした事はなかった。s-crossのエンジンは前モデルのスイフトスポーツと同じ、1600cc・M16A型のパワーをフラットに抑えたバージョンだったが、ハイオクからレギュラーガソリン仕様になっており、馬力と同時に出費も抑えたお財布に優しいエンジンだった。低回転から必要充分なパワーが出る為に日常で扱うには全く問題がないが、上限116馬力にデチューンされたパワーは登り坂では明らかに力不足だった。(スポーツモードでもややモタつく)

同時期に購入を検討したスバル・レヴォーグや、XVの2000ccNAエンジンと比べてもやや弱い印象だったので、まぁ、価格的にも「こんなもんか…」という感じだった。

今回、3500ccのVQエンジンへの乗り替わりで色々と思い知らされたのだが、単純に排気量の差とは別に、トランスミッションの違いも乗り味に大きな変化を与えているようだ。

恐らくCVTでは受け止め不可能なパワー

MT車が無い事でもあれこれ言われてるv37スカイラインだが、7速ATのお陰でマニュアルモードの運転感覚はほとんどMT車に近い。

スカイラインのVQエンジンは同じ低速ギアでも1000〜1500回転の低回転ではジェントルなトルクが出るが、2500回転を超えた辺りから徐々に暴力的な加速に変化するようになる。この二面性は恐らくCVTでは不可能な特性で、ジェントルに乗りたければ2500回転辺りでシフトアップすれば良いし、キレた加速感を味わいたければもう少し引っ張るなどして、楽しみ方に幅を持たせているといえる。

ターボでない分、同じギアのまま静かなエンジン音を響かせながらシレッと変態的な挙動へと変化していくので、この懐の深さが海外でも高く評価されている理由だと思われる。大排気量のエンジンは低回転ではノッキングを起こすイメージがあったが、このVQエンジンでは全くそのような気配もなく、実にスムーズに吹け上がり、その表情を変えていく。

燃費効率の良いCVTの乗り味はアレはアレで個人的に嫌いじゃないけど、VQエンジンに限って言えば、個性を際立たせるという意味でやはりATが合っているように思う。

モーター走行を上手く使う楽しみ

スカイラインハイブリッドのエンジンはVQ型の中でもハイブリッドシステムと併用されるVQ35-HRというエンジンで、306馬力に約60馬力のモーター出力が積算される。

バッテリーの残量にもよるが、回転数によってはモーターとエンジンの両方のアシストを受けながらの加速が可能であり、恐らくこれがノッキングの防止にも一役買っているようだ。

モーター走行を上手く使えば燃費も伸ばせるのだが、ずっと低速で走っていたらあっという間にバッテリーが枯渇してしまう為、ある程度速度を乗せてからモーターアシストを引き出さないと燃費は思うように伸びない。同じモーターアシストでも上手いアシストを引き出すのは容易ではなく、エンジンと対話しながら最適な解を導き出す必要がある。

v37スカイラインは3000ccツインターボの400Rばかりに注目されがちであるが、自然吸気のVQ35-HRエンジンはこれはこれで色々と奥が深く、名エンジンだと思います。

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