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多動な僕が酒を飲む理由

一時期は不眠にずいぶんと悩まされた。2〜3時間おきに中途覚醒し、断続的な睡眠なのでどれだけ眠っても睡眠の質が低い。そんな状況を打破するためにアルコールを使っていたんだけども、近頃は幸か不幸か多忙のためとても疲れており、酒を飲まずともよく眠れるようになった。もとから酒の味は好きではなく、睡眠導入としてやむを得ず使っていただけなので、いまの僕は酒を飲む理由がないはず。けれど、睡眠障害とは別の問題を抱えていることを思い出した。何かが1つ解決すれば、また別の問題に目がいく。人生はこの繰り返しだ。

僕は俗に言う多動というやつで、とりわけ脳内がとにかく忙しない。言葉としてある程度は形になっているものも、漠然とした思考の塊も、喜怒哀楽さまざまな感情も、とにかくあらゆるものが頭の中でとっ散らかっているのだ。ゴミ屋敷を想像してもらえれば分かりやすい。たとえば大事な郵便物が家に届いたとしよう。それを雑然とした汚部屋にポイッと放り投げたなら、もう当分見つかることはないでしょう。日常生活の意思決定をこの例に当てはめてみる。「よし、今からこれをやるか」という意志が先ほどの”封筒”だとするならば、頭の中は家だ。部屋がきちんと整理されていれば、その封筒を机の上に置いておいても見失わないでしょう。けれど、僕の頭の中は汚部屋なのだ。ぐちゃぐちゃに乱れた頭の中に”封筒”を投げ入れてしまうと、たちまち散り散りになって消滅する。すると現実の僕はどうなるかというと、これから何をしようとしていたかを忘れる。何かを忘れていることに気づいてすらいない。だから、僕は封筒を頭の中に入れちゃだめなんだ。ずっと手で握りしめていなきゃいけない。具体的には「部屋のゴミ袋を取り替える部屋のゴミ袋を取り替える部屋のゴミ袋を取り替える…」と、これからやることをブツブツ呟く。行動が完了するまで気が抜けない。

僕の頭の多動っぷりを多少お伝えできたかな、というところで、最後に酒を飲む理由を話そう。勘のいい人なら気づいているかもしれないが、このぐっちゃぐちゃな脳内を黙らせるためだ。酒は強制的に脳の働きを弱める。なぜそんなことをするか。常に脳が暴れているというのは、想像以上に疲れるものなのだ。健常な人は、脳を活発に動かす時間と思考を休める時間とでスイッチを上手に切り替えられるのかもしれない。けれど、僕の脳のスイッチは壊れており、というかハナからそんな便利なものは存在せず、常にフルスロットル!何事にも全力なのはよいことですが、たまには休んでくれ。というわけで、仕方がなくアルコールによって強制的に思考を抑え込んでいるといった次第です。気分によって味を選べるようにと色々な酒を用意してみましたが、そもそも酒を美味しいとは感じられないため、結局僕が落ち着いた飲み方は「ウォッカのストレート」でした。ウォッカは無色透明、そしてほぼ無味無臭。雑味がなく、スッと身体に入ってゆきます。度数が高いのでグビグビとは飲めませんが、深夜アニメなどを眺めながらゆっくりとトリップしていきます。連勤を終え、いまは久々の2連休を堪能しています。脳みそくん、疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだか、とても眠いんだ。こんな時くらい、酒を浴びるように飲んだって神様も怒らないさ。それでは皆さま御手を拝借、連勤努力を労いCowabunga!!

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