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"ザンクトパウリ"に惹かれたワケ

こんにちは!!そーまです!

本日はドイツのハンブルクを拠点とするSt. Pauli(ザンクトパウリ)と言うチームを紹介していこうと思います。

ザンクトパウリって名前がカッコいいよね。

自分自身このサッカーチームはバイエルンの次くらいに好きなチームでもあります。
バイエルンについて書いた記事は、この記事の最後に添付しときますね。

今回は念願の現地観戦もできたので、これに合わせてなぜこのザンクトパウリと言うチームが好きになったのか?ザンクトパウリとはどんなチームなのか?について書いていきたいと思います!!

ザンクトパウリのエンブレム

ザンクトパウリとは?

基本概要

ザンクトパウリは2022/23シーズン現在、ドイツ2部に所属するサッカークラブです。いわゆるエレベータークラブであり、1部に所属していた時もあれば2年連続で降格してしまい、3部にいたこともあります。

ドイツのハンブルクにあるザンクトパウリ地区を本拠地としており、同じくハンブルクを本拠地とする、ハンブルガーSVとの対戦は、ハンブルク・ダービーとして大いに盛り上がります。

ザンクトパウリのチームカラーは、茶色と白色(と赤色)です。
この茶色と白の配色は、当時船乗りの町であったハンブルクをイメージしたものとも言われています。そのため、茶色と白色のストライプは、クラブの歴史やハンブルクの文化に根ざしたものとして、多くのファンに愛されています。

有名な選手

有名な選手としては、高校からそのままアーセナルに移籍し、2023年現在横浜F・マリノスに所属する宮市亮選手や、横浜FCに所属している東京オリンピックにも出場した、ドイツ人GKのブローダーゼン選手、1988年には尾崎加寿夫さんがが所属していたこともあります。意外にも日本との繋がりもあるのもこのクラブです。

ザンクトパウリ時代の宮市亮選手
ブローダーゼン選手

スタジアム

スタジアムはミラントア・スタディオン(Millerntor-Stadion)と呼ばれており、サッカー専用スタジアムです。収容人数は29,546人で、ドイツ最大級の歓楽街であるレーパーバーンの近くにあります。

レーパーバーンとは日本でいう飛田新地に近いところで、古くから風俗や飾り窓が多いことからも「世界で最も罪深い1マイル」とも呼ばれています。

世界で最も罪深い1マイル・レーパーバーン

タイトルこそ獲得したことないチームですが、彼らの文化・価値観・雰囲気に惹かれる人や関心を示す人が多く、ドイツ国内問わず高い知名度を誇っています。

ドクロマークがシンボルの左翼クラブ

”彼らの文化・価値観・雰囲気に惹かれる人や関心を示す人が多く”と直前の文で書きましたが、それはどのようなものなのでしょうか?

サッカー界No.1を誇る左翼クラブ

クラブは、左派政治的な価値観を持ち、社会正義や平等、多様性、人権などの問題に対して積極的に取り組んでいます。例えばLGBTQ+の権利を支持し、反人種主義反ファシズムの立場を取っているのがこのクラブです。

LGBTQ+関連のフラッグを掲げるサポーター達

またザンクトパウリは以下のような取り組みも行っているそうです。

①多様性の受け入れ
ザンクトパウリはLGBTQや移民などの社会的マイノリティに対する差別を撤廃するために積極的に取り組んでおり、多様性を促進するためのプログラムも実施し、サポーターにも多様性を受け入れる文化の構築を呼びかけています。

②社会正義の推進
社会正義を促進するために様々なプロジェクトを実施しており、例えば貧困層の子どもたちに対して無料でサッカーを楽しめるプログラムを実施しています。

③ファシズムや人種差別に反対
ファシズムや人種差別に対しては、断固反対するスタンスを明確にしています。クラブは反人種差別のキャンペーンを行い、選手やサポーターにも積極的に取り組むよう呼びかけています。
2022/2023シーズンも限定ユニホームとして人種差別反対のユニフォームを発表しました。

④環境保護
環境保護にも力を入れています。地球温暖化対策を目的とした取り組みや、サステナブルなエネルギーの利用を進めるプロジェクトも実施しています。

2022/2023シーズンの限定ユニフォーム
Kein Platz für Rassismus(人種差別を許さない)と胸元に書かれている。
自分自身もこのユニフォームを購入した。

ドクロマークがクラブのシンボル

ザンクトパウリのシンボルといえばドクロのマークです。このドクロのマークは、80年代にマブゼという男がドクロの旗をスタジアムに持ちこんだことがきっかけとされています。またマブゼは15世紀初頭にハンブルクで処刑された海賊のクラウス・シュテルテベガーを偲んでの意味合いもあったそうです。

ザンクトパウリが左翼的なクラブであることを考えると、ドクロのマークがシンボルに使われることには疑問が持たれるかもしれません。しかし、ザンクトパウリのドクロのマークは、死や暴力を連想させるものではなく、むしろ反抗や抵抗の象徴として捉えられています。クラブは自らのシンボルを用いて、権力や不正義に対する反抗心を表現することで、社会変革への期待を託していると考えられます。

こうしてザンクトパリはThe Pirates of the League(ブンデスリーガの海賊)となったのです。

ザンクトパウリの象徴・ドクロ

中々サッカークラブで、このようにハッキリとした価値観を持ったクラブはなく、そこに自分自身は惹かれました。

他にもサブカルチャーが根付いていたり、スタジアムソングがパンクロックだったり(入場曲はAC/DCのHells Bells!!)、応援歌が独特だったり、まだまだここでは語り尽くせないほどあります!!

興味を持ったキッカケ

実際に興味を持ったのは大学生になってからです。

たびたびブンデスリーガのニュースなどを見ていると、このクラブの名前が出てきます。先程言ったように日本人である宮市亮選手やブローダーゼン選手の移籍の話の時にも度々日本語で記事を目にしました。

さらには他には無い魅力もあり、だんだんとザンクトパウリと言うチームに惹かれていきました。

心のクラブであるバイエルンのように明確なきっかけというのはありませんでしたが、 彼らが持つ熱量や考え方というものが非常にカッコよく、厨二心をくすぐり、今では好きなチームの1つとなりました

ちなみに試合は見る媒体が少ないので、あまり観る事はできていませんが、必ず結果とハイライトは確認するようにしています。現在は30歳のヒュルツェラー監督(日本語の名前表記が合ってるか分かりませんが、、)という若い監督がチームを率いており、2部のプレーオフ圏内に位置しています。

ザンクトパウリのヒュルツェラー監督

昨季の2021/22シーズンは常に上位に位置しており、1部への昇格の可能性も大いにありましたが、残念ながら1部に昇格することができませんでした。今シーズンは少し順位的には厳しいかもしれませんが、新しく就任した彼に期待して、ぜひとも1部に上がって欲しいなと思います。

そして自分自身の思いとしては、バイエルンvsザンクトパウリの試合を見たいなと思っています。

バイエルンとザンクトパウリの関係

意外にも自分の心のクラブである、バイエルンとも関係があります。

財政難における手助け

序盤にも書いたようにザンクトパウリは2001/2002シーズンから2シーズン連続で降格してしまいました。そして2002/2003シーズン後、財政難により翌シーズンの3部リーグで戦うためのライセンスがドイツサッカー連盟から発行されず、さらに下のリーグである4部へ降格する可能性が出てきてしまいました。

スポンサーやサポーターが協力し資金を集める中、そこに手を差し伸べたのが、バイエルンでした。

当時のバイエルン会長はバイエルンのレジェンドでもあるウリ・ヘーネスさん(現在はバイエルンの名誉会長)です。彼がバイエルンvsザンクトパウリの親善試合を提案し、試合を行いました。そしてそこで出た利益を全てザンクトパリに寄付しました。その額は約27万ユーロ日本円にすると約3900万円を寄付したのでした。(1ユーロ=145円・2023年3月現在)

この無償の手助けも大きな力の1つとなり、ザンクトパリは何とかして3部のライセンスを獲得し、3部に残留することができました。そして現在に至ります。

バイエルンのこの貢献は、現在バイエルンのホームスタジアムであるアリアンツアリーナの中にあるバイエルンミュージアムにも展示されています。

バイエルンのSOZIALES ENGAGEMENT(社会的責任)という展示
様々な社会貢献の功績が記されている。
RETTER(救世主)と書かれたTシャツ
先程書いた親善試合でザンクトパウリ側からバイエルン側に提供された。
会長のウリ・へーネスが着用している(1枚目の写真左上)

公式戦での歴史的勝利

また公式戦においても、両者には歴史があります。

2002年2月6日にザンクトパリはバイエルンをリーグ戦で撃破しました。これは現在も語り継がれており、ブンデスリーガにおいてザンクトパウリ最大の成功の1つを達成した瞬間でもありました。

そしてこの試合の選手たちは「Weltpokal sieger besieger」という名前が付けられ歴史に残っています。これは「ワールドカップ王者に勝った者」を意味しており、それほどザンクトパリが彼らにとって凄いことをを成し遂げたのと共に、ドイツにおいてバイエルンがどれほど強く、巨大なクラブかを感じさせてくれるものでもあります。

当時は2-1でザンクトパウリが歴史的勝利を成し遂げた。

念願の試合観戦

2023年3月11日に念願であるザンクトパウリの試合観戦をすることができました!!

スタジアムの正面に掲げられたエンブレム
スタジアムの側面に描かれた壁画

対戦相手はグロイターフュルト。2021/2022シーズンは1部リーグにもいましたね。

スタジアムはシール落書きだらけ!!トイレにもギッシリシールが貼られていました。

大量のシールが貼られたファンショップの壁
トイレの壁にも
落書きもいくつか

今回の観戦はゴール裏から。

ザンクトパウリは熱狂的なファンが多く、チケットが中々取れないのが難点。見やすい席を探すのは困難でしたが、試合日直前になって、普段はビジター席として売られている席が、今回限りホームファン向けに発売されたので、遂にチケットを取ることが出来ました!!

人生で初めてゴール裏から試合を観戦しましたが、いつもとは違う見方や捉え方ができ、非常に面白かったです!!

今回の席からの眺め

個人的に1番の目当ては入場シーン。
AC/DCのHells Bellsが流れます!!これはザンクトパウリというチームに根付いている特徴の1つと言えるでしょう。

冒頭の鐘の音は戦いの始まりを連想させ、選手・サポーターを奮い立たせてくれます。

入場シーン
試合が始まるという雰囲気がどのスタジアムよりも感じることが出来る。

試合は2-1でザンクトパウリの勝利!!

逆転勝ちでの勝利でした!!
前半に相手チームがレッドカードを貰い、数的有利に試合を進めることが出来ました。

2-1で勝利!!

ザンクトパウリのサッカーは非常に観ていて面白いです。若い監督ならではの柔軟な考え方というか、スペースを上手く使っていくような、そんな感じです。全然上手く説明出来ないですけど笑

とりあえず、皆さんハイライトを見てみましょう笑

まだまだミスが多いものの、最近では勝ちを積み上げているのも事実です。

2023年に入ってからはザンクトパウリは何と無敗です!!そしてリーグ戦でもこの試合に勝利して7連勝を記録しました!!

戦術がもう少し浸透すれば、1部リーグでも十分通用するサッカーが出来るなとも感じました。

試合後もファン達の応援は途切れることはありませんでした。老若男女問わず同じ歌を歌い続けるその雰囲気・姿は見ていて感動しました!!

最後に伝えたいこと

バイエルンに次ぐクラブ紹介の記事でしたが、いかがだったでしょうか?

世界にはこのように魅力的なチームがゴロゴロいます。いわゆるメガクラブ・ビッグクラブに目が行きがちですが、ザンクトパウリのような特徴を持ったチームもその点負けてはいませんし、人気を博しているのは事実です。

ザンクトパウリというチームは文化の構築、地域密着という点においてお手本に出来ると思います。

現在日本のJリーグのクラブは入場者数の増加や新規ファン獲得が大きな課題となっています。
その中で重要なのはサッカー以外での魅力の向上だと考えます。スタジアムグルメの充実やイベントの充実、また有名人のゲスト出演や人気アーティストの試合前後でのライブというのも短期的に見たら可能です。

上から目線ですが、フラッと来れて、フラッと帰れるようなスタジアム作りはいかがでしょうか?「女性・子供も安全」「家族で来れる」というJリーグのストロングポイントともマッチしていると思います。

また長期的に考えると魅力的な「文化」の構築が必須です。決して簡単ではありませんが、そのクラブにしかない独特の雰囲気やポリシーを作り上げる。その点ザンクトパウリを参考にしてもいいかなと思います。

まとめが長くなりましたが、ザンクトパウリというクラブの面白さを理解して頂けましたか?
またいつか1部でザンクトパウリvsバイエルンの試合を観れることを期待して、この記事を締めたいと思います!!

今回も読んで頂きありがとうございました!!

また来るぜ!!さらば、ザンクトパウリ👋

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