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わたしの元気のなさと胃腸の話(中医学)

最近、わたしの周りの友人たちが少しずつ中医学に興味を持ってくれているのがとても嬉しいので、少しずつ中医学の話を書きたいと思い始めています。とてもわかりやすく簡単に説明するのは苦手だし、それはやってくれている人がたくさんいるので自分の気の向くままに書きます(笑)

中医学は自然哲学を元に、何千年と積み重ねられてきた臨床経験の集積によって成り立っているもので、実際「中医学」と言われるようになってからは40年ほどなのだそう。

自分の体調が良くなったこともあり、中医学の知識を深めたいと足を踏み込んだのですが「心身一如」、心と体はお互いに影響しあっているというのがわたしにとって一番興味深く面白く感じているポイントです。長年、心のことで悩み続けていたのに、まさか体を整えることで解決するなんて思ってもいなかったのです。

中医学では気・血・津液の3つのバランスを整えることで体調を改善していくのですが、心と体を分けて考えることはないので心を整えるのもやはり気・血・津液のバランスです。きっと多くの人は体調が悪い時にはメンタルの状態も悪化して、メンタルの状態が悪い時には体調もあまり優れないというのは体感したことがあるのではないかな?と思います。

世間一般的には気・血・水という言葉の方が馴染みがあるのかもしれませんが、水というのは日本漢方でよく使用されていて、水毒などという言葉もあります。
中医学では津液といい、津はサラサラの液体、液はトロトロした液体を指します。津液が余分になって体内に留まってしまうとそれは痰湿などという病理産物に変化するので、津液というのはあくまでも正常な体液のことを指しています。

ここ数日のわたしは、なかなか進まない台風の影響で湿度が高い雨の日が続き、とどめを刺すかのように台風で大雨が降り、湿気によって胃腸が弱ったところに大好きなぶどうをたくさん食べてしまい更に胃腸に大打撃を与えていました。冷たい飲み物は飲まず(常温も含む)、お菓子も食べず、油もほぼ使わずという生活をしているわたしはとにかく胃腸がめちゃくちゃに弱いのです。毎日割と質素な和食を食べています・・・しかしとにかく毎日体がだるく、寝ても寝ても眠く、全くやる気も出ず、何をするにも面倒で億劫で、今日に至っては頭も重く頭痛がしていました。胃腸って体のエネルギーになる気を生み出す場所なので、ここが弱っているとやる気出ないし、元気出ないし、面倒くさいし、怠惰になるし、ダラダラしちゃうんですよ。主に気虚の症状です。気虚の症状って目に見えないし、気虚の症状を持っていない人には全く伝わらないのでもどかしいですよね。

中医学では「内湿は外湿を呼ぶ」という考えがあるのですが、体内に湿という余分な水分が多いと外側の湿気も体の中に溜め込みやすくなります。例えば水分の多い物をたくさん食べたり、水分を摂りすぎたり、なまものを食べたり、油っぽいものを食べたり、甘いものをたくさん食べたり、お酒をたくさんのんだりすると痰湿という病理産物を生みやすいです。砂糖はお料理などでも保水する力が強いし、湿を生んでしまいます。これは白いお砂糖でも黒いお砂糖でも蜂蜜でもやはり同じです。油っぽいものも同じように痰湿を生んでしまうのですが、これはキッチンの排水溝のぬめり、バイオフィルムのようなものです。これが湿という状態の時はまだ良いのですが、もっと状態が悪化して痰という状態になるととても厄介です。きっとみんな一度は風邪をひいたり、胃腸が弱って痰が出たことがあると思うのですが、あのネバネバしたものが体の中にたくさん溜まって色んなところに回ってしまうのです。それだけならまだしも、その体に溜まった痰湿というものは外にある湿気を取り込んでしまうのです。なので、雨の日、梅雨の時期に体調が悪くなってしまいがち・・・日本の夏は高温多湿なので湿気によって胃腸がやられて夏バテという方も多いですし、そもそも多湿な風土なため日本人は胃腸が弱い人がとても多いです。

わたしは2年前まで今より30kgも太っていてめちゃくちゃ痰湿体質だったので、食生活を変えてダイエットをして漢方薬も飲み始めて、とにかく改善するのにとても時間がかかりました。胃腸も以前よりは強くなったのですが、弱っているところにくだものをたくさん食べてしまったのがいけませんでしたね。

冬の寒い日に手が冷えて動かしにくいように、胃腸も冷えると消化能力が更に落ちます。胃腸は消化酵素が上手く働くように体温と同じくらいに保たれているのですが、冷たい飲食で1℃温度が下がると元に戻るのに4〜5時間かかるそうです。冷えて消化吸収が上手く出来ない状態だともちろん食べたものの栄養が吸収出来ず、上手く処理出来なかったものは痰湿に変わり、それどころか溜まった痰湿の一部は便でも排出されるので下痢や軟便にもなります。エネルギー源が弱ってしまうと、もちろん他の臓器を動かす力も弱くなってしまうので、胃腸の弱りは全身の状態につながります。ひ弱って脾弱なんです。

中医学ではその他に感情(情志)も臓器に影響すると言われています。
脾→思 肝→怒 心→喜 肺→悲 腎→恐

脾が弱っているとくよくよと思い悩んでしまいます。元々、脾胃(胃腸、腸内環境)が弱い人はくよくよと思い悩みやすいですし、逆にくよくよ思い悩むことで脾胃を弱らせてしまいます。恋煩いで食欲不振になるのはこれ。これが中医学の面白いところだなーと思うのです。思い悩みやすい、くよくよ色々と考えてしまう人は胃腸が弱っているかもしれませんね・・・長期的になると必要な気血津液が生み出せないので胃腸を労わることは本当に大切です。書いておきながら、自分の胃腸に大変申し訳ない気持ちになってきました。日々、胃腸を強くしながら気を補ってくれる漢方を飲んでいます。余分な湿を抜くのを助けてくれる漢方も追加しました。
まぁでも良いものを足すより、悪いものを減らすことが先です。これは中医学でも同じで漢方薬だって余分なものを減らすことを先にして、後で良い物を足していきます。(逆の場合もありますが、その人の体調などによります)世の中なんでもそうですね、まずは不必要なものを手放さないと新しいものが入ってくるスペースがありません。

台風も近づいているし、本当に湿邪にやられやすい季節なのでみなさん食べ過ぎや食べるものに気をつけましょうね。

湿を抜くためにおすすめの食材は枝豆や大豆などの豆類、とうもろこし、わかめや海苔、昆布などの海藻類、もやし、緑豆春雨、スイカやきゅうりも湿を抜きますがお腹が弱い人は食べ過ぎに注意!他にはアスパラや人参なども◎紫蘇や生姜やネギ、茗荷は香りで胃腸の働きを良くして湿を飛ばしてくれます。胃腸を元気にしてくれる食べ物は、お米、芋類、カボチャ、大豆などの豆類です。

脾を補う味は甘味ですが、この甘味はお米やお芋などの自然な甘味です。甘味が好きな人も胃腸弱い人が多いですが、胃腸弱い人は消化吸収が悪いため、すぐにエネルギーになる甘いものが好きなのでしょう。でもお砂糖や油の多いものは痰湿を作り逆に胃腸を弱めて悪循環ですので気をつけましょう。

次はもう少し短くてわかりやすい文章を目指してみます。


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