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【コラム】中学校を卒業しました

子どもが、中学校を卒業しました。もはや、親の出番はあまりなくて、「あなたの歩みを見守らせてください。寄り添うくらいしか出来ませんが」って感じになっています。

中学1年生の頃はコロナもなくて、ふつーに過ごせたんだけど、1年生の3学期、全国一斉に学校が休みになりました。歴史上、そんなことってなかったと思う。

「ちょっとラッキー」とか思ってたら、2年生になっても学校が始まらず、3か月も休みが続くことになり、先生が全員の自宅まで教科書を届けに来てくれました。その時は、コロナ予防方法がわかんなくて、「ポストに入れますから出てこないでください」なんていうプリントが配られていたからお礼も言えず、遠くからジェスチャーで「ありがとうございます」って伝えたりして。

友達とも会えなくなり、部活どころか、ピアノやいろんな習い事、あらゆるイベントも中止。公園でさえ入れないところが増えて、外に出るだけで変な目で見られて…。なんか、もう、あの3か月、どうやって過ごしてたんだか。

3か月後に学校が再開した時には、ガラリと学校生活が変わり、先生も生徒も全員マスク姿で休み時間も窮屈に過ごし、給食は無言で前を向いて食べ、部活も対外試合が軒並み禁止、目標としていた大会もなくなり…。

社会との接点であるトライヤルウィークもなくなり、修学旅行ですら、2度も延期になり、行先が変わり、なんとか行かせてやりたいという先生の思いは伝わるものの、結局、日帰り遠足に変更。友達と夜中までトランプしたり、こっそり告白タイムがあったりする楽しい楽しい宿泊の機会もなくなりました。

それでも、こんな中学時代を過ごしたから、合唱コンクールや文化祭、体育祭などなど、何かのイベントや集まりの機会があると、どんな形に変わっても、素直に喜んでいました。学校のイベントは、自分たちのために誰かが尽力して作ってくれてるんだ、ってことを、ものすごい感じていて。

私の中学時代は、ヤンキー全盛期だったのもあって、与えられたいろんなイベントは「真面目にやるのはダサい」くらいの感じだった。たとえばイベントの時は先生の風紀チェックがやたら厳しくなったりしてたから「だるいわ~」とか言ってた。

今、子どもや、子どもの友だちを見てると、貴重な機会を自分から全力で楽しみに行こうとしてる。文句を言えばイベントをつまらなくしちゃう。そんなの誰も望んでない。「誰と同じ班になりたい」なんてことすら、あまりこだわらない様子。

「せっかくの機会、楽しまないともったいない」「どうやったら、みんなで楽しめる?」って、自分から楽しみに行ってた。自分が一番やりたいことをガマンするのも、みんなで楽しむためなら、全然できちゃう。「そういうのが自分の時と違うな~」と思って伝えると、「え? ふつーに楽しいやん!」って、不思議そうに言われた。

卒業式の歌も練習してたけど、3学期にまたコロナが広がってきたから、卒業式では歌えなかった。だから、卒業式で卒業証書を一人ずつもらう時、顔も知らない子が呼ばれて「はいっ!」と返事する、その声だけで、ちょっと泣けた。

思い通りに出来ない事だらけだったと思うけど、先生たちがいろいろ考えてくれてることに感謝して、自分たちも、参加する人みんなで楽しむことを優先して、ともに過ごす術を身につけた。そんなことを当たり前のように身に付けて卒業していく子どもたちが、キラキラと眩しい。

卒業式の後、運動場で名残を惜しみ、写真を撮り合いっこしている子どもたちを見ながら、小さい頃から一緒に見守ってきたママたち同士で「みんなイイコに育ってるよね~」「ほんと、感動する~(泣)」ってしゃべってた。そしたら子どもに「先帰っといてー」ってふつーに追い払われたけど(^^)。もはや、とっくに親を巣立っているのね。

未来を生きる子どもたちみんなに幸多かれと祈ります。

生き生きと生きよ! byゲーテ

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
書く人、聴く人、考える人、作る人、遊ぶ人。小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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