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【コラム】備品を汚してしまった…。

もし活動中に、悪気なく施設の備品を汚してしまった時、あなたなら、どうされますか? たとえば、子どもがスクリーンのすみっこに小さく描いたラクガキが消えなくなった! …なんて時。

普通は「なんでそんな事したの?」って質問じゃなくて詰問口調で言いそうです。虫の居所によっては「謝ってきなさい!」「自分で洗って返しなさい!」なんて言っちゃうかも。

だけど、先日、活動中にそんな事があって備品を汚してしまい、施設の人に謝りに行った後、えりか先生が子どもとその親におっしゃったのは、「ごめんなさい、私が悪かったんです」。

え、なんで???? なんで、そーなるの? 目がテンです。

「私が見ていないといけないのに、ちゃんと見ていなかったので」。おお…。続いて「今回のことで、〇〇ちゃんの中の“何でもやってみよう”という素晴らしい姿勢が、消えてしまわないようにと願っています」と。

おおおーーーー。
そう来ましたか。そういうことですか。
感動!

子ども本人が「学校のは消えたのに…」と困り切っている中、冷たく追い打ちをかけることをせず、さらっと「学校のとは素材が違うのかもしれないね」と言って、その子の困惑を、ふわっと包み込まれました。

伸び行く子どもの中の光。それは、汚れた備品とは比べ物にならない
値打ちのあるものです。大切に守り育てて行きたいものです。

大人や社会に都合が悪いから叱るんじゃなくて、その子の中で光が育っていくのを応援する。子ども(や自分)が今より輝いて行くことは親や教師なら、誰でも嬉しいことのはずです。

閉塞感のある、緊張に満ちたこの時代、必要なのは、失敗しないことではなくて、健やかに表現していくこと。自分の望みを自由に豊かに表現することは、何かを今より良く変えていく力になります。

“何でもやってみよう”は変化を起こす力。それを支えるのは勇気と自信。
小さな失敗を叱って子どもの自信を潰すより、彼らの可能性や動機、目的を理解する目を持ち、好奇心や挑戦を守り育てていきたいものです。何しろ、私たちが去った後、次の時代をもっと明るくしてくれる人たちなので。

数日後、施設の方からお電話をいただきました。「ほとんど消えました。そのまま使えそうだから大丈夫ですよ」とのことでした。施設の方には、お手間をおかけして申し訳ないことでした。

起こったことに感情で反応するだけじゃなくて、子どもの中の光を育てるために何ができるのか、本当はどうしたいのかを考えて行動できるようになりたい。大人として成長していきたいなぁと、自分の態度を考えさせられた出来事でした。

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