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まだ見ていない映画や小説の数

例えばパールバックの「大地」
あらすじは本読みならたいがい知っている。
貧しい農民の王龍とその家族の生きざま、ノーベル文学賞。

しかし3部作、長い。
この本を私が残りの人生で読むことはないだろう。
同じ理由でドフトエフスキーの「罪と罰」もたぶん読まない。

映画も、古い名画とされたものは観ていないし、
青年のころ一時、高校をサボって映画館に行くのが愉しみだったが、
成人してから映画を観る機会は減った。

しかし毎年映画は大量に作られていく。

何年もまえから私は、昔から好きな本を読み返す読書が多くなった。

TSUTAYAで小説とエッセイの棚がドンドンと縮小し、実用本の棚が圧迫してきた。

今は小説やエッセイは虫の息で、本といえば実用書の時代になってしまった。

昨年亡くなった西村賢太が、

「俺の初版が3ですよ」

「3万ですか?」

「いや、3千」

と応えていて驚いた。芥川賞作家ですよ。

でも新しい作家は出てくる。

しかし私の好きな作家は変わらない。そして私の好きな作家は皆、老いてしまった。たまに出る新刊も購う価値がなくなってしまった。鬼籍に入る作家も出てくる。

世界にある小説や映画でまだみていないものの数を思うと少しもったいない気持ちになる。



計算でつまったらノートに写してみてください。考えてむつかしい場合、コトバでナニが分からないか記入してノートのコピーを送ってください。