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データで見る、日本代表メンバー所属クラブのランキング

こんばんは。Stats Performの早坂です。
先日、Optaデータのパワーランキングという指標がプロ向け分析ツールの『ProVision』に導入されたので、今回の国際親善試合(9月23日アメリカ戦と27日エクアドル戦)で日本代表に選出された全メンバーの所属クラブのランキングを調べてみました。

すると、(一つの指標に過ぎませんが)日本サッカーのレベルが現在どのあたりに位置しているかの参考になりそうな数値が出せたので、ご紹介します。

パワーランキングについて

パワーランキングとは、世界中の391リーグに所属する約19,000クラブを対象にチームの評価を数値化したものです。最も強いチームを100、最も弱いチームを0で表しています。データを抽出した2022年9月22日時点では、マンチェスター・シティが100点でトップに立っています。

▼参考:パワーランキングとは?

日本人所属チームのパワーランキング

日本代表選手が所属するクラブのパワーランキング(2022年9月27日時点)

上の表が、今回の親善試合に招集された日本代表メンバー30選手の所属クラブをパワーランキングで降順に並べたものです。それぞれのクラブで、スタメンで出ている選手もいれば、出場機会に恵まれていない選手もいるため、一概には言えませんが、日本のトップ選手たちがどれくらいのレベルでプレーしているかが分かります。

ここからは、このランキングから読み取れることから読み取れることを考察していきたいと思います。

このメンバーでは、冨安健洋選手(アーセナル)から、川島永嗣選手(ストラスブール)までの10選手がランキング100位以内のクラブでプレーしています。特に注目すべきは、守田英正選手(スポルディング)から鎌田大地選手(フランクフルト)までの7選手が、レーティング83~88のクラブに僅差で集まっていることで、日本のトップ選手が挑戦の場として選んでいるのは、20~40位あたりに位置するクラブが多いと言えそうです。

30クラブのレーティングの平均値は73.56で、この中だと柴崎岳選手のレガネスと田中碧選手のデュッセルドルフの間です。世界全体で見ると、中田浩二さんや柿谷洋次郎選手も所属した、スイスのバーゼルに同じ73.56というスコアがついています。Jリーグのクラブを除くと平均値は78.47で、川島選手のストラスブールと旗手怜央選手、古橋亨梧選手、前田大然選手のセルティックがこのあたりに位置します。世界全体では、西澤明訓さんや中村俊輔選手が所属したスペイン1部のエスパニョールが最も近いスコア(78.52)になっています(レーティングは全て2022年9月27日時点)。

これらの数字から、日本代表選手は、すでに欧州5大リーグやUEFAチャンピオンズリーグに挑戦できるほどのレベルに達しているということが読み取れます。

Jリーグのクラブは、全てがその他のクラブより低い順位で格付けされており、日本で一番高い評価は、川崎フロンターレの64.26でした。ただ、上田綺世選手のセルクルブルージュや瀬古歩夢選手のグラスホッパーと、川崎のスコアの差は3点以内で、それほど大きな実力差があるとは言えません。そのため、Jリーグに所属する選手がベルギーやスイスなどの欧州クラブへ進出するのは、とても現実的なステップアップと言えるでしょう。

このような考察は、感覚的には気がついていたことかもしれませんが、数字にすることで具体的に可視化することができました。一方で、パワーランキングは一つの指標に過ぎず、クラブのレベルを評価する上での一要素でしかないため、あくまでも一つの参考値としてお楽しみいただければ幸いです。


パワーランキングやその他のデータについて興味を持っていただけた方は、下記よりお問い合わせください。


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