見出し画像

攻撃の起点となった回数が英リーグ1位 なでしこの主軸・長谷川唯をデータで分析

日本は過去10年間、密かに才能溢れる若手女子サッカー選手を数多く輩出してきた。彼女たちは現在、世界中で活躍している。リトルなでしこ(U-17日本女子代表)は2014年のFIFA U-17女子ワールドカップで優勝し、2016年は準優勝を飾った。一方、ヤングなでしこ(U-20日本女子代表)は、2016年以降3位圏外になったことがなく、2018年には(FIFA U-20女子)ワールドカップで優勝した。

長谷川唯は2014年のU-17日本代表メンバーとして開花した選手だ。俊足のマジシャンと呼ばれる長谷川は、ヨーロッパでプレーを磨き、世界最高レベルの技術を誇るミッドフィルダーとしての地位を確立している。

マンチェスター・シティ所属の長谷川は昨シーズン、ミッドフィルダーとして多彩な熟練のプレーを見せた。攻撃的ミッドフィルダーである長谷川は、より深い位置に身を置き、守備への意識を前面に押し出したプレーで輝きを放った。その徹底したポジショニングと、ミッドサードからアタッキングサードでのルーズボールを拾うゲームの読みで、称賛を浴びたのだ。

昨シーズンのイングランド・トップリーグでプレーした全302人の中で、長谷川ほどオープンプレーのシーケンス(チームがボールを保持し始めてから手放すまでの一連の流れ)のきっかけを作った選手はいない。それはボールを奪い、攻撃の起点となる能力の高さを証明している。2022-23シーズンのWSL(ウィメンズスーパーリーグ)で、長谷川のボール奪取数159を超えたのは、170を記録したケイティ・ゼレムだけだった。

アタッキングサードでの彼女のサポート的プレーは、長谷川のサッカーを象徴するものだ。長谷川は一貫してライン間のボールを捕らえる役を担い、周囲の選手と連動している。シュートで終わるオープンプレーのシーケンスにおいて、ビルドアップのみに関与した数は、WSLで長谷川が最多の75回を記録した。これは彼女の攻撃的なプレーの核となるスキルセットを明確に表わしている。

オープンプレーのシーケンスの始点となった数
WSL 2022-23シーズン

日本はポゼッションを維持し、ピッチの高い位置で敵を捕まえるプレーを好む。つまり、切り返しが上手く、守りを意識する選手がチームにとってはより望ましい。長谷川もその一人で、オープンプレーで攻撃の起点となった回数(29)は、アーセナルのフリーダ・マーナムと並び、昨季のWSLで最多だった。さらに、2022-23シーズンのWSLで、長谷川の9回よりも多くポゼッションを奪い返して、オープンプレーのパスシーケンスの起点となった選手は5人しかいない。

日本が2011年以来となる優勝を果たすためには、若手選手が再び力を発揮しなければならない。かつてU‐17女子ワールドカップでシルバーボールを受賞したミッドフィルダー、長谷川は、間違いなく日本の主軸になるはずだ。


この記事は、自社メディアの『Opta Analyst』の記事から一部を抜粋して翻訳したものです。
元記事はこちら:2023 Women’s World Cup: 10 Players to Watch

弊社のサービスについてのお問い合わせは、以下からお願い致します。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!