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数少ない青函特急時代の記憶

俺は青函特急が大好きだ。
東北本線が青森駅まで続いてた頃に産まれた俺。しかし、2010年12月の東北新幹線全線開通、青い森鉄道の全線開通までの記憶はもちろんない。そして、2016年3月の北海道新幹線開業、青函特急、寝台列車の廃止までの記憶は…ないということではない。数少ないがあるにはある。その事でも綴っていこう。

2016年3月21日をもって、青函トンネルの新幹線対応化工事のために青函特急「スーパー白鳥」「白鳥」、寝台急行列車「はまなす」がラストランを迎えてしまう。青函トンネルの1つの時代が幕を閉じる。そんな時に俺の家はこんなことを計画していたのだろう。
「廃止を迎える特急列車を使って函館に日帰りで旅行する」
その旅に行ったのは3/20。ラストラン前日。切符はとれたらしい。行こう。
青森駅。今は亡き旧駅舎に人が集まる。みなラストランが近い車両の姿に注目を向けている。

2016年3月20日8時過ぎ。青森駅にて

新青森からやってきたのは485系3000番台。「白鳥93号」
国鉄の香り。音。もうすぐ役目を終えるとは思えないほどの車両の元気さと威厳。とてもたくましいものだ。

乗り込む。出発する。放送が流れる。自動放送はない、車掌の案内だ。これまた旅情溢れる。
蟹田に止まり、建設工事がもう終わって開業準備中の奥津軽いまべつ駅の横を通り過ぎ、青函トンネル。警笛を鳴らして中に勢いよく入る。下り坂でモーターが唸る。140km/hで走る。龍飛を過ぎ、最深部を過ぎて、上り坂。爆音が車内に響き吉岡を過ぎる。トンネルを出て知内を過ぎた。木古内に停車、函館に着いた。人が多い…

自分は隠してます。あと、PC直撮りです。

函館駅にはもうじき引退だろうか。キハ40系とキハ183系、485系が止まっている。

五稜郭公園に行った、函館山に行った、赤レンガ倉庫も行った、あとは帰るだけ。

19時過ぎ。函館駅にて

函館駅。そこに居たのは789系、そして785系が増結されていた「スーパー白鳥98号」
まさか1本しかない785系が来るとは思わなかった。生憎6号車に指定を取っている。
函館駅の駅メロ「旅立ちの鐘」
なんだか廃止されてしまうものたちに向けての悲しい旅立ちを告げるように聞こえた。この感情はここでしか味わえないだろう。このチャイムは未来永劫残り続けて欲しいとそう願って函館を旅立った。
大橋俊夫さんのアナウンスが聞こえた。何気に人生で初めて聞いた。優しい声がとても心地いい。
夜で景色は見えないが軽快に江差線を駆け抜ける様子は伝わる。
木古内を出て、大橋さんの青函トンネルの放送が流れる。最高の旅行ガイドだ。
789系は少しばかり余裕を持ったようなモーターの音を立てて青函トンネルを走る。朝の485系の国鉄型が踏ん張る音も良かったが、こっちもいい。
しばらくしてトンネルを抜けて蟹田に着いて、津軽線を走って、あっという間に青森。早いし、楽。

最後に485と785と789を写真に納めた。さようなら。明日のラストランは来られないかもしれない。これでお別れ…………辛い

スーパー白鳥が去って駅に来たのは「急行はまなす」
日本最後の寝台急行列車。これも明日で廃止…
今日の時点で見に来てる人は多いが、明日はどうなるのかな。

出発を見送った。明日は来れるかわからない。そう思いながら青森駅を後にした……


ということで、当時の記憶を頼りに書いてみました。思ったより写真があって驚き。あと自分が持っている写真としたらこんなものが。

2018年9月。青森車両センター

三厩からキハ40で乗ってきた時の1枚。鮮明に撮れた最後の1枚。もうこの色を見ることは叶わないでしょう。789系は北海道で特急「ライラック」としてまだ走っているので、いつか乗って車内の雰囲気などを感じてみたいものです。札幌、旭川、函館、、行きたいなぁーーー……
次行ける時はいつかな。
どんな行程になるかな。
どこに行くのかな。
いくら使うのかな。
俺の旅はいつまでも終わらないな笑

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