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2年前の水曜日頃に思っていたこと

この時期に私は損害保険会社のコールセンターで派遣社員として働いていた。

たぶん仕事の疲れ。
コン詰めてやって集中の糸が切れてイライラしてしまったら終わり。

話がやけに長い方だと面倒ななお客様からの電話を受けてしまうと、最近は妙にイライラしてしまう。なんか疲れる。

そして、ある日はひたすら電話対応しまくる夢を見た。
夢でまでうなされ、夢の中でも仕事をしている。
お客様がお話しする内容をあれこれ聴取していて、「そもそもこれ聴取する必要ないよね」って思って電話をやめたら目が覚めた。
ずっと電話に向かって話す。体力を使う。体力じゃない。神経を使う。

仕事している時間は色んなことに集中していて、うまく仕事ができて周りから感謝されると嬉しいけど、集中していたくせによく分からないミスをしでかして上司や先輩から注意を受けるとマジでへこむ…

数日前には、直属の上司から、軽く直接雇用の話を持ちかけられた。おそらく私の能力が高いからとかいう理由ではなく、会社の離職率が高いもんだから人員が足りなかったのだろう。

だが、この世界にそのまま安住してはダメだと思ったし、この会社でこれ以上がんばったとしても限界があるなあと前々から思っていたこともあり、直接雇用の話はやんわりと上司に断った。

いまは別の職場で多少の文句を言いつつも働いているが、このコールセンターで派遣社員のままでいなくてよかった。そして、直接雇用のスタッフにもならなくて本当によかった。

風の噂で聞いたが、私たちが派遣社員として働いていた部署は今年3月末をもって解体となり派遣社員は3月末に契約を打ち切られることになったそうだ。

それに今年は新型コロナの感染問題もあった。直接雇用のスタッフになったとしても、一つの部屋に何十人も敷き詰められた三密必至な空間で仕事をしないといけなかった。

こんな通気性の悪い空間で、新型コロナウイルスだけでなくインフルエンザとかよく分からない感染症に罹るリスクが高いのは本当に困る。

仕事よりも命優先主義なので、本当にこの話は受けなくてよかったなと思った。

それに私に直接雇用をすすめてきた上司は、どこかの地方へ転勤になったらしい。

直接雇用となった後に、相談相手というか、派遣社員で働いていた頃の私を知る人がいなくなっている状況なら、万が一自分が孤立する状況下になった時とかいざという時に心寂しかったかもしれない。

それに、前々からコールセンター側とお客様側とでの互い違いから生まれる事象にイライラすることが増えた。

何度もフリーダイヤルにかけてきて、「さっきの〇〇さんはいますか?」と電話をかけてくる男性。
「この回線はフリーダイヤルですので、電話に出た者が対応することになっております」
「そんなの知るか!いいからさっきの〇〇さんを呼べ」とキレられ、
「だから〇〇って誰だよ…しるかボケ」と内心思いつつも、「申し訳ございません。フリーダイヤルですので、全国各地のコールセンターにつながっております。また、〇〇は複数人おりまして、どちらの〇〇とお話しされたかわかりかねます」なんて回答した。

私の経験上、だいたいのお客様はこれで納得してくださるが、中には納得できない方もいらっしゃり、前に担当した方が電話をつなげる状態であればつないだこともあった。

それでも前に担当した方が別の電話に対応していれば代わりに私が対応するしかないので、「〇〇は別の電話に対応しておりますので、代わりに私が承ります」と言い、何とかしてお問い合わせ内容などを聞き出した。

コールセンターの内部におれば、フリーダイヤルに電話をかけたら全国複数箇所にあるコールセンターのオペレーターにランダムに繋がる仕組みだということがわかるが、電話をかける立場であればそこまでコールセンターの内部事情まで想像が及ばないだろう。

私もコールセンターの仕組みをわかっていなかった頃、「さきに対応してもらった〇〇さんに繋いでください」と言ったら、同じ職場内の人だからすぐに電話交代できるもんだと思っていた。

全国各地にコールセンターが建てられている今、東京からフリーダイヤルでかけた電話が沖縄のコールセンターに繋がっているなんてこともある。

コールセンターの対応が悪いと電話口でおっしゃるお客様がいらっしゃったが、それもコールセンター側とお客様側とで互いの状況認識に差が開きすぎているからであろう。

コールセンター側もクレームを出さないようにあれこれ上層部が知恵を絞り出してがんばっているようだが、電話を受けるスタッフの受電回数のノルマを増やしたり、スタッフの電話対応を別のスタッフが聞いてミスを指摘させたりと、お客様視点で考えるというかスタッフを縛り付けることばかりしていた。

肝心のクレームはというと一向に減らない状況だったそうだ。

このあたりから、コールセンターでの仕事へのモチベーションも無くなってきていたことを思い出した。



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