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電話中に悩む人々とコールセンターで働く人々

私は某損害保険会社のコールセンターで派遣社員として1年ほど働いていたことがあったが、色んな出来事があった。
私の所属していた部署では、事故や被害があったお客様からの保険請求の電話を受付するところだった。
この期間中、電話中に出会ったお客様の中に下記のような方々がいらっしゃった。

①電話中に保険請求するかどうか悩む人。
②請求したところで等級が上がって保険料が高くなる心配があるかどうか気にする人。
③請求しても後にキャンセルできるか心配する人。
④契約住所を変更するかどうか悩む人。

(引越しとかではなく単身赴任で、自宅から遠く離れたところに居住しているとか)


電話する側として、内容によっては電話中にすぐに決められなくて悩むことだってある。
電話する前に向こうから尋ねられることを想定しておいたら、まだスラスラ質問に答えられるが、想定外のことを聞かれたら、すぐに答えられないこともある。

だが、コールセンターで電話を受けていた側だと、同じような電話の内容を耳にすることが多い。
何度もこのような電話を対応していると、
お客様がすんなり回答してくれないことにイライラしてしまう時もあった。

イライラしてしまう要因としては、もう一つあった。
私が働いていたコールセンターでは、オペレーター側は一つ一つの電話にかかる時間と電話内容を記入する時間を会社から測られており、この時間が長いと上司から個別に注意を受けることもあった。
お客様側だと、そんな内部事情は知らない。
オペレーター側は失礼なことを言って苦情を言われないように気をつけないといけなかったし、
それに私のいた会社では社内成績にも気をつかっていないといけなかったので、気をつかう場面が多かったように思う。
それと、派遣社員として働いていたら、派遣先の会社だけでなく派遣会社からも成績のことに関して手厳しいことを言われることもあった。

オペレーターになって間もない頃であれば、受ける電話の一つ一つを新鮮に感じていた。
だが、数ヶ月経つと仕事に慣れてきて電話内容を聞いても新鮮味が感じられなくなる。

保険請求の受付の部署では、電話で話す内容のマニュアルが決められていて、やることの大筋はほぼ毎日一緒。

保険請求希望のお客様から電話がかかってきたら、証券番号などをお聞きしてお客様の保険契約を特定、事故内容を聴取、保険請求書類の送付先を確認。基本的にこの内容の電話ばかり受け、時々違う内容のものがかかってきたら適切な部署の連絡先をお客様に教える。

電話一本の平均時間は12〜13分。
1日7時間勤務で、平日月曜から金曜まで行う。
1時間の昼休憩は確保されていたし、もちろん仕事中に自分のタイミングでトイレ休憩などをとってもよかったが、休んでばかりもいられない。
上司からはノルマの強制はなかったものの、1日の勤務時間中に20〜30回電話を取ることを目指すように言われていた。
すんなり終わるものもあれば、内容が複雑なものもあったりして、ノルマを達成できた日もあれば達成できない日もあった。

だけど、聞いた話によると、コールセンターの中にはこれ以上にノルマがもっと厳しいところもあるらしい。

また、苦情関係の電話とか自分の力だけでは対応が難しい時は、上司に電話を代わってもらうこともあった。
ちゃんとお客様のご要望を聞いて電話を無事に終えた上司を見て凄いなあと思ったが、
何度もこういう電話の対応をしていたら精神的な疲労もひどいのだろうか。

仕事中はハイテンションなのに休憩時間はひどく物静かな人もいれば、
休憩時間のたびに喫煙所に直行する人もいたし、ひたすら顔を伏せて寝ている人もいた。
仕事中は電話でずっと話しているから、
喉は乾くし、口周りの筋肉をつかった気もする。

普段そこまでお喋りの人でなければ、
あの喋りすぎた時に感じる、運動したかのような独特の疲労感を感じるかもしれない。
休憩時間の時ぐらい、何も喋らずに静かにしていたいのもわかる。

コールセンターの中で働いたことで、オペレーターの日々の努力や苦悩を身をもって知った。
コールセンターへ電話する時でも想定される質問に対しては回答できるように最低限準備しておこうと思うようになった。
それと、時間にも余裕を持って電話をかけようとも。


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