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めぐるめぐるよじだいはめぐる

「森の中の工場」
3代目社長はそんな会社にしたかった
木工ドリルが好きで
木工ドリルで人々の生活を明るく照らしたいと思っていました
無茶な注文も多かったけど
いつも木工ドリルでわくわくすることを探していました



三匹のこぶた

子供の頃三匹のこぶたという絵本を読みませんでしたか?
こぶたたちが藁の家、木の家、レンガの家をつくります
物語の中では、藁の家と木の家はオオカミに吹き飛ばされてしまい、最後に残ったレンガの家で3匹で仲良く暮らします
丈夫なのはレンガの家なんですよね
ただ藁の家と木の家は壊れやすいかもしれないけれど、自然のものを使って出来たものは自然に還りまた新たなカタチとなって蘇ることができるという考え方もできます

自然との共存

縄文時代の人々は木と土や植物を使って住居を構えました
今でも土壁や藁葺き屋根の建物は残っています
日本は自然と共に生きてきました
春夏秋冬という四季があるのも日本の特長でもあります
しかしいつしか自然界の生態系は狂いはじめ
四季の移ろいは穏やかなものではなく
夏の暑さと冬の寒さが厳しく長いものとなりました
花粉症などのアレルギーに悩む人々も増え
文明の利器は発達しましたが
ある意味生活しづらい面も増えてきたように思います
SDGsの取組みなども行われているけれど
昔の方が自然とうまく調和した生活が出来ていたように思います


時代の流れとともに自然界だけでなく
住居の建て方も変わってきました
木造の家屋だけでなく、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の高層マンションが建つようになりました
そしていまや3Dプリンタで家ができる時代です
木造住宅も現場で大工さんがすべての加工を行うのではなく
プレカット工法が増えてきました
そうなるとこれまで現場で大工さんが行っていた木工用ドリルを使った「穴あけ」も昔ほど多くはないでしょう
人口が減ってきているのだから住宅着工件数もこれから増えることはないでしょう
建築物は住宅から非住宅へと変わっていきつつあります
スターエムでは現場で使う「木工用ドリル」
プレカット工場で使う「機械用ドリル」
どちらも製作しています
使う場面が少なくなっても、建てるものが変わっていっても「穴あけ」という需要がある限り、私たちの役割は「いかに良い穴あけができる木工ドリルを供給できるか」そこにあるのだと思っています

いま再び注目されている

そんな中、今「木」にスポットライトがあたっています
住友林業は、2041年に、350mの木造超高層建築を目指す研究技術開発構想を発表しました
国立競技場には、軒庇に47都道府県の木材が使用されました
大阪万博では会場のシンボルとなる木製リングがつくられます(色んなご意見はあるようですが)
木造建築、そして木造建築の高層化が今注目されています
木造建築の柱となる木の中心に穴をあけて中に鉄芯を入れることがあります
これまでもスターエムでは木材の中心に穴をあける「芯抜き加工」を行ってきました
例えば高野山開創1200年記念大法会の行事のひとつに伽羅中門再建事業があり、その中門となる木材に芯抜き加工をさせていただきました
外からは見えることのない穴ですが、私たちの技術がお役に立てたことは嬉しいことです
これから先、「木」が利用されるにあたりスターエムがお手伝いできることがあるかもしれません
穴あけでお困りのことがありましたらぜひお問い合わせください


スターエムという木工ドリルメーカーの名前は地図には残らないけれど、技術を用いて建てられた建築物は地図にも、人々の記憶にも、後世にも残るかもしれない
そう思うとわくわくしてきます

かつて建築物は自然のものでつくられていた
いま、再びその時代が巡ってきたのかもしれません
そして自然のものを利用していくことで
自然界の生態系にも少しずつでも変化が見られたら、未来はほんの少し明るくなるかもしれません