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【2022年】中小企業の経営実態と新たな取り組み

左建外易(さけんがいえき)
→ 道理に背くやり方で勢力や権力を増すこと。

企業は利益を生んでいかなければ勝ち残ってはいけない。

2019年末から新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界は大混乱を招いた。

そんな中、新たな利権も生まれており、421万社あるといわれている日本の企業の中で99.7%を占める中小企業の実態はどうなっているのだろうか。

2022年も残すところ1ヶ月を切ったタイミングで、しっかりと状況をまとめておこうと思う。

新型コロナウイルスの影響について

2022年版中小企業白書によると、新型コロナウイルスの影響で中小企業の業況判断DIは、2020年4月から6月期にリーマンショック時を下回る水準まで急激に悪化したと報告されている。

2021年からは持ち直しの動きも見られるが、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年の水準には届いていない。

また、2022年においても業況判断DIはマイナス20値水準で推移しており、依然として厳しい状況にある。

実際、2022年2月時点において、73.8%の中小企業は影響が継続していると回答している。

企業の倒産件数は、2009年以降は減少傾向で推移していたが、2021年はコロナに関連する補助金等の資金繰り支援策などの効果もあり、6,030件と57年ぶりの低水準となった。

一方で、新型コロナウイルス関連の破綻件数は、2021年の9月から4ヶ月連続で月別件数は過去最高となっている。

2022年1月時点の倒産件数は153件と依然として高い水準にある。

それから、2022年1月時点において、依然として人手不足の状況が見られる。

従業員過不足DIを見ると、2009年をピークに総じてマイナス方向に転じ、全ての業種において人手不足と答えた企業の割合が上回っている。

特に建設業において人手不足感が顕著に現れている。

2020年以降は新型コロナウイルスによる雇用に対する懸念や出会いの場の喪失といった、出生意欲をさらに押し下げる状況が続いているという見方もできる。

この影響により出生数はさらに下振れすることが懸念されており、 将来的な人手不足に繋がるという見解もある。

雇用条件については、最低賃金は2022年において継続的に引き上げられているのが現状だ。

2020年のコロナ禍においては最低賃金の引き上げは抑制されていた傾向にあるが、2021年度は過去最高の引き上げ額となっている。

コロナ禍における事業再構築

上述したとおり、多くの小規模事業者の2021年の売上高はか新型コロナウイルスが蔓延する前の水準に戻っておらず、いまだ厳し い経営環境に直面している。

業種別にみると、宿泊業と飲食サービス業は2019年の売上高の75%にも満たない企業が半数以上となっている。

そんな感染症の影響が大きい宿泊業と飲食サービス業で事業再構築が行われており、代表的なのがデリバリーを含めたテイクアウトやキッチンカーなどの取組みだ。

その他の業種でも様々な事業再構築が実施されており、既存の市場に既存の商品やサービスを提供する市場浸透において、具体的な取組みは下記のとおりだ。

  • 情報発信の強化:40.8%

  • 商品やサービスの向上:38.9%

それから、市場浸透に次いで多かった取組みが、既存市場に新規の商品やサービスを提供する新商品開発となっている。

その中では、新型コロナウイルスに対応した商品サービスの導入やバリエーションの多様化への取組みが行われている。

そんな事業再構築において、売上面での効果を実感する企業も登場している。

また、既に効果が出始めていると回答した企業は、2020年12月以前に事業再構築を行った企業のうち43.3%、2021年1月移行に事業再構築を行った企業のうち21.1%となっている。

事業再構築に取組む企業にとっては、売上面だけでなく、既存事業とのシナジーが38.5%、従業員の意欲能力向上が26.7%とプラスの効果が働いているというデータもある。

企業の成長を促す経営力強化のポイント

企業の成長を促す方法として、有形資産投資や労働力の確保が一般的には挙げられることが多い。

そこから、ITや研究開発への投資をはじめとする無形資産投資をする企業も増えている。

簡単にいうとITをもっと取り入れていくということで、最近のバズワードでいうところのDXといったところだろう。

つまり、無形資産投資は、人材不足が叫ばれている現代でイノベーションをよりもたらす経済的特性から注目を集めているのである。

それから、無形資産投資の1つとして忘れてはいけないのは、ブランド構築である。

ブランディングやマーケティングという言葉に集約されていくのだが、オリジナルの付加価値を有し、適正価格をつけられる価格決定力を持つことを目指すのである。

ブランドの構築および維持に取組むことで、取引価格へ寄与していると回答があった企業は55.9%に及んでいる。

具体的な取組みとしては、顧客や社会へのメッセージの発信というのが、48.8%と最上位にある。

自社ブランドの立ち位置の把握、ブランドコンセプトの明確化といったところに注力している企業も増えている。

さらに経営力強化のポイントとして重要なのが、人的資源への投資だ。

中小企業が重視する経営資源はヒトであり、従業員の仕事に対する意欲向上の観点からも従業員の能力開発に取組むことは重要なのである。

実際、中小企業経営者の82.7%が人材を経営課題に挙げているというのが現状だ。

そして、従業員の能力開発に積極的に取組む企業においては、従業員の仕事に対する意欲が高いことがデータから明らかになっている。

従業員の能力開発の代表的なものとして、OJTとOFF-JTがある。

OJTとは、On The Job Trainingの略称で、上司や先輩が新入社員や経験のない後輩に対して、実務を通じて業務に必要な知識や技術を身につけてもらうように教育することを指す。

一方で、Off-JTとは、Off the Job Trainingの略称で、日常業務をおこなう職場から離れ、外部講師を招いて実施する業務研修のことを指す。

Off-JTは基本的に座学が中心で、例えば、入社5年目の社員向けにキャリアアップ研修を実施したり、特定の業務に携わっている社員に専門的な研修を受けさせるといった具合いだ。

OJTが新入社員が先輩や上司に教わりながら職場で実際に業務を行って仕事を覚えていくのに対して、手厚い印象だ。

人材不足の現代社会では、早期に業務理解を深めたり、戦力化したりすることを目指すOJTが中心となる中小企業が圧倒的に多いはずだ。

ただ、Off-JTを実施している企業と比べると、売上増加率に3%程度の差が出ているという統計もあり、Off-JTを取り入れようとしている企業も増えている。

Off-JTを実施することで企業としてはコスト負担は避けられないこともあり、このあたりのバランスの取り方が重要になってくるだろう。

まとめ

新型コロナウイルスの影響も少しずつ落ち着いてきていることは、月の約半分ずつを東京と広島で過ごしている私からするとよくわかる部分がある。

それは空港に人の多さが戻っているというところだ。

日本人のみならず、外国人も増えてきていることを実感しており、とてもいい傾向だと思っている。

海外へも行きやすくなってきていて、中小企業もいよいよ新型コロナウイルスの影響を言い訳にできなくなってきている。

stak, Inc. もいろいろと仕掛けが始まっていて、2023年に向けて日々様々な打合せがくり広げられている。

大切なことは打合せをすることではなく、確実に行動を起こして1つでも多くの成果を出していくことであることは百も承知である。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。