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小学生・中学生の頃の、 道徳や学活の時間。 "これまでの人生を振り返ろう" という簡単な問いに、 私は答えられなかった。 その度に現実を突きつけられた。 "自分"が分からない。 何もかも分からない。 "あすか" 私にとって何の意味もない この3文字或いは音の羅列は、 文字通り意味もなく 私を苦しめた。 いつからか、 どこにも見当たらない幼少期の記憶は 誰かが盗んでいったんだ、 そう思いはじめた。 だとしたら怪盗を捕まえて、 死ぬまで殴ってでも取り返す。
それから私は、 ほぼ毎日この公園に来て、 奈々未に魔法のことを教わった。 奈々未:それでね、あなたの"ラプソディ"は「愚者」なんだけど、今存在する魔術師のうち、多分1人か2人しかいない。 飛鳥:は?その1人が私? 奈々未:良かったじゃん、カッコいいじゃん。選ばれし者って感じで。 飛鳥:最悪…目立ちたくないんだけど。 奈々未:どーせすぐに目立つよ、あんたの能力なら。 私は手の平の紋章を見て、 道化師の顔を見る。 コイツが「愚者」 文字通り、 愚か者という意味。
入学式。 真っ黒な制服に身を包んだ生徒たちが、 校内の講堂に集合している。 生徒:我々新入生は、伝統あるオラクル高校の一員として… 新入生代表が挨拶をする中、 私は周りの生徒たちを見渡す。 奈々未が言うには オラクル高校は500年近い歴史を持つ、 反転世界における日本の 超有名校の1つ。 統治機構の役人や名家の子ども、 とにかく優秀な生徒が集まる。 ただしどれだけ頭が良くても、 "能力"がなければ合格できない。 純粋に魔術師として強く、 将来が約束された者の集
まだ未熟な体には 少し大きめな白銀の狙撃銃を、 蓮加は堂々と構え スコープを覗く。 蓮加:お父さん、こう? 天晴:そうだぞ〜。そしたら、肩の力を抜いて深呼吸するんだ。 蓮加は言われた通りに、 リラックスしながら 銃口を的に向ける。 大きく息を吸って、 息を細く吐きながら 意識を集中させる。 天晴:…打て。 息が無意識的に止まった瞬間、 軽くトリガーが引かれ 銃弾が放たれる。 … … 轟音が響くとともに、 200mほど先の的がはじけ飛ぶ。 蓮加:…当
これは、 私が中学生の時の出来事。 私は将来を迫られていた。 父親:"史帆"、お前はこの先どうするつもりなんだ? 史帆:どうするも何も、分かんないよ。未来が見える能力なんて持ってないし〜 そう言うとお父さんは、 声を荒げる。 父親:またそうやって、まだまだって何もしないつもりなのか!? 母親:ちょっと…言い過ぎですよ。 父親:言い過ぎ?どこが。こいつはまだ何も成し遂げてないくせに、いつも挑戦しようとしないじゃないか。 史帆:わお、そんな言うんだ… 父親:その