Staccato@妄ツイ
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アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第100話
"ここで速報です"
"女優で元アイドルの山下美月さんが
一般男性との交際を公表しました"
◯◯:美月さんが交際宣言かぁ、知ってた?
蓮加:うん、なんかそういう話は聞いてたよ。
朝のニュースから、
花咲く何気ない会話。
買い替えどきの眼鏡をかけて
寝癖のまま朝食を頬張る俺と、
完璧なメイクと服装に
外出準備が整っている蓮加。
◯◯:周りはもう、そういう時期且つお年頃ですか…
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第20話
俺と蓮加さんが顔を赤くし、
会場内が静まり返る
カオスな状況。
蓮加:…
聖来:そんなに蓮加が言うならなぁ?
美月:撤収〜
祐希:もっとなでなでしたかった…
麻衣:はいはい、そろそろみんなご飯食べよ?
メンバーたちが
それぞれの席に散っていった。
◯◯:あの、蓮加さん…
蓮加:わ!…わ、私も席につかなきゃ。
蓮加さんは隣の席に座ると、
俯いたっきり
喋らなくなってしまっ
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第19話
歓迎会が始まり
ちょっと経ち、
聖来:なぁ、
蓮加:うん?何?
聖来:ホンマに"あの子"が、蓮加の「彼氏」なん?
飲み物を注いでいると、
聖来に話しかけられた。
蓮加:そうだよ?
聖来:でも、見た感じパッとせぇへん子やろ?
真佑:それちょっと思った〜。
何故か
内心ムカついた。
◯◯くんを
悪く言われてる気がした。
蓮加:2人とも…その言葉覚えときなさいよ?
聖来:何
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第18話
翌日、月曜日の放課後。
俺と遥香は高級ホテルの
エントランス入口にいた。
◯◯:ヤバいな、何もかも規模が凄すぎる。
遥香:だね…
◯◯:よし、入るか。
遥香:…待って!
◯◯:ん?
遥香:◯◯がデレデレしないように、おまじない。
そう言うと遥香は突然、
俺の頬にキスをしてくる。
◯◯:なっ…
遥香:はい。じゃあ行こ?
…
…
エントランスホールに入ると、
遥香:綺麗
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第17話
日曜日、
俺は"蓮加さん"と
いつも通りご飯を食べ、
課題をこなしていた。
蓮加:ねぇ"◯◯くん"、◯◯くんって頭良いよね?
◯◯:急にどうしたの。
蓮加:私バカだからさ、この問題分かんなくて。
蓮加さんが提示してきた問題は、
かなりレベルの高い
数学の問題だった。
◯◯:ねぇ、前回の12教科のテスト、合計何点か聞いても良い?
蓮加:引かないでね?…1065点…
◯◯:頭良
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第16話
朝食後、
俺と岩本さんは、ソファに座って
コーヒーを飲んでいた。
密着せず、
そこまで間隔を空けず。
俺と岩本さんの距離感は、
心理的にも物理的にもそんな感じ。
◯◯:今日、何か用事ある?
蓮加:うーん、用事はないんだけど…
岩本さんは、
俺の顔をずっと見つめる。
蓮加:家にいる時は、私に"顔"見せて?
◯◯:え?
蓮加:だって…見たいもん…
◯◯:…
確かにお互い親
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第99話
蓮加:お疲れさまでした。
午後9時くらい。
お仕事が終わって
スタッフさんたちに挨拶をしながら、
楽屋から荷物を持って
テレビ局の建物の出口へ向かう。
ありがたいことに
"乃木坂"を卒業した後も、
テレビやドラマのお仕事を
忙しいくらいに貰えている。
最初の頃は自分のことすら
何も手が付けられないほど、
食らいついていくことだけに
精一杯になってしまっていた。
最近は自
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第15話
お互いの話をしていたら、
すでに夜遅くになっていた。
◯◯:じゃあ、明日土曜日だけど、夜遅いしお風呂入って寝よっか。
蓮加:うん。
◯◯:明日の朝ごはん、どうする?
蓮加:む、もう忘れたの?…私、作るよ!
ちょっと唇を尖らせる
岩本さん。
◯◯:そっか、じゃあ楽しみにしてる。
蓮加:ありがと、お風呂入ってくるね。
◯◯:うん。
岩本さんはお風呂に向かった。
ーーーーーー
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第14話
中2の冬、
私は「乃木坂46」のライブを
会場で見ていた。
終演後、
アリーナから出てゲート前で
帰りのバスの時間を検索していた。
すると、その時の私にとって、
思いもよらない出会いがあった。
??:あなた、可愛いじゃない。
蓮加:えっ?…わ、私….ですか?
私に話しかけてきたのは、
スーツで身を包み
サングラスをかける女性だった。
??:あなた「アイドル」になってみる?
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第98話
週末、
ある場所に居た。
男女ともに分け隔てなく
大きな会場内で一致団結して熱狂、
数多の視線が集まるステージには
同じ衣装を着た3人の"アイドル"。
最高のエンタメを提供する、
そんな現場の関係者席に居た。
「乃木坂46」という古巣から
自立した3人のメンバーは今や、
その古巣すら脅かすほどの
名実を獲得していた。
…
…
ライブの後、
メンバーから直々に
お呼び
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第97話
蓮加:…来ちゃった。
◯◯:いや、"来ちゃった"じゃなくて、
インターホン越しには
元アイドル彼女、現女優の、
「岩本蓮加」
間違いない。
蓮加:もし良かったら、久しぶりに話さない?
◯◯:…
蓮加:◯◯くん?
◯◯:あ、あぁ…ちょっと待ってて。
考えることを放棄した
空っぽの頭なりに全力で、
共用スペースのオートロックの
玄関まで走って向かった。
昼間からより一層激し
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第96話
大学に入学して、
だいぶこの生活に慣れてきた。
というか1年半程度の時間を
大学生として過ごしてるわけだし、
当たり前と言えば当たり前。
大学2年の夏
じめじめした空気の中、
キャンパスの中でずっと過ごし
講義をこなしていく毎日。
暇だとかそういうことではなく、
講義の内容は実力相応だろう。
でも"大事な歯車"をなくしたように、
どこか淡泊で憂鬱。
別に、大学生活を楽しも
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第13話
その後、
俺と遥香がいじめ相手を
申告しなかったこと、
両親も処罰の実施に
合意しなかったこともあり、
いじめの事実はなかったことに。
俺と遥香は、
"不登校"になった。
教師達も今後、
不登校での卒業を認めてくれた。
…
…
それから俺達は、
お互いの家に行き来し
一緒に受験勉強しあうようになり、
今までよりも
"親密"な関係になった。
◯◯:遥香、受験する高校
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第95話
蓮加と別れてから
半年くらい経った頃、
白い息を吐いて
出かかった鼻水を啜りながら、
志望校への道を最寄駅から歩くのは
何だか面白い経験だった。
他の生徒と道を譲り合いながら、
たまにぶつかりそうになっては
知らない者同士で会釈を交わしたり。
"他人"にとにかく優しく、
"身内"にめっぽう厳しい。
日本人の社会というのは、
そういう側面があると思う。
ある意味、それは残酷
アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第12話
いじめが続くある日、
体育の授業のために
階段を降りていると、
後ろの方から大きな音がした。
俺が慌てて後ろを振り返ると、
踊り場に遥香が横たわっていた。
◯◯:え…!?賀喜さん!大丈夫!?
俺は階段を昇り
遥香に駆け寄った。
遥香:痛ったぁ…
階段の上を見ると、
1軍女子達の姿があった。
遥香を後ろから
突き落としたのだろうか。
俺の姿を見るや否や、
女子達はどこか
メンヘラ婚約者が俺を狂わせてくる。 第10話
◯◯さんの誕生日の翌日、
仕事の帰りに寄り道。
週末は営業しないケーキ屋さんに、
臆さずいざ突撃。
プレゼントは"一緒に"選んで買おうと
◯◯さんが提案してくれましたし、
当日は日曜日で
この店のケーキが買えませんでした。
優しい◯◯さんは
とても満足したと言ってました、
だけどその優しさに
甘えすぎてもダメ。
婚約者として
1日遅れではあるものの、
夫に美味しいケーキ