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はじめて小説を書いたときの感覚

 はじめて小説を書いたのは、2020年でした。コロナが流行って緊急事態宣言がでたころです。その年になって自分の体験記のようなものを文章にして、夏には小説という形にしようとして秋頃には完成した覚えがあります。
 作品を書き終えたときのことは、いまでも覚えています。
 そのとき、自分のなかにある新しい世界を切り開いたと感じました。今まで知らなかった自分に出会えたという身体感覚でした。とても、清々しくなりましたし、嬉しかったです。自分はこのことを知りたかったのだとわかると新しい自分の発見になりました。
 それまで、小説をほとんど読んでこなかったし、作品をどう書けばいいかわからなかったのですが、小説の形式のようなものを真似して、それに当て込んで書いていきました。気持ちで書いたものだったと思います。
 内容としては自分の大学生のときの体験を詰め込みました。これは、僕が小説を書き始めた理由にもつながってきます。なので、とても重要な作品でした。
 出来上がった作品をすぐ、友人に読んでもらいました。
僕が小説を書いたことに対して驚いていたようですが、とても面白く読んだといってもらえました。自分にとって大切な友人だったので、その反応をもらえてとても自分も嬉しかったです。

 これが四年前の出来事です。そこから、いろいろと作品を書き始めました。たくさん小説を書いてきましたが、大切なのは、最初に作品を書き上げたときの感覚です。自分が知らなかった世界を見せてもらった作品を創り上げたというのは、これから自分が小説を書き上げるうえで重要なことになります。この感覚をずっと持ち続けたいです。作品を書き上げるつど、これは自分が人生ではじめて書く小説だ、という姿勢を持つことが自分の満足する作品に繋がると思っています。
 これは、なかなか難しいことです。小説も書き方がわかってくると、それなりに作品は仕上がってくるものです。だから、人生ではじめて小説を書くというつもりで作品に向き合うことは簡単にできないものです。でも、そんなときに自分がはじめて人生で小説を書き上げたときのことを思い出すのです。何を書いたらいいかわからなかったり、自分が納得する作品ができなかったとき初心に返るのです。そうすると、満足いくものができると思います。まずは自分が納得するものを創り上げることが前進することに繋がります。
 そこから評価されるかどうかは、また別の次元になってくると思います。なので、はじめて創作を向き合っている人には、そのようなことを意識してもらえるといいかもしれません。またいま創作をしていて納得しないものができないひとは初心に返ると言いと思います。何も知らなかったときの自分に戻る、これが良い作品をつくるコツのような気がします。
 少なくとも僕は自分がはじめて作品を書き上げたときのあの感覚を忘れないつもりです。毎回、初心にもどったつもりで作品に向き合っていきたいです。

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