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ポケモンGOは、疲れ切って飽きまくった子供を宝永山GOさせる

木曜日に、「次の土曜日、宝永山に登ろう」と長男(6)に言ってみた。
日々のランニングで体を動かすことに目覚め始めている私は、家族で唯一付き合ってくれそうな息子をターゲットにしている。
その日は、笑顔で快諾してくれた。その日は…。

登山当日、海底の岩のような顔をした少年が起床してきた。これから行くのは山頂なのに…。
なにやら、あまり乗り気ではなさそう。
「なんか景色すごそうだから行こう」という全く刺さらなそうな弱パワーワードを彼に贈り、なんとか乗車させることに成功。
ときどき最近ハマっているポケモンの話をしながら、富士山のある北へ向かう。

富士山スカイラインを登っていくと、木々の隙間から色違いの富士山が…!
ポケモン大好きっ子は色違いが大好き…ということで、普段見る青い富士山ではなく溶岩チックな赤黒い富士山に大興奮の息子。
明らかに声と顔が明るくなったのを背中で感じる私。しめしめ。

車を降りると少し肌寒い。
トイレを済まし、富士宮口5合目から宝永山第一火口へ。
ゴローンのようなごつごつ岩が至る所にあるので、非常に歩きにくい。
不安定な階段に息子が文句を言い出した。「ちゃんと階段作れやー!」
ここで不機嫌になるとまずいと思い「イシツブテいるかなー」とポケモンネタを出してみるが、「いるわけないだろ!」とキレられる…。
グミで餌付けしたり、景色の話をしたり、あの手この手でご機嫌取りを楽しみながら、なんとか宝永山第一火口に到着。

ド迫力の火口

うん、圧巻。マジですげえ。異世界。
普通に親子ともども感動しまくり、明らかに辛そうな道のりが目の前に見えていたが、話し合いの末宝永山山頂(写真右上)まで行くことに。
ルートとしては、一度火口まで下り、そこから山頂まで一気に上がるというものだ。
写真中央の勾配のキツさしか感じない通路を歩いたのだが、この時は家のソファで横になりミックスナッツとおしりをかじる自分を想像して現実逃避しつつ、右足と左足を交互に動かすことしかできなかった。
休憩の度に「帰ろう」「どこまで行くの」とぼやく息子に、「このポケモンは次に何に進化するのか」という知識ひけらかし欲を満たす質問をし続け、なんとかこの急勾配通路をクリア。
ゴールに近づくにつれ緩くなる勾配に「最後楽勝だな!」と二人で吐き捨てながら軽快に歩き、ついに頂上へ。

宝永山頂で景色を楽しむ人々とポケモンGOを楽しむ息子

お互いを称え抱き合った後、息子は備え付けのベンチに鎮座し無言で右手を差し出しました。
(パパ、ポケモンGO)
大好きなじゃがりこを貪りながら、ポケモンGOを楽しむ。
そんな家のソファでもできる行為が、嫌がる息子を宝永山山頂まで導いた。
奇跡のような、親子の絆と登山の素晴らしさを表すエピソードでした…どこがや…

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