棚卸資産について考える
こんにちは。会計グループの吉田です。
今回は棚卸資産の評価についてのお話です。
<実地棚卸>
棚卸資産とは、商品や製品など、企業の売上を生む元となる資産のことを指します。
このため、企業が保有する資産の中でも特に流動的な資産であるといえます。倉庫への受入や払出など、その都度数量などを記録していくことになりますが、これとは別に期末や月末など一定のタイミングで現在の棚卸資産の状況を確認する必要があります。
これを、「実地棚卸」と呼びます。
私は学生時代飲食店でバイトをしていたのですが、年末の31日の17:00時点における店内の全食材の数量確認を社員さんとしたことがあります。「このサラダ用野菜は残り0.4袋分だと思います!」みたいな感じで。
24時間営業店舗だったのでその間にもお客さんは入ってきますし、せっかく数量数えても注文が入ったら提供しないといけないし・・・とかなり大変だったので、年末はそれきりシフトをいれませんでしたが・・・。
<棚卸資産を評価する>
棚卸資産の金額は、数量×単価で計算できます。先ほどの実地棚卸は数量の調査のために行いました。
では、棚卸資産の単価はどのように考えるのでしょうか?
常に100円で仕入れている商品があったとして、その仕入価格が一切変わっていないのであれば、その商品の単価は100円です。
では、仕入価格が一定でなかった場合はどうでしょうか?
例えば、最後に仕入れたときの単価を採用する最終仕入原価法というものがあります。
他には、先入先出法も有名かなと思います。先に仕入れたものから払い出していくと仮定し、残った商品の単価は最後のほうに仕入れた金額とする方法です。少し最終仕入原価法に似ていますね。
こういった方法を使うと、棚卸資産の金額に最近の時価水準を反映することができます。
ただし、棚卸資産の金額を決定するということは今期の原価額を決定するということでもあり、売上のタイミング次第では「売上は期末あたりの時価水準」、「原価は期首あたりの時価水準」といったギャップが生まれる可能性もあります。
売上-原価で利益を出すわけですが、この利益が純粋な売買利益だけでなく、期首~期末まで商品を寝かせておいたことによる損益をも含んでしまう可能性があるんですね。
<おわりに>
棚卸資産の金額をどうすべきか、というのは企業ごとに扱う商品・製品が違いますので一概にこれが正解だとは言い切れません。
なるべく実態に近い金額を貸借対照表や損益計算書に反映するために、認められた範囲でそれぞれの方法を採用しています。
ご自身の会社や気になる企業がどのように棚卸資産を管理しているのか、ぜひ調べてみてください。
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