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家具選びのポイント、注意点

みなさんこんばんは!
インテリアデザイナーのSHOKOです。

今回は家具選びのポイントや注意点をご紹介します。
こちらの記事は、一般の方にもプロの方にも役立つ内容でお届けしたいと思っています。自分で購入する場合あるいはプロに依頼する時にも役に立つので是非参考にしてください。


①素敵な家具が欲しい!まずはどうする?

みなさんが家具が欲しい理由は何ですか?

ー リビングに家族で寛げるソファが欲しい
ー オフィスの受付に高級感のあるラウンジチェアやアートを置いて来客を出迎えたい
ー 新しく開店するレストランのテーブルや椅子を揃えたい

個人か企業か、ご家庭用、オフィス、ホテルなどの用途によっても欲しい理由に違いがあると思います。

家具が欲しいけど、どんなものがいいかイメージ湧かない・探し方が分からない・いつも同じメーカーを見てるなど、何からやればいいか分からず困ったりなんとなく同じメーカーばかり見てるなど色々な方がいらっしゃるのではないでしょうか。

なかなかお気に入りが見つからない、変化をつけたい方、まずは下記を試してみましょう。

1.イメージ探しと予算を決めよう

椅子一脚であれば探すのは時間はかからないかもしれませんが、例えば新築物件で家具一式揃えたいとなると種類の多さに戸惑ってしまうかもしれません。

当事務所に依頼頂ければ予算に合わせたイメージ集めからご提案が可能ですが、まずは自分で探してみたい!という方は下に示す方法を参考にしてみてください。

  • SNSでイメージを探す(Instagram, Pinterestなど)

用途を限定せずに色々と見てみたい場合におすすめ。好きなイメージを保存しよう。Pinterestは英語で検索した方が好きなイメージがヒットしやすい。

  • 雑誌から探す①(モダンリビング、Casa BRUTUS、ELLE DECOR、I'm HOME など )

マイホームの家具を探すならこの辺りから探すのがおすすめ。家具以外もアートや照明、部屋の雰囲気も分かるので◎

  • 雑誌から探す②(商店建築、WORKSIGHT)

前者はホテル、店舗など商業系の詳細が載ってます。後者はコクヨがまとめているオフィスデザインの雑誌です。これはプロ向けの雑誌で、空間メインのものなので、プロの方や前項で物足りないという方におすすめです。


2.家具を探そう

欲しい家具のイメージが決まったら早速探してみましょう!
お客様ご自身で購入する場合とプロが探す場合と分けて紹介します。

◇お客様ご自身で購入する場合◇

  • 家具取り扱いの多い商社のサイトを見る
    色々な家具メーカーの取り扱いがある商社には一般の方が購入可能なところがあります。ここでは私も仕事の時によく見るECサイトをいくつかご紹介します。

    [FLYMEe]
    様々な価格帯の家具や照明の取り扱いがあります。カテゴリーごと、メーカー、テーマや場所に合わせてなど色々な検索が可能です。


[MAARKET]
オフィス設計やオフィス家具の輸入販売を行っているinter.officeが運営しているECサイトです。輸入家具の取り扱いが豊富です。

[yamagiwa]
今年で創業100年を迎える照明専門会社、yamagiwaが運営するECサイト。
照明の取り扱いはもちろん、家具や小物の購入も可能です。

上記は多くの家具メーカーの取り扱いがあるので、色々見てみたい方におすすめです。

  • お気に入りの家具メーカーのHPを見てみる
    お気に入りの家具メーカーが既にある方は、メーカーHPから探す方法もあります。前述の商社ECサイトは家具メーカーの商品すべてを掲載していない場合もあるので、ECサイトでお気に入りの家具を見つけたらそのメーカーHPを見てみるのもおすすめです。

  • 家具セレクトショップに足を運ぶ
    家具に詳しいスタッフやインテリアコーディネーターがいる家具セレクトショップに足を運ぶのもおすすめです。

  • ヴィンテージ家具ショップに足を運ぶ
    新品よりもアンティーク家具が良いという方はヴィンテージ家具ショップに行くのもあり!一般の方から引き取った家具を補修して販売するショップや、海外に買い付けに行くショップなど様々。
    一点ものの場合もあるので実物を見に行って購入するほうが良いと思います。

◇インテリアの専門家に依頼する場合◇

当事務所などインテリアの専門家に依頼する場合はどの様な時でしょうか。ご自身で選んで購入されるか迷ったときに下記を参考にしてください。

  • 購入したい家具が沢山あるとき
    2,3点なら良いですが十種類以上または数十種類となると選ぶのは根気がいる作業となります。多すぎて選びきれない場合は専門家に相談してみましょう。

  • こだわりの家具を選びたいとき
    上質で最高品質の家具を購入したい、避暑地の別荘地用に購入したいなど家具にとことんこだわりを持ちたい方。

  • オフィス移転などで家具一式を揃えたい
    不特定多数の方が訪れるオフィスロビーやラウンジ、会議室、執務エリア、食堂など様々なエリアの家具一式を揃えたい場合。

    新築や改修時はその時に担当される設計者に家具選定などを依頼することが出来ますが、居抜きオフィスの場合は家具を揃えなければならない場合もございます。

    新築の場合でも、建築設計者や工務店によっては家具選びが不得意な場合もあります。そのような場合もインテリアの専門家に相談するのがよいでしょう。


プロに依頼する場合は選定、発注、現地納品設置まで行うときと選定と発注のみで設置はお客様が行う場合(あるいは配送業者)がございます。ご依頼頂く状況によって変わるので当事務所ではお客様の状況に合わせて柔軟に対応をしております。


②家具選定の注意点

家具を選定する際に注意する点がいくつかあります。ここを見落としていたばかりに大失敗をする場合も。購入したのに想像と違った、ということを避けるためにも家具購入前にしっかり確認をしましょう。

1.部屋の大きさを確認しよう

こちらは賃貸アパートやマンションなど間取りは分かるけど、部屋の大きさまで分からないときは部屋の大きさを家具購入の検討前に計測しましょう。

図面がある場合はそちらを確認しましょう。

2.搬入経路の確認

部屋の大きさを確認するときに同時に見ておきたいのが搬入経路です。ベッドや2人掛けのソファなどの大型家具は、部屋に収まったとしても搬入経路が確保できず家の中に入れられないということもあります。
また、家具の点数が多い場合は大型トラックで運んでくる場合もあります。

建物前に搬入トラックが止められるか、廊下幅の計測、搬入用エレベーターの有無やかご内の寸法、階段の有無などの確認の必要があります。

点数が多い場合、大型家具の購入がある場合は事前に確認をしましょう。

3.納期の確認(既製品家具)

店舗開店までに間に合わせたいなど納品の期日がある場合やそうでない場合も家具の納期を確認しましょう。家具は大きく国内生産品と海外生産品に分かれます。その2つによっても納期の状況が変化します。納期が短い順からご紹介します。


ここでお話しする納期についてはプロ向けのお話なので、一般の方は読み飛ばしても大丈夫です!ECサイトの商品ページに納期が載っています。気になる方だけ読んでみてください◎


- 国内生産、国内在庫品の場合 -

[約2~3日または1週間]
大量生産がされている既製品家具の場合、まとまった台数を製作後に倉庫などに保存がされています。またメーカーによっては15時までの注文で即日発送/それ以降は翌日発送、土日祝日の発送は行わないなどよって納期が変わってきます。

※注意※
在庫品でも別で大量ロットの注文が入った場合は欠品となり、納期が延びることがあります。複数台購入予定の場合は納期と共に必要台数や在庫をメーカーに確認するのが無難です。

- 国内受注生産の場合 -

[約1カ月~3カ月]
注文を受けてから国内工場で作る場合、製作するまでの時間も含むので国内生産でも時間がかかることがあります。

- 中国工場生産の場合(船便) -

[約1カ月~3カ月]
日本から近い中国に工場がある場合、船便で1~3カ月で届きます。

-海外生産の場合(船便)-

[3~4カ月、半年以上]
日本から離れているヨーロッパから輸入する場合、ヨーロッパ周辺地域に工場を持つことも多い為輸送に時間を要します。

船便の場合、ある程度まとまった量をコンテナに積んで運んでくることや船便の本数が少ないこと、港をいくつか経由するなどの要因があります。また、天候や世界情勢の影響をうけることもあるので到着予定は都度確認が必要です。おおよそ、予定納期の1か月前には国内到着のタイミングが分かるのでその時期にメーカーに確認するのが良いです。

稀にタイミングよく船便の時期が近い、台数が少ない、コンテナに余裕がある場合などは早く届く場合があります。

-海外生産の場合(航空便)-

[1.5カ月程度]
海外生産品の物を早く輸入したい場合、航空便にすると船便より早く届きます。しかし、運送コストが十数万円程度多くかかってしまう為、通常はこの方法はあまり採用しません。

③いざ購入!その前にやっておきたいこと

欲しい家具のイメージも固まり、搬入も納期も大丈夫。

いざ購入!

と、いきたいところですが実物を見れる機会があれば是非家具メーカーのショールームに足を運んでみてください。

大きさやデザインが素敵でも、椅子だったら座り心地がよくなかったり、一緒に組み合わせる家具との相性が悪かったりということが起きる場合があります。

しかし、下記のようなことがあって思うように選べなかったりすることもあります。

ー 「欲しい家具がショールームになかった」
ー 「色々なメーカーの家具を検討しているので、同時に見れない」
ー 「ネットで手軽に購入したい」

インテリアの専門家であっても、国内で現物がなくご提案前に実物を見れない場合もあります。そのような場合でも、このあとご紹介する方法を知っておけば困らずに選ぶことが出来ます。

今回は家具の中でも是非座り心地を確かめることをおすすめしている椅子、ソファに限定してご紹介致します。
これを知っていれば実物を見に行くときも、見に行けない時も両方役に立つので是非参考にしてください!

1.ソファ選びのポイント

  • ソファの幅を確認しよう
    - 2人掛けの最小サイズ 1400mm幅
    同棲しているカップルならこのサイズがおすすめ。価格もお手頃に選べそうです。
    - 3人掛けの最小サイズ 1800mm幅
    家族や友達とならこのくらいは欲しい。

  • 座面の高さを確認しよう
    - ゆったりくつろぎたい、友人や家族と談笑するひとときを愉しみたい方
     座面高さSH380mmがおすすめ。 多くのメーカーが用意しているサイズ。

    ※注意※
    足腰が弱い高齢の方の場合、立ち上がるのが大変な場合があります。
    そのような場合はもう少し座面の高いものを検討しましょう。

    - オフィスで社員同士が軽い打ち合わせをするのにソファ席が欲しい
    - 身長が高いので低くないソファが良い

    座面高さSH400~430mmがおすすめ。ダイニングチェアなどもこのサイズが多いです。

  • 座面の奥行を確認しよう
    - クッションを利用しない場合
    座面の端部から背もたれまでの奥行D450~500mm程度がおすすめ。
    置き型のクッションを置かない場合、あまりに広すぎる奥行だと背もたれによりかかることが出来ず、寛ぐどころか返って疲れてしまうかもしれません。
    (※上記は背もたれの厚みを含んでいないサイズです。)

    - クッションを利用する場合
    座面の端部から背もたれまでの奥行D600以上がおすすめ。海外メーカーのソファサイズはD900~1200mmなど大きいサイズが主流です。
    3人掛けやL字などに配置するソファセットなどはゆったりくつろげるサイズ感になっています。

    クッションもずれないように簡易的に固定される(または置かれる)ものや、自由に位置を変えれる置き型クッション・サイズなど種類が沢山あります。店員さんに聞いてみたり、実物で使用感を確かめると失敗しません。

2.チェア選びのポイント

  • 座面の高さを確認しよう
    - 靴を履かずに使用する場合(屋内など)
    座面の高さSH400~430mmがおすすめ。日本人が一番座りやすい高さです。座面がクッション素材になっている場合はSH440程度でも大丈夫でしょう。
    また、身長が150cm以下の方は座ったときに足が床につかず浮いてしまったり、膝の裏が圧迫されて痛くなる場合があるのでもう少し低い座面高さの椅子も検討しましょう。

    - 靴を履いて使用する場合(屋外、店舗、オフィスなど)
    座面高さSH430~450mm程度がおすすめ。靴を履いている分、脚の長さが長くなるので足が浮いてしまうことが減ります。
    この場合も座面がクッションなど柔らかい素材か木やFRPなど硬質な素材かで座り心地が変わるので注意しましょう。

  • テーブルと組み合わせる場合はテーブルの高さも確認しよう
    ダイニングテーブルとダイニングチェア、ライティングデスクとオフィスチェアなどテーブルと椅子を組み合わせるシーンは多いです。
    組み合わせて使う場合は、テーブルの天板面の高さに合わせて一緒に確認しましょう。

    椅子の座面高さからテーブル天板までの距離を差尺といい、この高さのバランスで座り心地が決まります。下記に簡単にまとめたので参考にしてください。

[覚えておきたい寸法]
①椅子の座面高さからテーブル天板までの距離(差尺)→270~300mm
②一般的なテーブル天板の高さ→H700~720mm

[テーブル高さH700mmの場合におすすめの椅子座面高さ]
・差尺270mmの場合:700mm - 270mm = SH430mm
差尺300mmの場合:700mm - 300mm = SH400mm

上記を覚えておくとバーカウンターなどの高い天板、ソファで高さのあるテーブルを組み合わせる時など色々な応用が利きます。

3.ショールームに行くメリット

私がお仕事で家具のご提案をする際、お客様のご都合が合えば一緒にショールーム巡りをして実物を見る機会を設けさせて頂いています。

ご検討頂いてる家具の他、使われるシーンを想像できるようなコーディネーション、様々な色・手触りの張地サンプル、季節に合わせた小物などを愉しむことが出来ます。

エリアによっては周辺に別メーカーのショールームなどがある場合もあるので、新たな家具と出会いがあるかもしれません。

④おわりに

まだまだ家具に関しては語りつくせませんが、また別の角度からご紹介できればと思っています。

次回は、今回ご紹介が出来なかった家具購入後のメンテナンスに関してお話いたします。

最後までお読み頂きありがとうございました!
次回もお楽しみに!





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