Flesh and Bloodにおける「マクロ」と「ミクロ」

はじめに

こんばんは、Squidです。普段は大阪を中心に活動しています。
World Premiere Tokyo&Calling Tokyoの熱も冷めないうちに火種を落としてしまったので追加の燃料として記事を書きます。感想多めです。

記事中で関西や関東など大きなくくりで話すことがありますが、あくまでもこれは僕視点でのその地域のプレイヤーの平均値です。特定の個人を指す意図はありません。

発端

事の起こりはCalling Tokyo2日目の夕方、とあるプレイヤーと話していた時にControl Dashの話題になったことです。

・Control Dash
Mechanologistの基本戦術であるBoostをほぼ行わず、Pistol関連のItemを揃えて圧倒するか、Fatigue(≒対戦相手のデッキ切れ)を狙うデッキのこと。詳しくはこちら

自分で言うのもなんですが、去年行われたBattle Hardened Tokyo併催のPTI TournamentでTop8に残るぐらいにはControl Dashをプレイするのは得意だと思っています。しかし最近のメタ(Heavy Hitters以降の環境)の関西で僕がControl Dashを使うと0-2や1-4はザラに起きるのに、その人は負け越したことがないそうです。

特に顕著なのが対Kayoで、僕は圧倒的不利に感じているのに対し、その人には有利まであると言われました。

この話をするなか、東西の違いを感じた個人的に大きな出来事を思い出しました。
それは去年の日本選手権にまで遡ります。
Lexi、Iyslanderという圧倒的トップメタと、それらを対策するヒーローというFaB史でも稀にみる偏ったメタだった当時も僕はControl Dashを使っていました。

環境初期のLexi相手にはFatigueプランで一定の勝率を持っていたのですが、練習チームでの対戦を重ねるうちにLexi側がピッチスタッキングの戦術を取り始めたことで勝率はほぼ0となりました。

・ピッチスタッキング
ピッチするカードを操作することで、それらのカードを再び引いたときに自分の都合の良い手札、山札を作る技術のこと。

しかし、当時関東でControl Dashを使っていたプレイヤーによると、関東のLexi使いはControl Dash対策としてRemembranceやQuiver of Abyssal Depthsなどの枚数を増やすカードを採用し始めたとの報告がありました。

ただ、僕自身そういったカードで対策するプレイヤーに負けるわけがないと考えていました。なぜならデッキ修復カードを採用することでデッキそのものの強さを損ない、ピッチスタッキングすることもできないからです。実際にBattle Hardenedで複数のLexi使いに当たりましたが全員倒しました。

今になって思うと、この違いは東西でのゲームの主軸をミクロとマクロのどちらに置いているかの違いで起きたものだと考えられます。

「ミクロ」「マクロ」

前置きが長くなりましたが本題です。
ではミクロとマクロとはなんなのか、説明いたします。
元々は化学や経済における用語で、転じてFPSやMOBAなどでゲーム用語として使われるようになりました。
ミクロは小さなことの、マクロは大きなことの意味を持ちます。
FPSゲームを例にしてみましょう。

ミクロ

  • AIM力

  • 戦うかどうかの判断

  • 戦うタイミング

  • 自分のスキルやグレネードの使い方

マクロ

  • マップの把握

  • 対戦における定石

  • 立ち回り

  • 対戦相手のキャラクターの知識

などがあげられます。
ミクロは反復練習で、マクロは座学で伸ばします。

これをFaBに当てはめてみましょう。

ミクロ(FaB)

  • 表現価値の計算

  • アーセナルの有効活用

  • 各ターンごとの攻撃、防御の判断

マクロ(FaB)

  • 対戦プラン

  • 押し引き、溜めの判断

  • 相手の手札の推測

  • プランの切り替え

  • ヒーローごとのゲームレンジの理解

などに当てはまります。
こちらもそれぞれ反復練習と座学で上達します。
決断も短くなりますね。

東西FaBでのミクロとマクロ

結論から言うと、僕は関西のFaBはマクロ寄りで、関東はミクロ寄りだと考えています。

関西は特定のデッキに対するメタカードは採用されることがあまりなく、戦術やプランニングで対応しています。自分の強みを押し付けていくのが好きなプレイヤーが多いです。

関東は対戦相手のプレイへの対応が得意で、カード1枚1枚それぞれを強く使うのが上手です。対戦相手との対話を繰り返すデッキが多くなり、それにより対話拒否のデッキも多くなっています。

この特徴はデッキ選択やメインのフォーマットの違いにも表れており、関西ではゲームレンジが長いCCが最も遊ばれています。
Blitzで行われたBattle Hardened TokyoはTop8に関東の方が多く残っておられました。

関東でControl Dashをはじめとする防御に寄ったデッキが増加傾向にあるのも、大量のDefense Reactionなどによりミクロ面で最強レベルのデッキであることを考えれば納得です。それらのデッキはマクロ面での対策を必要とします。

練習方法

足りないものを意識しましょう。

ミクロ

とにかくプレイしまくれば勝手に成長します。カードのシナジーを意識したり、Reactionの使い方を考えたりしてみましょう。まずはArmoryやTalisharから。

マクロ

記事を読んだり、強い人に聞いたり、大会の動画を見たり、プレイすること以外で強くなれます。普段使わないデッキを友達に借りたりTalisharで回してみるとそのデッキの弱点や強みを発見でき、そのデッキを相手するときのプランニングに役立ちます。

おわりに

東西でのミクロマクロの寄り方はどっちがいいとか悪いとかではありません。プレイヤーの増加量は関東の方が圧倒的に上で、界隈に人が増えれば増えるだけ既存プレイヤーも刺激を得て強くなります(主にミクロ面)。日本のFlesh and Bloodシーンはまだ始まったばかりですが、初心者を育てることはまわりまわって自分の成長へつながります。

考え方一つで勝率が大きく変わるゲームなので、この記事に囚われず、自分の目指す形での勝利を目標にしてみてください。

以上、Squidがお送りしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?