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【一文でCVR改善】どのページのCTAでも同じことを言っていませんか?コンバージョンに導くためには〇〇が重要

ユーザーに行動を喚起するCTA(Call To Action)。「今すぐダウンロード」や「お問い合わせはこちら」といったコンバージョンに導くボタンやテキストがそれにあたります。

コンバージョン率を大きく左右する重要な要素であるため、少しでもクリックされやすいように、目立たせたり、必要以上に煽るようなコピーが用いられることも少なくないでしょう。しかし、そのことが裏目に出てユーザーの行動を阻害してしまっては本末転倒です。

クリック率・コンバージョン率の両方を高めるためには、CTAによりユーザーの納得感や理解度を高め、寄り添う形でゴールに導いていくことが大切です。

そこでポイントとなるのがCTAの場所・タイミングと内容。特に後者について、もし今「どのページでも同じ内容で訴求している」という場合は改善のチャンスです。

この記事では、ページによって訴求内容をどう変えていくべきかを「文脈」という視点で実例も交えながら解説します。


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CTAの最適な位置・タイミングの考え方

Webサイトのページを開くと画面を覆うような大きなバナーが表示される。あるいは、いきなりポップアップが出てくるとどう思うでしょう。コンテンツの中身に興味を持って訪れているユーザーにとっては邪魔でしかなく、そこに何が書かれているかを気に留めることもなくスルーするか、条件反射的に閉じようとするのではないでしょうか。

CTAをユーザーにしっかり認識してもらうためには、表示する位置を考慮しなければなりません。ポップアップの場合はタイミングも同時に考えることになります。ユーザー体験を損ねることなく、かつ目に留まる場所とタイミングである必要があります。

それをどのように決めるかには、「ヒートマップ」が役立ちます。Webサイトの各ページにおけるユーザーの行動をグラフィカルに可視化するものです。

ユーザーがページ内のどこに興味を持って注視しているかがわかる「アテンションヒートマップ」やページ内の到達箇所を視覚化することで離脱ポイントが把握できる「スクロールヒートマップ」を用いてユーザーが熟読している箇所を見つけ、その直後にCTAを配置するのがよいでしょう。ポップアップでCTAを表示する場合のタイミングの考え方も同様です。

ヒートマップのイメージ
ヒートマップのイメージ

さらに、A/Bテストでの効果検証も欠かせません。本当にその位置・タイミングが最適だったかはA/Bテストで確かめていくしかありません。

A/Bテストを行う際、複数の要素を変えたパターンで検証を行うと、どの要素の影響があったのかわからなくなってしまいます。A/Bテストで変える要素は原則一つに絞って、着実に効果検証を重ねていきましょう。

コンバージョンに導くためには文脈が重要

CTAの内容、何をどう伝えるのかが重要なのは言うまでもありません。文言(コピー)の一つのポイントは、特徴やメリットよりも「ベネフィット」を訴求することです。ベネフィットとメリットの違いは、以下の通りです。

・ベネフィット=読み手が求める嬉しい未来(結果・幸福)
・特徴やメリット=ベネフィットが叶う理由

『セールスコピー大全』(パル出版)

例えば、銀行が公式アプリをリリースして、Webサイトからユーザーにアプリダウンロードを促す場合。

・便利な機能が満載!=メリット
・どこでもすぐに残高確認ができる!=ベネフィット
という形です。

メリットや特徴を語ってはいけないということではなく、より強く打ち出すべきはベネフィットであるということです。

メリットもベネフィットも一つというわけではありません。だからこそ、「使い分け」が重要です。どのページ、どのCTAでも特定の打ち出し方をしている場合は改善の余地があると言えます。意識すべきは、ユーザーニーズを汲み取った文脈です。

ページごとに訴求する内容を変えたA/Bテストの結果から、クリックにつながる使い分けについて見ていきましょう。

このA/Bテストを実施したのは、銀行のサービスサイトです。公式アプリの訴求をポップアップを用いて行いました。何ができるかというベネフィットをベースに以下の3つのパターンのポップアップを用意し、ページによるクリック率の違いを検証しました。

  • パターン1:今すぐお振り込み

  • パターン2:今すぐ残高確認

  • パターン3:通帳記入が不要

銀行のサービスサイトで行ったA/Bテストで用いたパターン
銀行のサービスサイトで行ったA/Bテストで用いたパターン

この3パターンにポップアップ自体を表示しないパターンも交えてA/Bテストを実施しました。

まず、「パターン1:今すぐお振り込み」が他に比べてクリック率が高くなったのは、「アプリの紹介ページ」と「よくある質問内の振込手数料についてのページ」でした。特に「よくある質問」では差が顕著で、ユーザーが知りたい情報と伝える情報の親和性の高さが重要であることが伺えます。

「パターン2:今すぐ残高確認」が効果的だったのは、「店舗・ATM案内ページ」や「会員IDの説明ページ」でした。ATMや会員IDを用いたサービスの中で、「残高確認」がアプリダウンロードへのフックとなったようです。

さらに、「手数料無料で利用できる他行ATMの案内ページ」では「パターン3:通帳記入が不要」が最も効果的という結果でした。この銀行では提携先金融機関のATMでは通帳記入ができず、近くにこの銀行のATMがないユーザーは通帳記入に課題感があると考えられます。

いずれのページにおいても、文脈に合った訴求内容がより効果的であることを示しています。とはいえ、仮説の時点でユーザーニーズを一つに絞って見極めることは困難でしょう。複数パターンを用意したA/Bテストをやってみて初めて効果的な訴求軸がわかるとも言えます。

SEO記事でも文脈に沿った文章を加えてみる

人の認知や行動は、情報がどのような文脈で提示されるかによって変化します。人の行動は前後関係に大きく影響を受けるということです。

ユーザーの行動は多くの場合、衝動的で直感的です。ご自身でユーザーの立場になってみてWebサイトを操作すれば感覚的に理解できるでしょう。「考えた末にリンクボタンをクリックする」なんてことはしません。

前後関係を無視した情報の提示はユーザーの思考の枠外に追いやられ、意識すらされないのです。

Sprocketでは、マーケティングキーワードの解説記事も自社サイトで公開しています。検索からの流入で、リード獲得を目的としたものです。資料請求のCTAバナーのみを配置した場合と文脈を意識した文章を加えた場合とでは、後者の方が資料ダウンロード数が伸びました。

SEO記事では一文を加えただけでコンバージョンに差が生じることもある
SEO記事では一文を加えただけでコンバージョンに差が生じることも

ページごとにユーザーのニーズを読み解き、それぞれにCTAを用意するのは大変かもしれません。しかし、表現の調整だけでコンバージョンを改善できる可能性があるのですから取り組む価値はあるでしょう。

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