【MLBドラフトレビュー】3年後...2020ドラフトレビューNYY編

目ぼしい選手を5人ピックアップして、ドラフトから3年経った選手達の活躍を見ていきます。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
成績
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1(28).オースティン・ウェルズ(Austin Wells):C:右投左打:6-2/200:Arizona:$2.5M:$2.49M

パワーとアベレージを兼ね備えるヒッティングプロスペクト。小さく足を上げて上手くタイミングをとり、どの球種でも対応できるようにしている。アプローチは慎重で、三振も若干多いがそれ以上に四球を選ぶことができる。Cだが守備はどの点をとっても平均かそれ以下。アームも強いわけではなく、将来的には1BかLFに収まるだろう。

成績

 21年のプロデビュー以降マイナーでは安定した成績を残しています。いずれのシーズンも15HR以上をマーク。大きな故障のあった23年以外は.385以上の出塁率を残しており、ドラフト前の評価通りパワーとアベレージを両立させる打撃を見せています。
 K%も抑えることに成功しており、深いカウントに持って行っても簡単には三振しない粘り強さも兼ね備えています。
 23年にはメジャーデビューを果たし少ない試合数ながらも4HR&6二塁打をマークして存在感を見せました。
 打撃では今後の見通しも明るいのですが、守備では難を抱えたまま。マイナーではフィールドに出れば全てCとしての起用でしたがプレート周りの動きは芳しくなく、特にアームの弱さとフットワークの鈍さが災いして走られると手を打てません。
 現在のNYYのCのデプスはそれほど厚くないためしばらくはホセ・トレビーノとの併用になりそうですが、アンソニー・リゾーが退団するタイミングで本格的に1B/DHへの転向を考えることになりそうです。



3(99).トレバー・フーバー(Trevor Hauver):OF:右投左打:6/205:Arizona State:$587.4K:$587.4K

打撃ではソリッドさが魅力。いずれもずば抜けているわけではないが、アベレージとパワーを兼ね備え安定してスタッツを残すことができる。アプローチに優れており、三振を少なくしつつ四球を多く奪える。身体能力に欠けており、OFではLF以外に守れるポジションはない。高校時代はSSだったため、臨時でIFに入ることもできるか。

成績

 NYY傘下でのプロデビュー前にジョーイ・ギャロらとのトレードでTEXへ移籍。移籍先のTEXではアマチュア時代から評価の高かった優秀なピッチセレクションを継続し、高出塁率をマークし続けています。
 BB%は毎年15%以上をマークしており、シーズン最低の出塁率が.375と出塁能力の高さは衰え知らず。毎年2桁HRをマークしており、パワー面でも存在感を見せています。
 一方で、プロ入り後に出場機会を得るために敢行した2B転向は失敗に終わり1B/LFに収まっています。このポジションで勝負するとなれば高出塁率の一本槍では足らず、より長打数を稼ぐ必要があるでしょう。


総括

 1巡目のオースティン・ウェルズは打撃では順調にステップアップしていますが、守備面で大きな進歩が見られずポジションを1B/DHへの転向が濃厚となっています。
 とはいえ、ドラフト時からCとして使い続ける構想はなかったと思うので現時点では予想していた通りの展開になっているでしょう。あとは、スムーズにコンバートを進めることに注力することになるでしょう。
 トレードで放出したトレバー・フーバーもポジション難を抱えており、早々に放出して正解だったかもしれません。


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