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全前置胎盤 妊娠・出産レポ

今回は私の妊娠・出産について振り返ってみました。

私は第一子である娘の妊娠時(初めての妊娠でした)、「全前置胎盤」になりました。

「全前置胎盤」「前置胎盤」と診断されて不安な妊婦さんや、「帝王切開ってどんな感じなの?」と気になっている方の参考になれば嬉しいです!


全前置胎盤とは?

全前置胎盤とは、通常おなかの上の方にできるはずの胎盤が、おなかの下の方にできてしまい、子宮口を完全にふさいでしまっている妊娠の状態・疾患を指します。

前置胎盤って、 いったい何 ?https://www.ncchd.go.jp/hospital/pregnancy/bunben/img/guide_13.pdf

すでに帝王切開をした経験がある方や、高齢出産の方がなりやすいとのことで、20代の初めての妊娠でというのはかなり珍しいようでした。

全前置胎盤の場合、通常の経膣分娩は大量出血リスクが高く、母子ともに危険なため、手術日をあらかじめ決めておく「予定帝王切開」になります。

出産までの間も出血リスクがあるため、何かあってもすぐに病院で対処できるよう、管理入院するのが一般的です。
全前置胎盤はいつわかった?

はっきりと「全前置胎盤」の診断が下りたのは、妊娠27週頃のことでした。
突然「今日から入院です」と言われ、頭が真っ白になったのを覚えています。

妊娠初期からしばしば少量の出血(生理1日目くらい)があり、初めての妊娠で不安だった私は、出血があるたびに受診していました。
その時に言われていたのは、「胎盤が下の方にあるね。そのせいで出血があると思うけど、赤ちゃんは元気なので大丈夫ですよ」ということでした。

この時は「胎盤が下の方にある」がどういうことなのか理解していませんでいた。
かかりつけの産婦人科は、数人のお医者さんがシフト制で勤務している病院で、毎回違うお医者さんに診てもらっていたためか、きちんとした説明がなかったように思います。
今思えば、もう少しこちらから質問してみても良かったなと思います。
少しでも疑問や不安があれば、お医者さんに聞いてみましょう。

里帰り出産をしたかったので、「今日から入院」しないといけない状況ではあったものの、お医者さんの許可を得て急いで新幹線で帰省しました。
移動中に大量出血しないかものすごく不安でした。
ホームまでは夫についてきてもらい、新幹線内で両親と合流。
もし里帰り出産が可能な場合は、移動時は一人にならないよう、極力家族と行動することをおすすめします!

2か月半の管理入院生活

入院中は、基本的にベッド上から動けません。
妊娠の経過によっては、フロア内なら歩いてOK、売店まで行ってもOKという風に段階的にお医者さんから許可が出ます。
私の場合は、フロア内は歩いてもOKでしたが、それ以上遠くに行く場合は車いすを押してもらいました。

管理入院中の一日

1日の流れは以下のような感じでした。

7時  起床 そのままベッド上で1回目のNST
8時  朝食
9時  内診 出血等ないか確認
11時 2回目のNST
12時 昼食
15時 許可が出ればシャワー おやつ
17時 3回目のNST
18時 夕食
21時 消灯

NSTというのは、おなかの張りや赤ちゃんの心拍を測る機械です。
おなかにパッドを付けて、バンドを巻き付けて固定するのですが、赤ちゃんが動いたりすると測れなくなってしまうので、看護師さんに来てもらう必要があります。
私は毎日3回×2か月半やり続けたのでNSTマスターになり、エラーになっても自分で戻せるスキルが身につきました(笑)

そして内診も毎日ありました。
内診の痛みにおびえる妊婦さんも多いですよね。
前置胎盤などの場合は、あまりグリグリされることはないので、そんなに苦痛ではなかったです。
毎日診察台(脚がぱかーっと開くアレです)に乗っていたので、恥じらいも全く感じなくなりました(笑)

NSTや診察があるとはいえ、日中ほとんどの時間は暇です。
私の病院ではWi-Fiがなかったので、ポケットWi-Fiを契約して持っていき、PCやタブレットで動画を見たり、読書したりして過ごしていました。また、編み物にハマって赤ちゃんの服を編んだりもしました。
ベッドの上でも楽しめるようなものを持っていくのがおすすめです。
おなかが張ってしまうのであまり根を詰めないように…。

孤独と闘う長期入院

私の場合、入院していたのはまだコロナ前だったので、毎日家族が面会に来てくれて良かったです。
2か月半、病院から出られないというだけでも発狂しそうなのに、一切面会できなかったら本当に病むと思います…。
家族に出産に対する不安を聞いてもらえましたし、病院食以外のお菓子など持ってきてもらえたのは助かりました。

日中も暇ですが、21時の消灯が地味につらかったです。
ほとんど動いていないので眠さを感じることがなく、あまり眠れませんでした。
大部屋だったので明かりがつけられず、スマホをいじりながら長い夜を過ごしました。
妊娠後期になると、産後に向けて自然と小間切れ睡眠になりますが、うとうとしても1時間おきには起きていた気がします。

毎日毎日、早く赤ちゃんに会いたいな~、早く家に帰りたいな~と思っていました。
ほとんど人と話せない2か月半は本当に長かったですが、看護師さんの「赤ちゃんがくれたお休みだと思って」という言葉を胸に、産前の一人時間を満喫させてもらいました。

自己貯血

帝王切開の手術に向けて「自己貯血」というものをしました。
手術の出血に備えて、輸血用に自分の血を取っておくものです。
前置胎盤の場合、通常の帝王切開よりも出血が多くなる可能性があるとのこと。
私は2日に分けて、血液の採取をしました。
珍しいのか、病院内の先生や看護師さんたちがたくさん見に来ていて面白い光景でしたよ。
イメージとしては、献血そのものという感じです。
私の場合は特に貧血になったりということもありませんでした。
心配であれば、事前にプルーンを買ってきて食べたりするといいかと思います。

予定帝王切開での出産

妊娠37週に入ってすぐ、帝王切開で出産をしました。
手術日は先生の空いている日ということで、病院の都合で娘の誕生日は決まりました(笑)

前日の夜から術後もしばらく飲食禁止だったので、食べられるぎりぎりの時間におにぎりやいちごを食べて、お茶もたくさん飲みました。
初めての手術だったのと、赤ちゃんに合える喜びとでドキドキし、あまり眠れなかったように思います。
まだ見ぬ赤ちゃんへ手紙を書いたり、長い妊娠生活を振り返って物思いにふけったり。
当日の朝は、記念に大きいおなかの写真や、最後のNSTの動画を撮ったりしました。
出産日があらかじめ決まっているからこそ、できることですよね。
家族も、前もって出産日が分かっているのでスケジュール調整ができ、その点はすごく良かったです。

当日は、起きたらすぐに点滴をして、車いすで手術室に運ばれ、あっという間に手術が開始。
背中に打つ注射が痛いと聞いていましたが、麻酔科の先生が上手だったのか、思い切り背中を丸めたのが良かったのか、あまり痛みは感じませんでした。
管を入れるとき、腰に神経に触る感じの痛みを感じましたが、先生に言うと痛くないように調節してくれました。

私は麻酔が効きづらかったようで、最初にメスを入れられたとき若干の痛みを感じました。
内心すごく怖かったですが、麻酔を追加してもらい、すぐ感覚はなくなりました。
ただ、今度は効きすぎたのか、息苦しくなってしまい、酸素マスクを着けてもらいました。
痛みを感じたりつらかったりするときには、遠慮せずに言うことをおすすめします!

娘が出てくるときには、内臓に独特の圧迫感を感じて苦しかったです。
すぐに産声が聞こえ、一瞬でしたが顔も見ることができました。
このときツーショットを撮ってもらったのですが、私の顔面が蒼白すぎて笑いました。
無事に生まれてくれたことに心底ほっとしたのを覚えています。

娘はとても元気でしたが、念のため様子を見るということでNICUへ運ばれ、私はその後の処置をしてもらいました。
出産前よりも出産後の方が、手術時間は長かったように思います。
ずっと起きていたのですが、この後2日間ほとんど眠ることができなかったので、全身麻酔に切り替えて眠らせてもらえば良かったです
2人目を出産することがあれば、可能なら産後の処置のときには眠らせてもらおうと思います。

手術直後はものすごい疲労感があり、出血のためか寒くて毛布を掛けてもらったのを覚えています。
2日ほどは慣れない麻酔の点滴によるストレスのせいで体の震えが止まらず、なかなか眠ることもできず、つらすぎて生まれた娘の顔をじっくり見る余裕もありませんでした。

管が取れてからは、ごはんもおいしく感じられるまでに回復していきました。
麻酔の点滴を外したので、傷の痛みはありましたが、鎮痛剤を飲めばなんとか動けるという感じ。
身体の回復とともに、娘のこともかわいいと思う余裕ができてきました。
毎日面会に来ていた夫も、少しずつ元気になる私を見てほっとしたと言っていました。
やはり体がつらいと心にも余裕がなくなるのだな、と改めて実感した出来事です。

まとめ

今回は、全前置胎盤と診断された私の妊娠・出産について振り返ってみました。
以下、管理入院される妊婦さん、帝王切開で出産される方に伝えたいポイントです!

  • 妊婦検診では、どんな些細なことでも疑問や不安があるならお医者さんに聞こう!

  • ハイリスク妊婦は特に、なるべく一人で行動しないようにしよう!

  • 長期の管理入院は暇すぎる!何をするか決めておこう

  • 予定帝王切開は前もって出産日がわかる!メリットもあるよ

  • 麻酔が効きづらい人もいます。痛かったら遠慮せずに言おう!

  • 手術後の体のダメージは想像以上!とにかくゆっくり休んで回復に専念しよう

開腹手術をしたことがなかった私にとっては、帝王切開による傷の痛みや疲労感はこれまでの人生で一番つらいものでした。
そこに、これまた人生初となる赤ちゃんのお世話が加わるので、初めはかわいいと思える余裕がなくて当然だったな、と今思い返してみると感じます。

出産後はなるべく看護師さんに頼りながら、まずは休んでご自身のケアに注力してくださいね。
私のレポがお役に立てれば幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


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