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但馬オサムの選ぶ渡辺宙明ベスト10

2022年6月23日、音楽家・渡辺宙明先生がお亡くなりになられました。本稿は『昭和39年の俺たち』編集部の依頼で、僭越ながら不詳但馬が選ばせていただきました宙明アニソン(特ソン)ベスト10です。(扉写真は、酒豆忌=中川信夫監督の命日での宙明先生との2ショット)。

【ベスト1】『マジンガーZ』
宙明サウンドのあらゆる要素がこの一曲に詰まっている。水木一郎は60年代からアニソンを歌っていたが、どちらかというと本家TV版のカバーが多い印象(買ってもらったレコードをかけて、「これテレビの歌と違う」と思った経験ない?)。その水木にできた最初の「持ち歌」であり、そして代表曲。今では立場は逆となり、この曲のカバーを歌う歌手は多数存在するが、水木の「ゼーーッツト!」に肉迫できる歌唱はない。

  • 【ベスト2】『イナズマンF』

  • 『イナズマン』から『イナズマンF』へ。子供番組ではテコ入れのための番組リニューアル、マイナーチェンジはよくあるが、えてして、万人向けを狙って内容が低年齢向きになる傾向がある。Fのように、アダルトかつハード路線への変更は珍しい。それに合わせて主題歌もロック調に。前作のラテンぽいイントロもよかったけどね。渡五郎が、赤いハイヒールを愛玩する靴フェチ君だったのには驚いた。

【ベスト3】『ジローのギター』(人造人間キカイダー)
ジローが登場するときのテーマ曲。哀愁に満ちたアルペジオの調べ。クラシックギターのスタンダードになってもおかしくない隠れた名品である。ちなみに、実際のジローはギターを弾いていない。よく見ると弦も張ってなかったりする。

【ベスト4】『宇宙刑事ギャバン』
『マジンガー』が水木一郎の代表曲なら、串田アキラの代表曲は絶対これ。挿入歌『チェイス!ギャバン』から『レーザーブレードのテーマ』まで、ギャバンは、いやメタルヒーロー・シリーズはすべての楽曲がカッコイイ。

【ベスト5】『マグネロボ ガ・キーン』
『秘密戦隊ゴレンジャー』では、ささきいさおとデュエットした堀江美都子が、この曲では水木一郎と奇跡のデュエットを聴かせてくえる。アニソンにおける男女デュエットというスタイルを確立したのも宙明先生の功績のひとつだ。マグネマンに変身したあとの舞のSぽい顔が好き。

【ベスト6】『Zのテーマ』(マジンガーZ)
マジンガー出撃テーマ。♪人の命は尽きるとも~、ちょっと文学的な(?)歌詞は、マセ始めた小学校高学年の耳には超COOLだった。そしてリズムギターの生み出す高揚感。もともとこちらが主題歌に予定されていたらしい。

ベスト7】『アニーにおまかせ』(宇宙刑事シャイダー)
一見チャールトン風のイントロに、生ギターとボンゴ(?)のアンサンブルが挿入されるあたりでシビれてしまう。森永奈緒美のヘタクソなボーカルがまた愛おしい。

【ベスト8】『バトルフィバーJ』
現役差年長の作曲家は、また新しいもの好きであった。『スパイダーマン』に続いて、本曲でもイントロにシンセドラムを効果的に使用。そういえば、『人造人間キカイダー』の頃、すでにミニモーグを使っていたんだっけ。

【ベスト9】『太陽戦隊サンバルカン』
♪もしもー日本が弱ければ~とカラオケでは、つい『愛国戦隊大日本』版で歌ってしまうけど、替え歌で歌うほどに原曲のよさがわかるから不思議。

【ベスト10】『どっこい野郎』(どっこい大作)
山田太郎に歌わせるという理由で、ド演歌調にしてほしいというオーダーにもさらりと応えてしまう宙明先生の懐の深さ。『どっこい大作』は決して特撮ではないが、これも一種の変身ヒローものである。「どっこい」アクション後の大作はサナギマンよりは強そうだ。〇〇野郎というタイトルも、大作=金子吉延のぽっちゃりした体形とあいまって、そこはかとないホモ臭ささを漂わせ好感がもてる。


【次点】『ハカイダーのテーマ』(人造人間キカイダー)
かっこよすぎる。『01』でのハカイダーの堕落ぶりを思うと…。お前は犬殺しのために生まれてきたのか…。


おまけ


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