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完成された美よりも、不完全さを通じて起こしていく人とのコミュニケーション。ハコバース?メタバースでの仕掛けとジェットコースター。

最近、メタバースSpatialにジェットコースターを作りましたら、すごく拡散いただき、楽しんでいただいているので、記事を書くことにしました。TikTokに、VRでの目線も含めて動画にしています。

Spatial公式

SpatialのCo-founder

SpatialのコミュニティHead

という、Spatial本家の方々のほか、

などなど、本当に多くの方が遊びにきてくれました。わたしが、こういった新しい試みをメタバースで作るときに、注意していることがあります。それは、「美しいだけのものは創らない」です。

なぜか?「美しい」は、やはり、自然の美に勝てないと思うのと、美しいって、何回か見たら、もういいかなって思うんですよね。バーチャルって、移動コストがかかりません。遠い場所で、「わざわざお金と時間をかけて行く」のであれば、「美しい景色を何度も見に行きたいと思いながら、数年に一度行く」など、達成する価値があります。

でも、メタバース上での移動は、クリックひとつ。移動する達成感はありません。そのため「なぜ、そこに行くのか」という動機の設計がなければ、「ハコバース」(メタバースという容れ物だけあって、中身の企画がないメタバース)となってしまいます。

人が楽しいと思うことの一つに「参加する」という気持ちがあります

情報を読むだけの時代をWeb1.0(情報を受取る)、情報を双方向にやりとりする時代をWeb2.0(情報を発信する)、そして、Web3.0の特長として、「参加する」があると考えています。プロジェクトやコミュニティをバーチャル上でおこしていくテクノロジーが次々開発されています。

「参加する」ということは、完成に向かっていくプロセスを共有するということです。もう「できてしまったもの」を見せるだけではなく、日々のプロセスを共有し、その進化を楽しむような形です。

この「参加する」という気持ちを作っていくためには、最初から完成されたものを作ってはいけません。

ジェットコースターですと、フリーの3Dモデルを持ってきて、カートをおいてアニメーションをつけました。それだけです。

「おいてみた」

これ、支柱が太すぎてダサイですし、もともとこんな大きさでメタバースで使う用にできてませんから、曲線もかなり「カクカク」してます。でも、これで良いのです。そして、友達を呼びます。一緒に乗ってみます。

↓ 夜中に呼び出されたVR好きなサンタのおじさん

つっこみどころ満載ですので、みなさん自由に意見をくださいます。だいたい、ジェットコースターが回転したときに、アバターが落ちないかどうか、それすらも分からなかったのです。試してみたら、落ちないことが分かり、かなり感動しました。VRの場合も、本当にジェットコースターに乗っているように回転することができました。怖すぎました!

しばらく使ってみると、支柱邪魔だなと思い、支柱を撤去しました。

さらに、上に設置した方が「遠くが見える」かもしれないと、空中におきました。すると、そこまで登れませんので、簡易的に「地上からジェットコースターまでつなぐ」ブロックをたくさんおきました。これ、登るの難しいのです。初心者にむけては、階段つくるべきなのですが、ひとまずブロック並べる方が、簡単で速いです。

この不完全なジェットコースターに乗ろうと、ブロックを登る人たちは、そのちょっとした挑戦を友達と一緒に話しながら行うことになります。数人から、「大変すぎるから、ちゃんと階段をつけるべきだ」とご意見いただきましたが😄

もちろん、階段もつけて、ステーションもきちんと作るつもりですが、そのプロセスを公開していくことで、会話がうまれ、早い段階でいろいろな人を巻き込み、フィードバックをもらいながら前にすすむことができます。

こういった、「会話するきっかけ」をどう設計するかが重要で、別に「メタバース」そのものが "すごい" わけではないのです。(技術的にはすごいですが、それを「場」として捉えたとき、メタバースだからすごい、とはならないですね。)

不完全なものを公開していくこと、そこには「関わる余地」という余白を生み出し、人が集まる動機になります。

天空のジェットコースター、ぜひお試しください


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