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スパークコーヒーの焙煎機がやってくるまでのお話①

今日はちょっと趣を変えて、スパークコーヒーの焙煎機についてお話ししましょう。


2015年8月まで仙台のとある焙煎会社に勤務していた私。会社で使っていた焙煎機は「富士珈機」の5キロサイズ(1回の焙煎で最大で5キロ焼けるサイズのこと)と10キロサイズのものでした。

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こんな感じ。写真だとわかりづらいですが手前の10キロサイズだとかなりの大きさです。

この2台を使い分け、日によっては同時に(!)稼働させながら日々焙煎をしていました。そうしないと物理的にその日のうちに焙煎が終わらない、ということが結構あったんですね。

今にしてみると無茶苦茶です。2台同時にドロップ(焙煎した豆をザーって出すあれです)のタイミングが来ちゃう事もあるので、もう2台の間を行き来しながら、時には真ん中に立って両手使いで回していました。

そんな貴重な経験させてもらえたのはラッキーだし会社には物凄く感謝しています。

余談ですが、コーヒーのキャリアをスタートさせたかなり早い段階で「焙煎がしたい」と思っていたので焙煎をしている小さな会社に入りたいと思っていましたし、入社後は常にそのポジションを狙っていました。

かなりの量を焼くので毎日どこかしらバラして組み上げて、の繰り返しの日々だったので、自分の身体の一部と言っても過言ではないほどに自由自在に操れるようになっていきました。

分解したら元どおりにすればいいだけの話なのでさほど難しくはないですが、お陰で焙煎方法だけでなく焙煎機の構造や、空気の流れが味に及ぼす影響にまで精通する事ができたのは本当に会社のおかげです。

同時に、独立するにあたっては会社で使っていた焙煎機と同じものを導入しようとは思えませんでした。

専門的な部分は省きますが、つまりは出せる味わいの幅に限界を感じてしまっていた、というのが理由です。その割には価格も安くはない、というのも。

とはいえ海外製のものは高く、かつトラブルに弱い(すぐに対応してもらえない)という理由もあり、日本製で求めるスペックに合うものは無いかなーと、少ない選択肢の中で考えていました。


そんな独立を強く考えていた2015年初頭、会社の焙煎機の修理で来ていただいたエンジニアの方に「東京産機」という焙煎機メーカーの事を聞くことになります。

恥ずかしながら当時は存じ上げ無かったメーカーですが、知る人ぞ知る業務用焙煎機のメーカーで、あのドトールコーヒーの200キロサイズの焙煎機なども手がけています。

そのエンジニアの方も元東京産機の方で、フリーになってからも当時新進気鋭だったあの会社や、日本初上陸で話題だったあのロースターの焙煎環境の構築にも携わっている、日本でも文字どうり指折りのエンジニアの方でした。

その方に焙煎機の事を相談してみて帰ってきた答えが、

「工場に5キロの鉄の部分が転がってると思うから、それで組み上げられるかも知れない」

というもの。

東京産機は埼玉県川口市にあり、かつては鉄鋳物で一大産業を築いたことで有名です。


その名残とも言える、世界に誇る鉄鋳物を使った焙煎機を作ってもらえるかも知れない。

ごく一部のコーヒーロースターが年代物のドイツ製焙煎機を探し求めるのも、この昔の鉄鋳物による高い蓄熱性を求めるからです。

それと負けず劣らずの焙煎機を組み上げてもらえるかも知れない。

今にしてみればその時、もう心は決まっていたような気がします。

それがおそらく2015年の2月頃、開業の8カ月ほど前のことでした。

(ノリで書き始めたら思いのほか長くなりそうです。つづく)

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