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 ¨¨お正月明けの短歌‥‥

今日金曜日は待ちに待った年明けはじめての可燃ごみ収集の日だった。

うちの地区は金曜だから年末は最後の回収日に当たり、また今日も年明けて早かったから、可燃は1日出せなかっただけだ。

でもごみは通常の3倍くらい出した。

年明けのごみ収集はお正月に纏わる全てを回収して行くかのごとく、日常との区切りをつけ、その残骸を消して元の生活に戻して行く気がする。

ごみ収集車の音が近くに聞こえてきた。

この辺りは戸別収集で各々カラス対策をしている。カーテン越しに覗くと、清掃員の方達が一軒一軒の大量のごみをカラスネットを捲り上げながら手際よく収集し、清掃車はゆっくり進んで行く。

その逞しいこと。

生活をするため無くてはならない存在である。

ここでやはり、Workin'  Hard を思い出した。

昨日まで台所の隅を占領していた多くのごみ袋がきれいに無くなっている。

改めてごみの回収は当たり前に来ると思ってはいけない気がした。

        感謝です。

         ◇◇◇

何年か前、近隣の市役所の環境事務所で3年程事務の短期バイトをしていたことがある。
そこは清掃車(パッカー車という名前だとはじめて知る)や軽トラックが朝出動して終わるとまた戻ってくる敷地の中にあった。

バイト初日のお昼、作業員の方達が一斉に戻って来た時とても圧倒されたのを覚えている。
それまでひとりひとりは見掛けていても集団でとなると迫力があったのだ。
今働いて帰って来た「勢い」みたいのものを感じた。

慣れていくうちにその中でも序列のようなものがあり、人間関係も様々なのも分かってきた。

でも私は次第に馴染んでくるとその人達との会話を楽しんだり、やさしくしてもらったり、お弁当を分けて貰ったりと、今では懐かしい思い出である。


短歌 )))

         丸善に
     ポツンと置かれたその檸檬
      街の均衡崩さぬ静けさ

 いったい私はあの檸檬が好きだ。レモンエロウの絵の具をチューブから絞り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰まった紡錘形の恰好も。  結局私はそれを一つだけ買うことにした。それからの私はどこへどう歩いたのだろう。私は長い間街を歩いていた。始終私の心をおさえつけていた不吉な魂がそれを握った瞬間からいくらかゆるんできたとみえて、私は街の上で非常に幸福であった。あんなにしつこかった憂鬱がそんなものの一顆で紛らされる。  

「檸檬」梶井基次郎
 クリスマスの前、葉っぱの色が気に入って買って帰り寄せ植えしたシクラメンだが、見事に一輪も咲かなかった

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