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子どもが言う「楽しい学校」ってなんだろう

現在、息子は今年10歳。日本では4年生です。
こちらではイギリス式のインターに通うことになったのでいきなりYear6。英語もまだまだなのでそれなりに大変なようですが、先日学校に通い始めてから1ヶ月が経ちました。

その1ヶ月の様子をサマると、


1日目 よくわからん。けど同じクラスの日本人の子がいろいろ教えてくれた。
3日目 よくわからんけど授業は楽しい感じ。カフェテリアのごはんがおいしい。日本人で気の合う友達できた。ゲームの話、弾むわー。
7日目 日本より自由だし、怒られないし、宿題あんまりないし、いいかも!でも英語の授業がつらい。
10日目 1日中英語つらい。
12日目 体育の時間、バスケでもめて、殴られた!英語で先生にチクれない!
14日目 疲労困憊。お腹痛い。休みます。
15日目 復活。やるしかねーな。日本の学校より自由だしゆるいし、楽しいからいいとしよう。
21日目 英語、結構聞けるようになってきたかも。でも喋れない。喋りたい。それにしても1日中英語は疲れるぜ。
24日目 喋れない!でも、話しかけてくれる友達増えてきた。
30日目 1ヶ月通った!おれ、えらい!英語結構わかってきてる気がする。


ざっとこんなところでしょうか。(本人から異論が来る可能性あり)

息子は日本の小学校でも最初はすぐにはなじめず、若干の紆余曲折がありましたが、次第にどんどん友達ができて小学校生活を満喫していました。
スポーツが得意だったり、社交的なタイプの子であれば、もっとスッと入っていけるのかもしれませんが、息子は自他共に認めるインドア派。
喋りが達者な方なので、日本語という武器を奪われている今、丸腰で挑むしかありません。

一応英検3級を取って渡航しましたが、学校生活では歯が立ちません。途中、休んだ時は「英語のストレスがすごい」と本音を吐露してくれたことで、気が休まったのか、翌日からはケロッとした顔で登校しました。

Year6からの留学は大変、といろんなところで見聞きしていましたが、まあ仕方ない。それも経験だし、それはそれでいいチャレンジだと思います。

楽しい学校の共通点

それにしても、1ヶ月を通してどの時点でも変わらなかったのが「学校は楽しい」という感想です。英語がわからなかったり、友達づくりに苦戦していても、「楽しい学校」ってなんなんだろう。

息子曰く「授業は『花まる』みたいで楽しい」と。
「花まる」とは、「花まる学習会」のことで、息子は年中からずっとお世話になっていました。先生の一方通行の授業じゃなくて、自分たちで考える時間や自由に意見を言える雰囲気、そういったことがどうやら共通しているようです。

また、カフェテリアで自由に好きなものを選んで食べられること、遅刻しても怒られないこと(スクールバスのせいなので不可抗力なのですが)、揉め事があったら怒るのではなく話を聞いてくれるところ、などが「楽しい」と感じさせる要因のようです。

ほぼ同じタイミングでアメリカに引っ越した友人がいます。
娘さんは小学校3年生で、息子の1つ下。彼女は現地校に通い始めました。
英語もたぶん同じくらいのレベル。
やっぱり「楽しい」と言っているらしい。
もちろん、友達づきあいや勉強など、日々ハードルはあるのでしょうが、楽しめているのはすごい。
「授業中にスナック食べてる子がいる」とか、「髪の毛染めていい」とか、異文化体験を存分にしている様子です。

受け身はつまらない

こういう話を聞くとよかったな、と思う一方で、「日本の学校って、わざとつまらなくてしているのでは!?」と勘ぐりたくなります。
ずっと席に座り、先生の話を大人しく聞き、与えられた問題を解く。
ずっと受け身のポジションを取らされているから、飽きてもしまうし、関心も薄くなってしまうのでは、と思います。

そして、これ。

生徒に合わせて、授業形態を考えるなど前向きに使うことを目的とする研究もあるようですが……。

やっぱり変。
学校は監獄じゃないし、生徒は囚人じゃない。脈拍などの医療データを取ることがOKって、人権問題にも発展しかねない試みだと思います。そして、先生だってこんなことまで管理しなきゃいけないなんて、負担が大きすぎます。

この件を書きだすと、長くなるのでまたの機会にしますが(笑)、息子や友人の娘さんが、「学校が楽しい」と言っている方向性とは真逆。

おそらく子どもたちは、自分たちに与えられた裁量が大きいこと、主体性が守られていること、大人が自分たちの領域にコミットしすぎないことを気に入っていて、それは大人自身に当てはめて考えれば当たり前のことなのではないかと思うのです。

子どもだって一人の人間、そんな当たり前のことが感じられる場所が子どもにとって楽しくて居心地のいいところなのでしょう。



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