日記:大森靖子が嫌いで、好き

大森靖子っていうメンヘラの親玉みたいな女の人がいる。
戸川純は世代が上すぎるし、椎名林檎は市民賛歌みたいな方向性になってるし、鬼束ちひろは救急車蹴っ飛ばして逮捕されてるし、大森靖子のことをメンヘラの親玉って呼んでも差し支えないと思う。

僕はこの人が普通に嫌いだ。シンプルに好みじゃないし、Xの内容はキツいし、旦那がドラマーだし、プロデュースしてるアイドルグループはずっとゴタゴタしてるし。ちょっと前にまたZOCにグループ名戻したんだっけ?
まあ旦那がドラマーは特に関係無かったかもだけど、とにかく嫌いで苦手なので積極的に動向とかの情報は目に入れないようにしてる。ただ、曲は好きで中高生の頃からずっと聴いてる。

『みっくしゅじゅーちゅ』とか、『あまい』とか、『子供じゃないもん17』とか、『非国民的ヒーロー feat.の子』とか、『アルティメット♡らぶ全部』とか、とにかく好きな曲が色々ある。とは言っても全部の曲に詳しいよとかでは無いけど。
「曲が私」って本人が言ってるし実際そうだなって思う曲ばっかりだけど、そこは一旦全部無視して曲だけは好きってことにしてる。
そもそも僕自身が男で生理周期も基礎体温もクソもないし、詞に歌われているような出来事とは無縁すぎるけど、それでも歌われてる言葉の向こう側にある感情とか心とかが自分のことのように思えてしまう。文化盗用?とか当事者性の簒奪?だとか言われてしまえば否定しようがないけど、それでもそう思えてしまうものは思えてしまう。

そういうことを踏まえて考えると、嫌いなのは大森靖子じゃなくて自分自身なんだろうなと思えてくる。羨ましいんだろうな。自分のネガティブな感情とかきれいじゃない愛とかを歌にして表現する勇気と強さとか、それで沢山の人の心の支えになってる偉大さとか、そういうの全部が本当にすごいことだなって思うと同時に羨んで妬んでるんだと思う。
翻って、自分自身のネガティブな部分に向き合えないところとか、それを他人への(主に彼女への)攻撃性に転嫁して誤魔化してるところとか、先述した部分を純粋にすごいと思うだけじゃなくて羨んで妬んでしまうところとか、そういうものに起因する自己嫌悪のヘイトを自分自身で引き受けずに大森靖子に向けて楽しようとしてるから「嫌い」って思ってるんだと思う。ただもうこんなの一朝一夕にどうにかなるものじゃないからこの先ちょっとずつどうにかしていくしかないんだろうな。めんどくさいな。
結局大森靖子の曲が好きだし、月並みだけど救われてる部分があるし、曲が好きってことは大森靖子のことは好きだと思うし、自分のことが嫌いなんだよ。きっと。

以上、無推敲の駄文日記でした。
大森靖子さん、メジャーデビュー10周年おめでとうございます。

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