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僕は何を書けばいいのか?

セクシャルマイノリティとかLGBTQという言葉が、少しずつ社会に浸透してきています。社会での認知度が高まってきて、学校や会社でそれに関する課外授業や研修会が設けられることも増えてきました。それから、普段の会話やテレビドラマにも、その辺の話題が取り上げられることがあります。

以前の社会からしたら、これはとっても前向きにとらえるべきことだと思います。正しい知識をもって自分や他の人を尊重しようという意識は、社会で生きるために大切なことです。その意識を育むために、課外授業や研修会は有効だと思います。

ただ、僕は当事者(こういう言い方は人を区別するようで良くないかもしれませんが…)として、こうした授業・研修会・普段の会話で、「こういう時ってどうしたらいいのかな?」と思うことがあります。

それは意見や感想を求められた時です。
授業や研修会の後で、意見や感想を求められることがありますよね?
この授業で印象に残ったこと、研修を受けて普段の業務に生かしたいこと、そんなに改まっていなくても、「どうだった?」と聞かれることも。

また、誰かと一緒に見ていたドラマの中で、登場人物が突然「同性が好き」とカミングアウトするシーンがあると(最近結構ありますね、こういうシーン)、それに関する会話が始まったりします。

このような時、僕はドキッとしてしまいます。
「講演を聞いて、確かに○○は~だと思いました。」
「~ということに注意したいです。」
結局のところ、「無難」な回答になってしまうことがあります。

僕は、性のあり方や発言・行動に関してどのような意識が必要かなど、大学の教職課程の授業で学んだことがあります。事例を紹介されて、「分かる~!」と非常に共感できることや自分なりの意見があったりしますが、それについて詳しくは言及できませんでした。

周囲には全くカミングアウトしていないので、それが大きいと思います。あまり突っ込んだことを話したら、「君はLGBTQなの?」と思われるかもしれないですね。それが嫌というわけではないですが、当事者として思うことがある一方、それを全面に出して話したくはないというか…僕の意見や感想はあくまで一人の考えにすぎず、当事者全員を代表する考えではないのです。

だから、授業のリアクションペーパーで、「僕は何を書いたらいいんだろう」と戸惑ってしまいました。

こういうことって、自分だけかと思っていたのですが、Twitterで「こういう時、(感想として)何を書けばいいか分からないよね」という声があがっていたのです。
「そこで引っかかっていたのは自分だけではないんだ」と少し安心しました。
そんなわけで、今回記事にしてみたのです。

ただ、だからと言って、周囲の人に何かを求めているというわけではありません。少なくとも僕は、その時に感じたこと、考えたことを話せる範囲で話しますし、書ける範囲で書きます。客観的に見て間違ったことがあれば、それは違うと伝えようと思います。

すぐに感想や意見を求められるこの社会で、中にはこんな風に思っている人もいるのだよ、ということを少しだけ知ってもらえると嬉しいです。

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