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ショートショート「立方体メガネ注意報」

「おはようございます!
 本日、3月29日のメガネ予報の時間です!
 今日のメガネは、九州から西日本にかけては
 黒縁ときどきフレームレス
 名古屋から東京は綺麗な丸メガネ
 東北、北海道はお昼頃からベッコウメガネと
 なっております。
 レンズ曇り確率は、全国的に高く
 メガネ拭きの手放せない1日になりそうです。

 続きまして、警報注意報。
 各地に、フレーム変形警報が出され
 デリケートなメガネの
 取り扱いが求められております
 この警報に伴う、メガネ庁の記者会見が
 この後、21時から予定されております。
 また、フレーム変形とともに
 立方体メガネ注意報も
 併せて発表されております。
 メガネのレンズが立方体になる恐れが
 高まっております。
 視野が狭くなり、乗り物の運転などは
 大変危険となります。
 立方体メガネになっても大丈夫なよう
 あらかじめ球体メガネ薬を服用いただくか
 乗り物の運転はお控えください

 それでは、本日もよい視界を!
 メガネ予報でした!」

人類総眼鏡時代。
デジタル化の波に呑み込まれた人類は
新たな進化を余儀なくされていた。

人類史上かつてない「眼」の酷使。
それに順応・適応する為ついに「メガネ」が
器官の一部となってしまったのだ。

メガネ器官は、その日の気温、気圧、気候など
ありとあらゆる自然状態に左右され
日々、人々のメガネ器官が安全に機能するように
「眼鏡予報」が始まったのだった。


※3月29日に突劇金魚さんの朗読企画
「朗読Bar/金魚の夢」にて
休憩時間にお客様からいただいたお題で書き上げ
読んだ作品を加筆・修正した物です。

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